東はりま加古川水の新百景

冊子番号122


わきがわのねんぶつすい
脇川の念仏水
■河川名
美嚢川脇川
■所在地
三木市 細川町
■参考文献 「ひょうご博物誌」神戸新聞出版センター
「兵庫のふるさと散歩 東播編」兵庫県
監修/石田 善人
発行/神戸新聞出版センター


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
歴史的な言い伝えが残る湧水。




神姫バス「西村」下車徒歩30分
概要
「脇川の念仏水」は、細川町脇川の教海寺庫裡の少し手前にある井戸にこんこんと湧き出ている清水のことです。
昔、弘法大師が老婆に水がほしいと頼んだところ、乏しい水がめから水を汲み出してくれました。大師はそのお礼に杖で山裾の窪みを突き刺したところ、そこから水が湧き出て、それまで水に困っていた村民を助けたという大師伝説が残っています。
地元の人たちはこの井戸を“念仏井戸”と呼び、その上にお堂を建てて祭っています。そこには『念仏を唱えると水泡湧き上がり、願望成就す』という脇川集落発願の立て札が建てられていて、今も水が湧き出ています。集落名の脇川も、この湧き水からでたといいます。
現在でもこの水は地元の人の飲料水となり、井戸から流れ出た小川の水は、野菜洗いなどにも使われています。
なお、念仏水がある教海寺は、室町時代の地誌『峰相記』にも記載されている古い寺です。弘法大師が教海と名乗っていた修行僧のころ、この地の寺に滞在したということから、この名があるとも伝えられています。



back