東はりま加古川水の新百景

冊子番号128


うすいなり
臼稲荷
■河川名
美嚢川
■所在地
三木市 志染町大谷
■参考文献 「兵庫歴史散歩」兵庫歴史教育者協議会編著


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
川と水にまつわる言い伝えが残る神社。




神姫バス「伽耶院前」下車1km
概要
「臼稲荷」は、伽耶院(がやいん)多宝塔のすぐそばにある稲荷神社です。この神社は、水田用の水をめぐる村人同士の水争いをいましめたものと言います。
昔、日照り続きで水がどんどん少なくなってくると、村人同士が田の間を臼でしきって他人の田に水がいかないようにしたのだそうです。ある夜、その臼を取り除いている老人がいました。怒った村人が老人を打ったところ、老人の姿が消え、さがしてみますとこの稲荷神社に血がついていたといいます。村人は自分たちの愚かな行為を恥じて臼を集め、この神社に奉納したことから、臼稲荷という名前が付いたと言われます。境内には、今でも多くの臼が積み上げられています。
なお、伽耶院は、法道仙人の開山という伝承を持ち、このあたりでは数少ない修験道の寺です。寺伝によると、仙人が毘沙門天のお告げで大化年間(7世紀半ごろ)に創建したと言い、中世には播磨一帯の庶民の信仰を集めて栄えたようです。その後、別所氏の祈願所となりましたが、秀吉の三木攻めの時と再建後の天正14年(1609)の二度にわたって全焼しました。現在の本堂は天正15年(1610)に造られたもので、国の重要文化財指定を受けています。


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