東はりま加古川水の新百景

冊子番号129


いわやのきんすい(しじみのいしむろ)
窟屋の金水(志染の石室)
■河川名
美嚢川志染川
■所在地
三木市 志染町
■参考文献 「兵庫県 ふるさとの散歩道」
「兵庫のふるさと散歩 東播編」兵庫県
監修/石田 善人
発行/21世紀ひょうご創造協会


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
歴史的な言い伝えが残る湧水。




神姫バス「大谷口」下車徒歩5分
概要
「窟屋の金水」は、志染の石室(いしむろ)の中に湧く水が、ここに生息している天然記念物の“ひかり藻”の作用で、春には溜まり水が金色になるなど、四季折々に色を変えることから、こう呼ばれています。
高さ2.7m、幅14.5m、奥行きが7.2mある志染の石室は、日本書紀によると、履中(りちゅう)天皇の皇子・市辺押磐皇子(いちべのおしわのみこ)が雄略天皇に暗殺されたとき、その御子の憶計(おけ)と弘計(をけ)の二皇子が、難を避けこの石室に20余年もの間、身を隠したと伝えられています。2皇子は土地の豪族、忍海辺細目(おしうみべのほそめ)に仕え、のちに都へ還った弟の弘計皇子が顕宗(けんそう)天皇、兄の憶計皇子が仁賢(にんけん)天皇になったというゆかりの史跡です。
現在は、『史跡 志染の石室』と刻まれた石碑が建つこの辺りは静寂そのもので、昼でも暗い木々の茂りは、太古の昔に引き戻されたような気になります。また、周囲の開発が進み、最近では石室の中には“ひかり藻”は生息していないといいます。


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