東はりま加古川水の新百景

冊子番号130


みさかさいほん(めがねばし)
御坂サイホン(眼鏡橋)
■河川名
美嚢川淡河川、美嚢川志染川
■所在地
三木市 志染町
■参考文献 「ひょうご水の文化史」兵庫県企画部
「東播用水事業誌」近畿農政局
「砂と松と汐の流れ」姫路工事事務所 
市提供資料


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
加古川の利水の歴史が刻まれた橋。




神姫バス「御坂」下車徒歩すぐ
概要
「御坂サイホン」は、御坂神社の前を流れる志染川の清流にかかる眼鏡橋の別名です。
この橋にはわが国初の“サイホン(噴水管)工法”による鉄管が通っています。これは加古台地への引水のため淡河川から導水し、志染川を逆サイホンで渡す淡河川疏水工事によってつくられたものです。山から谷を通って向いの山へ水を運ぶこの疏水工事は、当時としては画期的な大事業で、明治21年(1888)から着工され、明治24年(1891)に完成しました。淡河川疏水は、疏水としては琵琶湖疏水(京都)、安積疏水(福島)とともに“三大疏水”に数えられるものですが、大きな特色は他の二つの疏水が国策として建設されたのに対し、淡河川疏水は地域住民が自費で完成させようとしたことです。なお、サイホンの設計は、わが国初の横浜近代水道を建設し、神戸近代水道の計画書をつくった英国陸軍少将パーマーによるものです。
御坂サイホンは何度か改修されましたが、眼鏡橋の姿は今でも周囲と美しい調和を保っています。



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