東はりま加古川水の新百景

冊子番号16


おおふしのいせき
大伏の井堰
■河川名
加古川
■所在地
黒田庄町 大伏
■参考文献 町提供資料(加古川の舟運と井堰)


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
加古川の利水の歴史が刻まれた井堰。




JR加古川線「本黒田」下車徒歩15分
中国自動車道「滝野社」ICから国道175号北へ25分
概要
大伏(おおふし)の井堰は、喜多前坂井堰の下流、前坂村の地内にある灌漑用の井堰で、その用水溝は前坂村西沢を経て大伏村に達しており、そのためこの井堰では前坂村西沢と大伏との利害の対立が見られました。
利水の基準となったのは、元文6年(1741)2月の前坂・大伏両村の取替証文です。そこではこの井堰が俵関であり、井堰詰より69間下までが井堰地であること、井堰の竹木・石など一切取らないことなどが定められていました。
なお、「大伏の井堰」は仮堰で洪水や川の流れによってその位置が動いたようです。
そのため、その後も天明5年(1785)の引水による紛争などに見られるように、訴えが出されると役人が検分し井堰の位置を改めて確定し、その後は両村の話し合いで処理していました。幕末になるにしたがって、水論を訴訟に訴えてではなく、隣村などから調停を入れ、当事者の村と村との話し合いで和談に達するケースが増えたことは、注目すべき点といえるでしょう。


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