東はりま加古川水の新百景

冊子番号49


ばんしゅうねざめのくひ
播州寐覺の句碑
■河川名
加古川
■所在地
滝野町 上滝野
■参考文献 句碑解説文


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
歌人に愛でられた闘龍灘の姿を残す碑。




JR加古川線「滝」下車徒歩5分
神姫バス「滝野」下車徒歩5分
神姫バス「滝」下車
概要
「播州寐覺の句碑」は、大正5年(1916)5月28日に播磨地方の俳友達が河東碧梧桐を闘龍灘へ招いた際、加古川の清流のひとときの旅情を詠んだ句を刻んだ碑です。平成8年(1996)に、闘龍灘を望む「闘龍すくえあ」に建てられました。
河東碧梧桐は、四国松山に生まれ、俳人正岡子規の高弟で、子規の没後は高浜虚子とともに俳句の革新運動を推進した代表的な俳人です。
この碑には『播州寐覺 跳びあへず渦巻く鮎のひねもすなる哉』と、特徴的な六朝風書体で大幅にしたためられています。その句意は、その日の闘龍灘に立った碧梧桐の目には盛んに銀鱗を踊らせる若鮎の姿は見られなかったようですが、それはそれとして灘の渦巻く滝壷にひねもす潜む鮎の睦み合う姿を感知して、見えぬ詩情の伏線を歌い上げたものです。
なお、この句は開通間もない播州鉄道(現JR加古川線=大正2年4月1日開通)2代目社長、伊藤英一氏が闘龍灘の大岩壁に彫り刻む計画でしたが急逝され中断、80年もの間、「幻の句碑」として語り継がれてきました。
また、播州寐覺の大幅は社町大門の蓬莱公平氏宅に保管されています。


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