東はりま加古川水の新百景

冊子番号53


ひめたき
姫滝
■河川名
加古川
■所在地
滝野町 上滝野
■参考文献 町提供資料
「北播磨の伝説」吉田省三


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
加古川と関わりがある伝説が残る小さな滝。




JR加古川線「滝野」下車徒歩5分
神姫バス「滝野」下車徒歩5分
概要
「姫滝」は、闘龍灘の約700m下流にある川の中に突き出た岩場で、高瀬舟の運行を妨げた難所の一つにも数えられます。
伝説によりますと、滝野町と西脇市の境の鳴尾山・愛宕山の頂上付近に小さな城があり、かわいい姫を中心に楽しく暮らしていたそうです。ある日、敵に襲われ、姫はわずかの家来に守られながら城を落ちのびましたが散り散りになり、一人で山の谷間の岩穴に隠れていました。ところが数日後、近くの山が火を噴き始め、加古川へどんどん溶岩が流れ込み、水で冷やされ、滝(闘龍灘)ができました。姫はじっと耐えていましたが噴火がおさまると急にのどが渇いてきたので、川へ下りていきました。くすぶっている岩を避けながら河原についた姫は水際に駆け寄りましたが、熱を帯びた溶岩で足にやけどを負いました。姫はその痛みとひとりぼっちの悲しさに負け、そのまま滝壷に身を投げました。この時の姫の小さな足形が岩にはっきり残り、以来この滝は姫滝と呼ばれるようになったといいます。
姫滝の岩は冷泉が湧出するせいで赤っぽく、『播磨鑑』によると「姫滝と同じ所に塩谷渕という塩つぼがあり、岩のすき間から塩水が湧き出し、身体を清めたり病気の回復に役立つ」とあります。


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