東はりま加古川水の新百景

冊子番号61


かいちわたしあと
嘉市渡し跡
■河川名
加古川
■所在地
小野市 下大部町
■参考文献 「加古川舟運の研究」
加古川流域滝野歴史民俗資料館
著者/吉田 省三
発行/藤崎 正弘
「東播磨研究(2)」東播磨地域調査学会


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
加古川の渡し場跡。




神戸電鉄粟生線「葉多」下車南西700m
概要
「嘉市渡し」は、現在の下大部町にありました。この渡しは、渡し舟の船頭さんの名をとって「嘉市渡し」と呼ばれ、享和元年(1801)の古図にも水深2mと記載されており、対岸の来住町との間を人渡し(一岸出船)で結ぶ役割を果たしていました。昭和18年(1943)頃まで、来住から小野の町へ行く生徒や勤め人、商用者のほとんどがこの渡し舟を利用していたといいます。
また、対岸の来住には小さな入り江の“船着き場”があり、椋の大木が並んでいたそうです。大正時代のはじめ頃までこの河岸は高瀬舟で賑わい、ここから高砂街道を利用して物資が運ばれた要所でもありました。
現在は、昭和40年(1965)に完成した堤防のために、船着き場も嘉市渡しも当時の面影はとどめていません。




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