東はりま加古川水の新百景

冊子番号87


しおのい
潮の井
■河川名
万願寺川下里川
■所在地
加西市 鎮岩町
■参考文献 「播磨の伝説」玉岡松一郎
「兵庫県むかしむかし」兵庫県老人会連合会


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
歴史的な言い伝えが残る湧水。




神姫バス(北条~平津~高砂線)「鎮岩」下車徒歩10分
概要
「潮の井」とは、加西市鎮岩(とこなめ)町にある半間四方の浅い井戸です。底から常に水の泡を吹いているので、俗称「ブツブツ」あるいは「ぶつぶつさん」といわれています。
その昔、少彦名命(すくなひこのみこと)が紀伊国熊野に行き、大己貴命(おおなむちのみこと)を恋しく思い熊野浦から潮水をここに送ったのでこの名がついたといいます。また、この井戸は朝夕の満干があるとも伝えられています。
柳田国男氏によると、山中の各所にある「塩の井」・「塩湯」・「潮の井」は、塩の貴重な時代に塩水として使われた跡がみられ、禊ぎとして神事の前に清めに塩水(=海水)を使う伝承が伝わったのだと指摘されています。
なお、住吉神社の例祭(4月2・3日)は、“播州三大祭り”の一つで「北条の節句まつり」と呼ばれます。その祭りの早朝にはこの井戸で、水垢離をとって身を清め、御輿をかつぎます。また、潮の井の水を汲んで帰り、風呂に入れて身を清め屋台をかつぎます。
(「ブツブツさん」とよばれる湧泉は各地にも存在しています。)


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