東はりま加古川水の新百景

冊子番号89


こくいさかのわきみず
粉くい坂の湧き水
■河川名
桜谷川
■所在地
小野市 樫山町
■参考文献 「播磨の伝説」玉岡松一郎
発行/第一法規出版 


写真



川、水との関わり(アピールポイント、その他)
歴史的な言い伝えが残る湧水。




神戸電鉄粟生線「樫山」下車西へ500m
JR加古川線「市場」下車東へ1.5km
概要
「粉くい坂の湧き水」は、小野市樫山町国井坂(こくいざか)にある歴史的な言い伝えが残る湧水です。源義経(1159-89)が、丹波の国から鵯越(ひよどりごえ)に向かった時に湧き出たという言い伝えがあります。義経が道の様子を訪ねた老女から、出来上がったばかりの焼麦の粉飯を椀に入れて差し出されました。食べおわってのどのかわきを感じた時、この休み場所の南手で歓声が上がりました。亀井の八郎が強弓を引いて湧き水のしみ出るところへ矢を放つと、矢の根の穴からどっと水が吹きだしたといいいます。
義経が、お礼として老女に六畝の田を与え税を免除するように、村の役人にいいわたしました。義経は、老女の息子の道案内で樫村(現樫山町)の坂を登って行きました。このようなことから、この坂をコクイ坂(粉食い坂)と呼ぶようになりました。国井(コクイ)と呼ぶ一族が、今もこの辺りに多いのは、そういう由縁からでしょう。義経の腰掛石も残り、湧き水もその頃と変わらず澄んでいます。


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