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川、水との関わり(アピールポイント、その他)
歴史的な言い伝えが残る湧水。
神姫バス「都台口」下車東へ約1km |
概要
「井ノ口(いのくち)の清水」は、奈良に都を定めた元明天皇が、衣服を染めるために都に持ち帰ったとされる清水です。このため、別名「都染の清水」ともいわれており、また播州名所巡覧図絵には「都染井」とあります。
元明天皇は、和銅5年(712)に衣服の作り方を決めましたが、官衣を藍色に染める良い水がなく困り果てていたところ、ある夜、夢の中に神が現れ、「播磨の国、印南の堤というところに良い水がでる。それで染めよ」というお告げを聞きました。使者がたずねて行きますと、山裾からこんこんと清水が湧き出ていたので都へ持ち帰り衣を染めたところ、あざやかな藍色に染め上がりました。天皇は大変喜び、『あいにあう 井の口の清水なかりせば 都の衣を いかに染めなん』と歌と伝えています。
都染には、それ以後、染物を家業とする家ができて江戸時代末まで続き、今も「形屋」や「紺屋」という屋号の家が残っています。
また、この清水が湧いていた場所には、小さな堀状の片隅に石の井戸枠が残存しています。 |