清流復活の取組みが始まるまで。













 
 揖保川は、藤無山(標高1,139m)を源流とする一級河川です。下流で林田川と合流し、河川の長さは約70kmにもなります。水質の高さ、水流の豊かさは、古来から、約810km2の流域に豊かな恵みをもたらしてきました。例えば、19世紀の初めに三輪地方から伝わった素麺づくりがこの地で盛んになったのは、揖保川の伏流水に依るところが非常に大きかったほか、高瀬舟による産物の輸送も地域の発展につながりました。
 しかし、工業発展に伴って工場からの排水や生活排水が下流の河床にヘドロを堆積させ、魚や昆虫等の生物の姿はいつしか消えていきました。硫化水素が発生して悪臭を放つなど、水質悪化は深刻な問題となり、建設省による平成3年の水質調査では、全国一級河川の中でも汚れのひどい川ワースト3位になってしまいました。このままでは水質悪化は進む一方であり、河川整備に取り組まなければ、清らかな流れは取り戻せない.....。そんな気運が高まり、揖保川・林田川水環境緊急改善推進協議会が発足したのです。