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猪名川における河川環境の課題

人と猪名川とのふれあい

かつての猪名川は、昭和20年代〜昭和60年頃の写真からも伺えるように、多くの人々が気軽に水遊びや魚取りをし、都市の中に存在する数少ない自然環境として地域住民に利用されてきた。 特に、昭和40年代に入って、都市におけるオープンスペースの減少に伴い河川空間の利用が注目されるようになり、沿川住民の憩いの場としての公園、緑地及び広場として整備し利用されてきた。

現在においても、10.4km付近の親水公園では、休日などに親子がタモ網を使って小魚を追いかける姿や、連れ立って川の中で遊ぶ子供らの姿が見られる。 このように、猪名川は、都市部に残された身近な数少ない自然環境として、地域の住民に親しまれ利用されている。


猪名川と人とのふれあい


猪名川における自然再生の必要性(自然再生の目標)

かつての猪名川は、河原や瀬・淵など多種多様な動植物の生育・生息・繁殖基盤が存在し、そこには様々な生物が棲んでいた。 多様な河川形状や、そこに生息・生育・繁殖する様ざまな生物は、変化に富んだ美しい景観を形作るとともに、沿川の住民に安らぎの場や自然とのふれあいの場を提供していた。

しかしながら、昭和40年代後半から流域の宅地化が急進するなど、猪名川を取り巻く環境は大きく変化し、これに伴い河川に求められる機能も大きく変化した。流域における資産の集中・増加はより高い治水安全度を求めることになり、 それに従って継続的な河川改修が実施され、また同時に、地元の要望に応じて高水敷の造成を行い運動公園などとしても利用されるようになった。

こうした猪名川を取り巻く環境の変化により、そこにあった河川環境も過去の環境とは異なった環境へと遷移している。近年の猪名川では、河原の減少や湿地環境の減少、縦断連続性の分断による魚類生息域の減少などが進行し、生物の生息・生育・繁殖環境に大きな影響を及ぼした。また、加えて近年では外来植物の繁茂も相まって、環境の単調化がますます懸念されてきている。

一方、猪名川の自然環境は都市部に残された貴重な自然環境として人々に潤いを与えるとともに利用され、市民の関心も高くますますその重要性が認識されている。 このようなことから、「猪名川の自然再生」は喫緊の課題となっている。川の自然再生は、このような問題に対処するために現在可能な対策を検討・実施し、河川環境の再生・保全を行い、川が川を作るのを助けながら、生物の多様性の回復を目指すものである。

猪名川の自然再生は、生物の生育・生息・繁殖の場を回復することによって生物の多様性の回復を目指し、地域の生態系の質を高め、かつて何処ででもみられた「身近な自然」を取り 戻すこと、つまり「猪名川本来の姿を甦らせる川づくり」こそが、自然と共生する社会の実現を目指した都市河川猪名川の目標である。

猪名川の自然再生: 猪名川の自然再生は、猪名川本来の生物相が生息・生育し、これら生物の再生産が順調に行われることで生物の多様性が維持され、地域の人々が安らぎふれあえる身近な自然に再生し、自然と共生する社会の実現を目指すことである。

自然再生の目標:かつて猪名川に存在した多様な生物がすむ身近な河川環境の回復


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