重要水防箇所

万一に備えて、自分たちが住むまちに流れる河川について、どこが水防上注意が必要な箇所かを知っておくことは、とても重要です。

概要

　河川の増水時には、その洪水により堤防が壊されたり、洪水が堤防を越えてあふれ出したりしないように、水防団の方々が土のうを積むなど、水防活動を実施して、堤防を守り水害防止に努めます。
　そうした事態をいち早く察知するため、洪水が一定の規模になると危険な状況がないかどうか、堤防を点検します。しかし、全ての堤防を点検するには区間が長いため、現在の堤防の高さや幅、過去の漏水などの実績などから、あらかじめ水防上注意が必要な区間を決めておけば、より効率的な点検ができ、危険な状況の早期発見につながります。
　そこで、このような観点から重要水防箇所を定めておき、毎年洪水期前には関係機関と重要水防箇所を確認し、合同パトロールも実施しています。

重要水防箇所の設定基準

　猪名川河川事務所では、洪水時に危険が予想され水防上重点的に巡視が必要な箇所を「重要水防箇所」として設定し、水防団など関係機関に周知し注意喚起しています。
　重要水防箇所では、堤防の大きさが不足している箇所、洪水が堤防や地盤を浸透し湧き出る恐れのある箇所、堤防の法くずれの危険性のある箇所など、洪水時に危険が予想され、重点的に巡視点検が必要な箇所を示すものです。これは、水防上の重要度によって2ランク（A・B）と、要注意区間を設定しています。

種別	重要度		要注意区間
種別	A 水防上最も重要な区間	B 水防上重要な区間	要注意区間
堤防高（流下能力）	計画高水流量規模の洪水の水位（高潮区間の堤防にあっては計画高潮位）が現況の堤防高を越える箇所。	計画高水流量規模の洪水の水位（高潮区間の堤防にあっては計画高潮位）が現況の堤防高との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。
堤防断面	現況の堤防断面あるいは天端幅が、計画の堤防断面あるいは計画の天端幅の2分の1未満の箇所。	現況の堤防断面あるいは天端幅が、計画の堤防断面あるいは計画の天端幅に対して不足しているが、それぞれ2分の1以上確保されている箇所。
法崩れ・すべり	法崩れ又はすべりの実績があるが、その対策が未施工の箇所。	法崩れ又はすべりの実績があるが、その対策が暫定施工の箇所。法崩れ又はすべりの実績はないが、堤体あるいは基礎地盤の土質、法勾配等からみて法崩れ又はすべりが発生する恐れのある箇所で、所要の対策が未施工の箇所。
漏水	漏水の履歴があるが、その対策が未施工の箇所。	漏水の履歴があり、その対策が暫定施工の箇所。漏水の履歴はないが、破堤跡又は旧川跡の堤防であること、あるいは基礎地盤及び堤体の土質等からみて漏水が発生する恐れがある箇所で、所要の対策が未施工の箇所。
水衝・洗堀	水衝部にある堤防の前面の河床が深掘れしているがその対策が未施工の箇所。橋台取り付け部やその他の工作物の突出箇所で、堤防護岸の根固め等が洗われ一部破損しているが、その対策が未施工の箇所。波浪による河岸の欠壊等の危険に瀕した実績があるが、その対策が未施工の箇所。	水衝部にある堤防の前面の河床が深掘れにならない程度に洗掘されているが、その対策が未施工の箇所。
工作物	河川管理施設等応急対策基準に基づく改善措置が必要な堰、橋梁、樋官その他の工作物の設置されている箇所。橋梁その他の河川横断工作物の桁下高等が計画高水流量規模の洪水の水位（高潮区間の堤防にあっては計画高潮位）以下となる箇所。	橋梁その他の河川横断工作物の桁下高等と計画高水流量規模の洪水の水位（高潮区間の堤防にあっては計画高潮位）との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。
工事施工			出水期間中に堤防を開削する工事箇所又は仮締切り等により本堤に影響を及ぼす箇所。
新堤防・破堤跡・旧川跡			新堤防では築造後3年以内の箇所。破堤跡又は旧川跡の箇所。
陸閘			陸閘が設置されている箇所。

猪名川（国管理河川）の重要水防箇所

　猪名川河川事務所では、管内の重要水防箇所を次の通り設定しており（毎年洪水期前に更新しています）、水防団など関係機関への周知するとともに、流域の皆様方へも知っていただけるよう広報しています。

下の画像をクリックすると詳細な重要水防箇所位置図が表示されます。(PDF形式)