猪名川河川事務所

第2稿に対して頂いたご意見と回答 平成15年7月30日 池田会場 意見交換会

今までの説明会など

テーマ:淀川水系河川整備計画策定にむけて

【淀川水系河川整備計画策定にむけてのご意見及び回答】


自治体からのご意見
 みなさまからのご意見
第2稿に対して頂いたご意見と回答
平成15年7月20日~7月28日まで
平成15年7月29日 箕面会場 意見交換会
平成15年7月30日 池田会場 意見交換会
平成15年8月1日~9月30日まで
その他のご意見と回答

■ みなさまからのご意見 【 平成15年7月30日 池田会場 意見交換会 】
ご意見・ご質問 ダム・利用について
ダム計画の方針について、「渇水に対する安全度の確保」も余野川ダムの目的にあるのではないか??
近年の渇水に対応する為に、単なる利水量の整理だけで議論するのではなく、「水のストック」の観点も加味すべきではないか??
大阪の河川は自然工物ではなく都市施設の一つである。
河川敷も貴重な都市空間であり、有効活用すべきである。
これだけの空間を堤内地に求めるのは不可能である。
回  答 ご意見ありがとうございます。
(ダム)
 近年の少雨化傾向により、渇水が頻発しており一庫ダムにおいても渇水調整を実施せざるを得ない状況となっています。
猪名川の渇水に対する安全性をどのように確保するか、今後、十分な調査および検討を行いたいと考えています。
(利水)
「水のストック」は、水の再利用や雨水利用が含まれると考えられます。これについて、渇水対策協議会等で議論したいと考えています。
(利用)
 河川空間は、水面や高水敷或いはその間に挟まれた水陸移行帯等、その姿は特有のものであり、多様な生物が存在しています。高水敷利用にあたっては、周辺環境・地域性に配慮し、その特性を損なわないで「川でなければできない利用・川に活かされた利用」という観点から、現状の利用形態を見直し、グランド等のスポーツ施設のように、本来河川敷以外で利用するものについては、縮小していくことを基本としています。しかしながら、既存の利用施設が数多くの人々に利用され、また住民や自治体等からはグランド等のスポーツ施設に対する存続及び新設の強い要望或いはまちづくり全体の中での議論等の意見があります。このことから、河川敷の利用については、個々の案件毎に、学識経験者、関係地方自治体等関係機関や流域住民等の意見を聴き判断していきます。

 今後ともご意見を参考にさせていただき、今後の河川整備計画を策定する予定ですので、よろしくお願いします。

ご意見・ご質問
(1) 「狭窄部」の意味について
銀橋狭窄部(橋の下の岩)は単に水をせき上げるだけ。すぐ撤去すべき:上流に遊水機能はない。多田地区の住民に「ここは遊水地です」といえるか。
(2) 無堤区間、絹延橋部はいつ整備完了するか。
これによって一庫ダム運用など相当かわるはずである。
(3) 余野川ダムの利水量は、全く不要になっているのではないか。池田豊能も府営水が入っている。
(4) 余野川ダムは洪水初期の落葉落枝が大量に入るが、その後の清水が入らないので水質悪化がひどくなるのでは。ここには放棄したダムがある
(5) 余の川ダムがないときの2兆円被害はどの地域の侵水を想定しているか。そのときにあふれる水量は?破堤をさける堤防補強をうたっていることと矛盾はないか。
回  答 ご意見ありがとうございます。

(1) 狭窄部上流の浸水被害に対しては、下流堤防の破堤危険性を増大させるような狭窄部の開削は当面できないことから、既往最大規模の洪水に対する浸水被害の解消を目標として狭窄部上流における対策を検討します。
 銀橋付近の岩のみを開削した場合の多田地区浸水被害軽減効果、下流への流量増およびそれに伴う堤防の危険性については現在、検討を行っており、結果がでた時点で委員会や住民の方へご説明したいと考えています。また、狭窄部付近を開削した場合についても同様の検討を行い、下流への流量増がないかどうかの確認を行います。
(2) 川西池田地区の「無堤区間および絹延橋の整備」は、平成18年度完成予定と考えています。ただし、平成15年度に河川整備計画が了承され法手続が完了した場合であり、法手続の遅れ等により2~3年のおくれはあるかもしれません。
(3) 余野川ダムの利水については、現在、水需要の精査・確認を行っていることから、その結果をダム及び貯水池規模の見直しに反映させます。
(4) ダム湖の水質については、平成6年に当時のダム計画や水文データを基に、貯水池の富栄養化についてVollenwiderモデルにより検討を行っています。それによると、余野川ダムの貯水池は富栄養化の可能性の高い領域と低い領域の中間の領域に位置しているとの予測結果が出ています。
 現在、余野川ダム計画見直しの一環として、貯水池の汚濁メカニズムについて検討を行い、貯水池周辺の開発なども考慮して将来ダム湖へ流入する水質を予測するとともに、その上で貯水池の水質予測を行い、富栄養化対策などの水質保全対策について検討します。水質保全対策の検討においては、貯水池への流入汚濁負荷軽減のために、貯水池周辺の宅地開発の事業主体である大阪府と調整を図る他、分派堰の構造や運用方法についても検討を実施したいと考えています。
 また、ご意見にある、「放棄したダム」は北山川上流にある通称「水源地ダム」の事を指摘されていると思います。「水源地ダム」について豊能町の水道局に確認した所、次のような返答がありました。
  「水源地ダム」は、光風台の住宅開発をした当時の民間開発事業者が、光風台に上水を供給するために開発事業者自らがダムを設置し、水源としたものである。
昭和59年6月に光風台への上水道供給を豊能町が開発業者から引き取った。この時点で水源を一庫ダムへ切り替えたものである。
従って、水源地を切り替えた昭和59年6月以降、「水源地ダム」は使用していない。
 以上のとおり、「水源地ダム」を放棄した理由は、安定的に供給可能な水源を一庫ダムに求めたことによるものです。
(5) 今回ご説明しました氾濫シミュレーション(浸水想定被害額)は、国土交通省が「浸水予想区域図」などを作成する時に用いる「氾濫シミュレーションマニュアル(案)」および「治水経済調査マニュアル(案)」に従い算出しました。
 お示しした浸水想定図は、氾濫エリアをブロック毎に分割し、1ブロックで1箇所破堤することとし、これらの破堤箇所毎の浸水深のピーク水位を包絡するよう図化したもので、この浸水深をもとに浸水想定被害額を算出しています。その結果、昭和28年9月×1.5の洪水で、猪名川下流部において約2兆円(床下浸水家屋数約8万2千戸、床上浸水家屋数約6万戸)の被害が発生する結果となりました。
 前述のとおり、1ブロックで1箇所破堤するものと仮定したものを包絡した水位であることから、河道からあふれる水量は明確に把握できません。
 猪名川においては上記方法以外に、上流から河道内を流下する流量が堤防の低い箇所で順次破堤する方法についても検討しています。この方法は破堤による河道の流量低減が考慮されます。この方法によると、昭和28年9月×1.5の洪水の浸水想定被害額は約1兆8千億円となり、前述の方法による結果とほぼ同程度となりました。(床下浸水家屋数約7万1千戸、床上浸水家屋数約6万3千戸)
 なお、このときに河道からあふれる水量は約1,000万m3となっています。
 今回お示しした氾濫シミュレーションでは堤防は補強されたことを想定し、補強された堤防の評価として、天端から1.5m低い水位で破堤することを条件としました。
 現在、堤防強化については「淀川堤防強化検討委員会」において、工法や安全基準等の検討が行われており、今後、これらの結果がでた時点であらためて氾濫シミュレーションを行い、ダムの効果について流域委員会や自治体、住民の皆様にご説明いたします。

 今後ともご意見を参考にさせていただき、今後の河川整備計画を策定する予定ですので、よろしくお願いします。

ご意見・ご質問 余野川ダムは洪水軽減に有効というがについて
余野川ダムは洪水軽減に有効で実施可能な手段の有力なものとして説明があったが、その前に、ダムは「他の手段がない場合にやむなく」という重要な前提が抜けている。例えば銀橋狭窄部の開削は当面はしないと結論付けて、余野川ダムを先に建設することを選択している。これは逆で、先ず銀橋狭窄部開削して、かつ下流の被害どうなるか。その被害が大きくなる可能性があるなら、その対策に要する環境・コスト等と、余野川ダム建設の環境・コスト等の比較がされるべきだ。
ダムは他に方法がない場合の最後の手段であるという重要なポイントがぬけおちていて納得できない。
回  答  ご意見ありがとうございます。
 河川整備計画策定に向けての説明資料(第2稿)および説明会で説明した通り、今後も、ダムおよびダム以外の治水対策の方法について併せて検討を行っていきます。検討にあたっては、周辺自然環境への影響、社会的な影響、事業の効果などを考慮し、今後検討・見直しを行い、結果がでた時点で、流域委員会や関係住民、自治体等の意見を伺った上で決定していきます。

 狭窄部上流の浸水被害に対しては、下流堤防の破堤危険性を増大させるような狭窄部の開削は当面できないことから、既往最大規模の洪水に対する浸水被害の解消を目標として狭窄部上流における対策を検討します。
 狭窄部を開削した場合の下流への流量増およびそれに伴う堤防の危険性については現在、検討を行っており、結果がでた時点で委員会や住民の方へご説明したいと考えています。

 今後ともご意見を参考にさせていただき、今後の河川整備計画を策定する予定ですので、よろしくお願いします。

ご意見・ご質問
1. 余野川ダムの必要性について多田地区の狭窄部の洪水対策と下流部の浸水被害を軽減するとあるが、(利水は調査するが)上流の洪水対策や植林などによる保水力を高める他の対策で必要ないのではないか?
2. 猪名川全体として(県の部分、支流も含め)景観という視点をもっと盛り込んで欲しい。
緑の回廊づくりをうたって欲しい。
回  答 ご意見ありがとうございます。
 森林は土砂流出防止、景観、レクリエーションなど様々な機能を持っています。
 このため、流域内の森林の整備や保全は重要なことと考えています。
 しかし、説明資料でお示ししたように日本学術会議(答申)(農林水産大臣の諮問に対する答申「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」(平成13年11月))において、「森林は中小洪水においては洪水緩和機能を発揮するが、大洪水においては顕著な効果は発揮できない」との見解が示されています。
 また、猪名川の土地利用の現状をみても、これ以上、森林を増やすことが困難です。
 このため、今回の多田地区浸水被害軽減の検討における対象洪水である昭和35年8月洪水に対しては、森林による流出量の抑制効果は小さいと考えます。
 森林による流出量の抑制効果及び詳細については国土交通省のホームページをご参照下さい。
 ・森林の保水機能:
  (http://www.mlit.go.jp/river/opinion/midori_dam.html)
 今後は、河川周辺の構造物については周辺景観との調和を考えたデザインにしていきたいと考えています。また、国土交通省以外が維持管理する構造物についても助言等を行っていきたいと考えています。

 今後ともご意見を参考にさせていただき、今後の河川整備計画を策定する予定ですので、よろしくお願いします。
 

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