4. 無量寺

禅寺である錦江山(きんこうざん)無量寺は串本の町の狭い通りの一角にあります。境内にある「応挙芦雪館(おうきょろせつかん)」には円山応挙(まるやまおうきょ)、長沢芦雪(ながさわろせつ)の作品を中心に、室町、桃山、江戸時代の絵画96点を展示しています。収蔵庫に収められている襖絵は国の重要文化財に指定されていますので、お天気の悪い日は見ることができません。(2006.4.20)
この無量寺は、元袋港に面して建てられていました。袋港は、その地形からたびたび津波の被害に見舞われてきました。無量寺も宝永4年(1707年)の津波で建屋が流失し、天明4年(1786年)に現在の地に再建されました。(2008.10.15)
応挙芦雪館
入館料 | 1,300円[本館・収蔵庫] (中学生以下は無料) ※中荒天時は文化財保護のため、収蔵庫の入館はできません。本館のみの観覧となり、入館料は700円になります。 |
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開館時刻 | 9:30 〜 16:30[最終受付16:00] |
休館日 | 不定休 |
駐車場 | 10台(無料) |
距離 | 道の駅「くしもと橋杭岩」より車で約5分 |
TEL | 0735-62-6670 |
関連リンク | 無量寺 串本応挙芦雪館(無量寺ホームページ) |
芦雪のデジタル複製画
串本町の無量寺方丈(本堂)に、平成21年10月、応挙芦雪館開館50周年を記念して丸山応挙と長沢芦雪の障壁画を精密にデジタル複製した襖絵55面が天明7年(1787年)の再建当時のままに配置され、応挙と芦雪のオリジナルの絵空間がよみがえりました。長沢芦雪作の虎図、龍図、丸山応挙作の波上群仙図など、国の重要文化財に指定されている貴重な作品群は別棟の専用収蔵庫で鑑賞することができますが、現代の印刷技術で寸分違わず再現された作品を方丈(本堂)の中で本来の配置のままに鑑賞できる意義が、ここに新たに加えられました。(2011.5.10)

虎図

龍図

耳より情報
矢野熊の矢倉神社情報提供:古座川街道やどやの会
JR串本駅よりやや西の線路沿いに大正時代に建てられた石造りの鳥居があり、その奥にタブノキやオオタニワタリなどの樹木が生い茂った鬱蒼とした一画があります。これが矢野熊の矢倉神社で、江戸時代に建てられた石灯籠と、ほとんど枯れた浅い井戸(泉?)のほか何もない無社殿神社です。神社の由来ははっきりしませんが、井戸(泉?)を祀る神社だったという説と、線路敷設のために削られて無くなった背後の山に磐座があったという説があります。この周辺の畑からは土器の破片が出土しており、古代から集落があったものと思われます。(2012.6.5)
・道の駅「くしもと橋杭岩」より車で約5分

矢倉神社(無社殿神社)

御神体?の井戸
漆喰の龍情報提供:古座川街道やどやの会

串本町二色の法雲寺に、しっくい(漆喰)で作られた龍のレリーフがあります(写真)。
この法雲寺は昭和10年に建立されたお寺ですが、向って左側面の屋根の三角の破風口に波(雲?)を蹴立てて進む見事な龍のすがたが浮彫のようにしっくいで描かれています。
地元の漆喰職人の作だそうです。ちなみに、串本町田並地区の海岸では、かつてサンゴの遺骸の菊目石を焼いて漆喰原料の石灰(イシバイ)が生産され、熊野灰と呼ばれたそうです。日本最古の石造り灯台として知られる樫野崎灯台官舎などにも使われました。(2008.2.16)
・道の駅「くしもと橋杭岩」より車で約15分
トビウオ命のお店情報提供:市民の力わかやま
無量寺に行くための細い路地に入る前の商店街の通りに、地元串本で獲れる新鮮な魚を売る有名店があります。社長は串本を代表する魚「トビウオ」漁に自らも出かけ、トビウオ命の社長として有名です。店には地場の様々な新鮮な魚とその新鮮な魚で作った自家製の美味しい一夜干がところ狭しと並びます。うれしいことにそれらの魚が食べられるよう隣で居酒屋を開いています。お土産に良し、その場で食べても良しの串本の味を堪能できることを請け合えるスポットの一つです。(2007.1.6)

店に並ぶ地の鮮魚

珍しいトビウオの一夜干が並ぶ
