12. 滝の拝

写真提供:(公社) 和歌山県観光連盟

県道38号に沿って古座川を遡り、支流の小川(こがわ)方面へ県道43号を約12km進んだところです。下流の川原とは全く違う景色がそこにあります。でこぼこの岩の川原を流れてきた水は、ごつごつした岩の間へと流れ落ちていきます。砂岩層からなる河床の表面にできたへこみの中で小石がころがってまわりをけずっていくうちに深い穴になったもので、「おう穴」というそうです。
滝つぼには、夏、鮎が集まるので、「トントン釣り」をする姿が見られます。オモリをつけた竿を上下に動かして鮎を引っ掛ける漁法で、オモリが川底にトントンあたるためそう呼ばれています。(2006.8.23)
・道の駅「瀧之拝太郎」より徒歩数分
滝の拝(古座川町観光協会)滝の拝ライブカメラ(古座川町役場ホームページ)

写真提供:(公社) 和歌山県観光連盟

耳より情報
神玉神社の鯛釣り祭り情報提供:古座川街道やどやの会

古座川支流小川の最も奥地にある小森川集落で毎年12月5日に神玉(かみたま)神社例祭が行われます。この祭りは「鯛釣り祭り」として知られる風変わりな祭で、鯛を釣る仕草をする儀式があるので、この名があります。
神官による神事のあと、区長が釣り竿と木で造った魚の鯛を持ち、「鯛を釣りにきました。西の海で釣ろうか、東の海で釣ろうか」と言って鯛を釣りあげ、「赤鯛九匹、白鯛九匹、黒鯛九匹、三九、二十七匹釣りました」と報告すると、参列者たちが「大漁、大漁」と答えて終わります。このあと、湯立て釜で芋を洗う仕草をする芋洗いの儀式、矢で鳥を射る仕草をする鳥打ち儀式、そして参列者が神社境内を神官を先頭に右回りに3回廻ったあと、あらかじめ食べ残していた干し柿の種を神社の外に一斉に放り投げる猿追いの儀式で祭りが終わります。
山奥なのに、なぜ海の魚である鯛を釣るのかについては、元々九州の鯛が釣れる地にルーツをもつ落ち武者が、この地に住みついたことに起源があるという説もあります。(2014.3.3)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約25分

釣果報告

3回廻る
滝の拝の矢倉神社情報提供:古座川街道やどやの会
名勝滝の拝に近い山中にも社殿や鳥居の無い自然崇拝の原始的神社である矢倉神社があります。石垣、石灯籠のほか、何もありません。祭壇の周囲に立つイヌマキやイチイガシの巨木が鎮守の森の名残をとどめています。ここは近くの長洞尾(ちょううつお)にある八幡神社に合祀されたため、今はお祀りする人もなくなりました。スギ林の中にあり、外からは全然見えないため、案内してもらわなければ辿り着くのは困難です。(2015.2.21)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約5分

矢倉神社

滝の拝の矢倉神社(拡大)
大桑の大滝情報提供:古座川街道やどやの会

古座川の支流、小川(こがわ)の滝の拝から宇筒井川に入り、さらに大桑(おおぐわ)谷に入ったところにこの大滝があります。落差約18mの水量豊かな「大滝」の名に恥じない堂々とした姿の滝ですが、滝口は洪水防止のために昔より切り下げられたとのことです。町道からは滝口しか見えず、滝の全貌を見るには滝壺へ降りる必要がありますが、町道から急勾配で足場の悪いアユ道を降りて岩の多い河原を歩く必要があり、それなりの服装が必要です。(2015.1.17)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約25分
戸矢倉谷の滝情報提供:古座川街道やどやの会

古座川支流、小川(こがわ)の名勝「滝の拝」から、さらに上流に遡る小森川集落手前の県道対岸に「戸矢倉谷(とやぐらだに)の滝」があります。段状の河床を流れ落ちる長さ10mほどの滝で、県道からもよく見えます。写真には台風12号の豪雨の爪痕がまだ残り、周辺が流木などで普段より荒れた景観になっています。(2012.11.25)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約25分
龍泉寺の紅葉情報提供:古座川街道やどやの会

古座川支流の小川(こがわ)奥地の田川(たがわ)という集落に、立派な石垣をもった龍泉寺というお寺があり、境内に一本のイロハモミジの巨木があります(古座川町指定天然記念物)。晩秋(11月下旬〜12月初旬)には鮮やかな紅葉が見られるため、普段人影のないお寺も、この時期ばかりは見物人やカメラマンで賑わいます。(2012.7.28)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約20分
最後の秘境・奥番情報提供:古座川街道やどやの会
古座川支流・小川(こがわ)の名勝「滝の拝」よりさらに川をさかのぼり、奇祭「鯛釣り祭り」で有名な神玉神社から山奥に分け入り、2時間ほどで旧奥番集落跡から奥瀞(おくとろ)と呼ばれる渓谷地帯に着きます。ここは古座川町でも最奥の地で、人の気配がほとんどない天然林と透明度の高い渓流を心行くまで満喫できる、まさに最後の秘境といえましょう。最近、古座川町観光協会がコース整備を行い、歩きやすくなりました。(2012.6.28)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約25分+徒歩約2時間

奥番の渓流

渓流にかかる吊り橋
道の駅「瀧之拝太郎」情報提供:古座川街道やどやの会
古座川支流で透明感あふれる清流として名高い小川(こがわ)の奥地にある名勝「滝の拝」に、平成22年(2010年)、旧小川中学校跡地を利用して、道の駅「瀧之拝太郎」が仮オープンしました。現在の設備は古座川町の小川総合センター(役場支所と診療所を併設)とトイレ、休憩所、駐車場のみで、平成24年(2012年)3月の正式オープンを目指してアクセス道路の拡幅等の整備がすすめられています。
「瀧之拝太郎」のネーミングは、この地に伝わる民話の主人公にちなんだもので、写真のようなデザインのスタンプもつくられています。(2011.12.15)
平成24年(2012年)8月5日、敷地内に「瀧之拝太郎の店」がオープンしました。古座川の木材を利用して建てられた店内では、地元の野菜や手作り品が販売されています。瀧之拝太郎の民話を紹介するイラストを展示したコーナーもあります。(2012.9.18追記)
時間 | [物産販売] 11:00 - 15:00(土・日・祝日のみ営業) [情報コーナー] 8:30 - 17:15(平日のみ営業) ※駐車場・トイレは終日利用可能 |
---|---|
駐車場 | 33台(無料) EV充電スタンド1基 |
関連リンク | 道の駅「瀧之拝太郎」(古座川町観光協会) 瀧之拝太郎(近畿道の駅) |

奥番の渓流

渓流にかかる吊り橋
中崎ノ滝情報提供:古座川街道やどやの会

古座川支流の小川(こがわ)流域にある名瀑のひとつが、この「中崎ノ滝」です。全長約30mにわたる5段の滝が水しぶきをあげる様子は迫力があります。ただし、下からは3段分しか見えません。実は最上段のさらに上に「中津谷ノ滝」という落差約20mの立派な滝があり、これを入れると6段になります。
アクセスは、中崎の吊り橋を渡って谷に入り、約500mで滝に着きます。(2011.11.27)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約15分+徒歩約10分
小川のヤマザクラ「クマノザクラ」情報提供:古座川街道やどやの会

古座川支流、小川(こがわ)は、ダムがなく、本流をしのぐ透明感あふれる清流で、おいしいアユと「滝の拝」などの名勝で有名ですが、ヤマザクラの名所でもあることは意外に知られていません。
古座川本流には七川ダム湖畔の「日本のサクラ百選」にも選ばれたサクラ並木をはじめ、一枚岩周辺など、ソメイヨシノ中心のサクラの名所が多いのですが、それに先立ち開花する小川流域のヤマザクラは植林地や天然林内に点在し、濃いピンク色の花が多く、清楚なたたずまいで早春の山を彩ります。
写真の山手地区の車道沿いに川に突き出すように咲くヤマザクラは、シダレザクラと見まがうような豪華な咲き方で、カメラマンに人気があります。天候により異なりますが、小川のヤマザクラは例年、3月中旬〜下旬が見ごろです。(2011.11.18)
実はこのヤマザクラは2018年に新種の桜「クマノザクラ」として発表されました。「クマノザクラ」は桜の野生種(昔から日本に自生しており、自然に誕生した桜の種)としては10種目ですが、9種目が発表されてから約100年ぶりの発表でした。
クマノザクラの開花は早く、2月中旬から咲き始め3月中旬から下旬にかけて見ごろになっていきます。他に自生している桜と開花時期がずれるため、この地域では2度桜が咲くといわれていました。
古座川町クマノザクラMAP(古座川町観光協会)
一声10回、直見の山彦情報提供:古座川街道やどやの会

古座川町直見(ぬくみ)の幹線道路沿いで体験できる山彦です。古座川の支流、小川(こがわ)にかかる明神橋から400mほど上流、民家の少し手前です。一声で10回山彦が返ってくることもあります。
ただ、条件が大変厳しく、真冬の良く晴れた早朝に、500m以内に一台も車が走っていない状態で「やっほ」と短くハッキリと、ありったけの大声で叫ばなければ体験できません。(2006.5.15)
・道の駅「瀧之拝太郎」より車で約20分
