水利用は?

熊野川流域では、豊かな水量を生かして、ダムによる水力発電が活発に行われています。また、そのため濁水の長期化や瀬切れなどの問題が発生しています。

豊富な水量を生かした水力発電

  流域内には11のダムが造られており、すべてが利水ダムで、豊富な水量を生かして、水力発電等が行われています。

利水ダム:発電用水や農業用水を貯えるためのダム。それに対して洪水調整機能を持つのが治水ダムです。


猿谷ダム

  猿谷ダムは、五條と新宮を結ぶ国道168号の天辻峠を越えた五條市大塔町にあります。 十津川・紀の川総合開発事業の一つとして、建設省(今の国土交通省)が昭和33年に造った利水ダムです。
  猿谷ダムは貯えた水を和歌山県の紀伊平野へ流しています。また、ダム下流の動植物を守るために、熊野川へも常に水を流しています。

濁水の長期化

  濁水の長期化とは、流域内の山地荒廃により、洪水時、ダムに濁水が流入し、混合貯留され、洪水後のダム放流水において高い濁度が持続し、川の濁りが長く続くことです。
  濁水が長期化した場合、河川景観の悪化をはじめ、様々な影響が予想されます。
  現在、池原ダム、風屋ダムにおいては、濁水対策として貯水池の表面水を取水する、表面取水が行われています。

山地荒廃:山地の荒廃により、土砂流出が起こることで、土石流の発生や、濁水の助長など、災害や河川環境悪化の原因となります。

  流域内の山地荒廃が比較的進んでいない北山川と比べると、熊野川のほうが濁っているのが良く分かります。

瀬切れ

  ダム下流では、河川の水量が少ない区間(減水区間)もあるため、水の流れが無くなる「瀬切れ」が起こることがあります。

減水区間:水力発電の場合、河川の取水地点から、発電後河川に放流されるまでの区間を減水区間といい、これらの区間においては、取水された分だけ河川の流量が減少することになります。


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