紀ノ川ダム統合管理事務所 猿谷ダム建設の経緯

猿谷ダム建設の経緯
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猿谷ダム建設の経緯

○奈良県北部と南部の気候

   奈良県北部の大和平野は内陸性気候の少雨地帯であり、大きな河川に恵まれず、水源のほとんどを溜池に
頼ってきました。一方、南部は山岳性気候の特徴を有し、特に、日出岳を中心とする南東山地は、年間降水量が
3,000〜5,000mmに達する日本屈指の多雨地帯であり、降った水は、吉野川(紀の川)へと流れます。
豊富な吉野川の水を、大和平野に分水することは大和盆地に暮らす人々にとって300年来の悲願でした。

○紀の川流域の環境

   紀伊平野を流れる紀の川は、降雨が梅雨と台風時期に限られていたため、降れば大洪水、日が照れば大渇水と
紀の川筋の人々を苦しめて来ました。特に、紀の川北岸に広がる河岸段丘は、地形的構造により紀の川からの取水を
阻まれていたため、たえず水不足に悩まされていました。

○十津川・紀の川総合開発事業

   吉野川の水を大和平野へ分水するには、大和だけではなく紀伊平野の水不足をも解決する総合的な計画でなければ
実現は不可能でした。そこで、比較的流況に余裕のある十津川に猿谷ダムを建設し、紀の川へと流域変更により分水を
行い、さらに、吉野川(紀の川)に新たなダムを建設する「十津川・紀の川総合開発事業」が計画されました。

○猿谷ダムの建設

   猿谷ダムは、「十津川・紀の川総合開発事業」の一環として、昭和25年、当初は奈良県営事業として着手されました。
その後、昭和27年4月からは国の直轄事業として引き継がれ、昭和29年5月に本体工事に着手、昭和32年6月に本体が
完成し、昭和33年4月から管理を開始しました。

猿谷ダム建設の経緯
年月 できごと
昭和25年 十津川・紀の川総合開発事業に着手
昭和27年 猿谷ダム建設に着手
昭和31年9月 猿谷ダム湛水開始
昭和33年3月 猿谷ダム完成
昭和33年4月 猿谷ダム管理開始