紀ノ川ダム統合管理事務所 新宮川水系について

新宮川水系について
現在位置:HOME > ダムについて >新宮川水系について

新宮川水系の概要

流域の概要

○新宮川水系について

   熊野川はその源を山上ヶ岳(標高1,719m)、稲村ヶ岳(標高1,726m)、大普賢岳(1,780m)の間に発し、 大小の支川を合わせながら十津川渓谷を南流し、大台ヶ原山(標高1,695m)を水源とする左支川北山川と合流したのち熊野灘にそそぐ、 流域面積2,354.6km²、幹川流路延長182.6kmの、三重県、奈良県、和歌山県の三県にまたがる紀伊半島最大の河川です。
   流域の歴史は古く、大嶺山や熊野三山に見られるような日本を代表する宗教文化の中心地として注目されてきました。

○関連自治体

   関係する自治体は、三重県の尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町、奈良県の五條市、天川村、野迫川村、十津川村、
下北山村、上北山村、和歌山県の田辺市、新宮市、那智勝浦町、北山村の5市3町6村に達します。

○気候

   南海気候区に属する流域は、黒潮の影響を受けた温暖な気候と上流部で年間4,000mm、 下流部でも3,000mmを越える日本有数の多雨により、豊かな森林資源に恵まれ、古来より林業地帯として栄えてきました。

○地質

   流域の地質は、中央構造線以南の西南日本外帯に属し、東西の帯状構造で構成され、北部に白亜系の、 主に堆積岩、変成岩から成る日高川層群、南部に中新統の、堆積岩に熊野酸性火成岩が貫入している熊野層群が分布します。

○生物

   流域の自然環境は、本川下流から北山川にかけての広い範囲が吉野熊野国立公園に指定され、 美しい自然景観を誇るとともに、地史的、気候的特徴から変化に富んだものとなっている。 また、古い地質時代の遺存的植物(トガサワラ等)や大陸中南部との共通種(オオヤマレンゲ等)、 国の特別天然記念物ニホンカモシカ、国の天然記念物イヌワシ、三重県の天然記念物オオダイガハラサンショウウオ、 奈良県の天然記念物イワナ、大峰山脈のみに産するオオミネクロナガオサムシ等多くの貴重な動植物が生息している。 林相についてみると、上流の水源地帯にはトウヒ、コメツガ等の針葉樹、ブナ、ミズナラ等の広葉樹を主とする天然樹林が広がり、 中流から下流にかけては、スギ、ヒノキ等の人口針葉樹が多く見られ、とくにスギは熊野杉と呼ばれ、銘木の一つに数えられています。

○水力発電

   水源である大峰山脈が日本最多雨地帯であるところから、日本の水力発電において、最も適した流域であるといえます。 また、新宮川における電力開発は、日本のダムの建設史そのものであり、昭和12年に関西電力(株)により九尾ダムが建設されて以来、 15年には川迫ダムが、戦後に入って33年には建設省により猿谷ダムが建設されました。昭和27年に電源開発(株)が設立されてからは、 より一層、ダム建設が急速に行われ、35年には風屋ダム、二津野ダム、39年には池原ダム、40年には七色、小森の両ダムが相次いで建設されました。
   昭和55年度に、関西電力(株)によって奥吉野揚水発電所(瀬戸ダム、旭ダム)が建設されたことで、新宮川水系の計画出力は1,921,100KWとなりました。

※1970年に一級河川の指定を受けた河川名称は、「新宮川(しんぐうがわ)」でしたが、地元では熊野川の呼称が
    定着しており、変更の要望が多かったため1998年4月に法定名称が「熊野川」と変更されました。

位置図

1.川迫ダム(関西電力)

川迫ダム

有効貯水量:692千m³

2.九尾ダム(関西電力)

九尾ダム

有効貯水量:648千m³

3.猿谷ダム(国土交通省)

猿谷ダム

有効貯水量:17,300千m³

4.瀬戸ダム(関西電力)

瀬戸ダム

有効貯水量:12,500千m³

5.旭ダム(電源開発)

旭ダム

有効貯水量:12,500千m³

6.風屋ダム(電源開発)

風屋ダム

有効貯水量:89,000千m³

7.二津野ダム(電源開発)

二津野ダム

有効貯水量:11,000千m³

8.坂本ダム(電源開発)

坂本ダム

有効貯水量:68,000千m³

9.池原ダム(電源開発)

池原ダム

有効貯水量:220,000千m³

10.七色ダム(電源開発)

七色ダム

有効貯水量:10,700千m³

11.小森ダム(電源開発)

小森ダム

有効貯水量:4,700千m³