H16.8.31 記者発表資料より
“検証”平成16年7月福井豪雨  支川にも及ぶダム効果

平成16年7月福井豪雨に対して、九頭竜川水系における既設ダム(九頭竜ダム、真名川ダム、笹生川ダム、広野ダム)の治水効果についての検証結果がまとまりました。

福井豪雨におけるダムの洪水調節効果について

平成16年7月福井豪雨では、足羽川流域に降った降雨と同程度の降雨が、真名川流域にも降りました。                                  (「1.流域平均雨量の比較」参照)
    足羽川流域総雨量(天神橋上流):268.8mm
    真名川流域総雨量(合流点上流):247.1mm
    日野川流域総雨量(三尾野上流):139.1mm
ダムは、九頭竜川、日野川及び真名川の水位低減に効果を発揮しました。
九頭竜川布施田地点では、約70cm水位を下げることが出来ました。
                                     (「2.基準地点でのダム効果」参照)
ダムは、ダムのない支川足羽川の水位低減にも効果を発揮しました。
足羽川の日野川との合流点で約40cm水位を下げることが出来ました。
                                (「3.足羽川被害軽減への間接効果」参照)
参考資料
@ 位置図
A 既設ダムの洪水調節グラフ
B 大野市内の浸水状況
C 各ダムの諸元
D 用語の解説

1.流域平均雨量の比較

2.基準地点でのダム効果





3.足羽川被害軽減への間接効果



ダムの洪水調節により、足羽川合流点の日野川水位を約0.4m低下させる効果があったと推測されます。
  もしダムがなかった場合、足羽川の被害が拡大されたのではないかと想定されます。
   足羽川被害軽減への間接効果イメージ図
@ 位置図
A 既設ダムの洪水調節グラフ
B 大野市内の浸水状況
C 各ダムの諸元

九頭竜ダム(国土交通省)

   河川名 : 九頭竜川      完成年   : 昭和43年

   堤高   : 128.0m      集水面積 : 184.5km2

   目的   : 洪水調節、発電

   洪水調節容量 : 33,000,000m3

真名川ダム(国土交通省)

   河川名 : 真名川        完成年   : 昭和54年

   堤高   : 127.5m       集水面積 : 223.7km2

   目的   : 洪水調節、発電、不特定用水の確保

   洪水調節容量 : 89,000,000m3

笹生川ダム(福井県)

   河川名 : 笹生川        完成年   : 昭和32年

   堤高 : 76.0m         集水面積 : 70.66km2

   目的 : 洪水調節、発電、水道用水、不特定用水の確保

   洪水調節容量 : 11,280,000m3

広野ダム(福井県)

   河川名 : 日野川        完成年   : 昭和51年

   堤高   : 63.0m       集水面積 : 42.3km2

   目的   : 洪水調節、工業用水、不特定用水の確保

   洪水調節容量 :  5,600,000m3

D 用語の解説

《用語の解説》

【ダムの洪水調節】

  上流から流れ込む洪水の一部をダムに貯留し、下流の洪水被害を軽減させるダム操作のこと。ただし、ダムの能力を超える大きな洪水が流入した場合には、ダムへ流入する洪水をそのまま下流へ流す。 この場合でも、流入する洪水以上の流量を下流へ放流することはないので、ダムによって洪水が起こることも、また、ダムによって被害が大きくなることもない。

【流域】

  降雨が地表や地下を通って、その河川に流れ込んでいる全地域のこと。

【基準地点】

  河川改修の計画を立てるとき、その河川を代表する地点。計画基準点は、既往の水理水文資料が充分得られて、各種解析の拠点となり、しかも全般の計画に密接な関係のある地点が選定される。