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7月21日に発見された水面変色の種を同定しました。
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7月21日の巡視中に、九頭竜ダム荷暮谷付近で水面変色を発見し、変色の原因調査を行いました。
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7月25日、午前9時の巡視では水面変色は確認出来ておりません。
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九頭竜川ダム統合管理事務所が分析を依頼していた(財)北陸公衆衛生研究所の同定結果では、優占種は、「渦鞭毛藻のペリディニウム・ビペス」であることがわかりました。
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ペリディニウム・ビペスは多くの貯水池で春から夏にかけてよくみられるプランクトンで、細胞は卵形、洋梨形又は球形で、長さ28〜40μm・幅25〜37μmで上殻と下殻の大きさはほぼ等しい。増殖した場合には、赤褐色ないし黄褐色の淡水赤潮を形成することがありますが、この種は人体や生物、魚類等への影響を与えるものではないとの見解です。
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今回の貯水池内の着色現象は、淡水赤潮であるペリディニウム・ビペスが優占種としていますが、同時に増殖したタマヒゲマワリやサヤツナギ及びヒダサヤツナギなどにより、水色が緑かかった褐色を呈したもの思われます。
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タマヒゲマワリは湖沼、貯水池、河川などさまざまな水域に広く生息するプランクトンで、楕円体状の群体を形成し、通常32 個(時に16、64個)の細胞が表層に並んでいます。細胞はおおむね球状で2 本の等長の鞭毛を持ち、眼点1 個を有し、群体は透明な寒天質で覆われており、その大きさは60〜150μm 程度です。この種も細胞に眼点を持ち、正の走光性により日中は表層近くに集積する性質があります。サヤツナギ及びヒダサヤツナギは全国各地の湖沼で四季を通じてみられるプランクトンで、主に春と秋に増殖することが多く、個体の長さは40〜60μm 程度で、円錐形、壺形、円筒形をした被殻の中に入っており、2 本の不等長の鞭毛で遊泳します。なお、いずれの種も毒性がなく、人体に影響を及ぼすことはないとの見解です。
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