京都迎賓館情報


第2回シンボル コミュニケーションレター(タイトル)
第2号 平成13年12月

わたしたちはこんな迎賓館を創ります。
 和室完成予想パース
和室完成予想パース

レターの「ご返信」ありがとうございます。

 創刊号をご愛読くださいまして、ありがとうございました。多くの方から、貴重なご意見をいただきました。一つ一つ検討させていただきながら、この「コミュニケーションレター」を通じて、ご返事させていただきたいと思っています。
 今後ともよろしくお願いいたします。

工事の今後のスケジュールを お知らせします。

 工事を進めていくにあたり、リーダー的役割を果たす建築工事の施工業者が、大林・竹中・鹿島特定建設工事共同企業体(JV)に決まりました。来月には、電気関係設備・機械関係設備の施工業者が決まる予定になっています。
 現在、周辺状況や周辺環境を念頭に、具体的な施工方法などを詳細に検討しており、工事車輌通行経路や交通安全に対する処置、騒音・振動の対策など、明確になり次第お知らせいたします。
 なお、現場での作業は2月頃より、御苑内工事用通路の仮舗装など、工事に対する周辺整備を行った後、本体工事に着手する予定です。

迎賓館予定地の緑と自然を守ります。

迎賓館庭園に生かすクスノキ
迎賓館庭園に生かすクスノキ
3年かけて移植
平成9年2月 事前調査として、根張り調査を行う
平成9年3月 第1回目の環状剥皮工を行う
平成11年2月 第2回目の環状剥皮工を行う
平成11年11月 発根状況の調査を行う(環状剥皮部から良好な発根を確認)
平成12年 2月 移植を実施
現在 木の状況にあわせ、芽摘みや根に酸素を供給するなど、手当中
■京都御苑の歴史
 明治以前、内裏を中心に200もの邸宅が並ぶ公家町であった京都御苑の地は、東京遷都以降、荒れ放題の状況が続きました。明治10年(1877)に天皇のご沙汰により「大内保存事業」が進められ、皇室苑地として整備されたものが京都御苑の始まりといえます。
 それ以降、100年余の間に樹木が育ち、管理された公園として市街地の中心に貴重な自然が形成されてきました。

■緑・自然を守る
 計画にあたり、予定敷地内の既存樹木は学識経験者の意見をふまえ、「緑・自然を守る」という観点から現在地で活用、または建物配置に支障のあるものは、技術的に困難な径の大きな樹木についても移植する方針がだされました。


クロマツの移植 ■高い活着率
 これまでに移植した樹木264本のうち、244本が活着しており、活着率としては良い結果を得ています。径の大きな樹木は、林試移植法(根回しの方法として最高の技術とされる)を採用し、移植の3年前から根回しを行い、樹勢や発根状況を見ながら慎重に工事を進めました。また、できるだけ移植前の自然な樹形(枝張り)を保つため、「無剪定移植」という方法を採用しました。
 しかしながら、径の大きな樹木のうち1本(エノキ)は、衰弱が進行しています。最近では残された1本の枝から新たな胴吹き(芽吹き)が見られたことなどから、樹勢回復措置を講じながら様子を見守っています。
 また、今回設ける和風庭園に植えられる多くの樹木も、長い年月を経てこれまでの自然と融合し、新しい御苑の自然が形成されるよう計画されています。

現在、清和院御門の周辺で埋設管工事を行っています。

インフラ工事の状況  今出川通りの工事と同様に、事前に学区会長、町内会長、付近各戸のみなさんに説明をさせていただいたところ、「昼間に工事を-」との強い要望をいただきました。
 町内会役員の方のお話により、作業機械のエンジンをこまめに切ることや、清和院御門前のフェンスには防音シートで覆うなど騒音対策を行っています。また、地中障害物が現れた時には大きな音が出ることから相談させていただき、ご協力を得ながら工事を進めています。

伝統の技術を世界へ発信します。

「北山杉」

 数寄屋建築に必ずといって良いほど使われている北山杉は、京都洛北の中川地区を中心に製造されている杉丸太の総称です。
 その歴史は室町時代に始まり、茶道の興隆と共に現代まで600年間営々と受け継がれてきた京都の伝統産業で、天正年間には仙洞御所の茶室に用いられ、朝廷のご用木として北山杉の名は確定されました。
 桂離宮や修学院離宮、島原角屋等は数寄屋造りの代表的建築で、北山が残した尊い遺産でもあります。
北山林業地 北山林業地

 北山杉の特徴は、木肌を鑑賞するために、木を痛めずに育て製品化することに多大な労力を惜しまないところにあります。そのため、苗木の選定から植林、枝打ち、下草刈り、伐採、自然乾燥、磨き等の行程を経て製品に至るまで様々な工夫と努力がなされてきました。




迎賓館に生きる
伝統技術

磨きを待つ北山杉
磨きを待つ北山杉
沼津御用邸
記念公園茶室
沼津御用邸
 記念公園茶室
伝統の技術が
付加価値を生み出します。

 その結果、通りが良く真円で年輪が緻密、節が無い、木肌が白くなめらか、割れにくい等数々の特質を備え、格調の高さは「京都府の木」として指定され、多くの建築家、茶人、文化人に愛されてきました。
北山丸太の種類は先天的な性質を受け継いだ苗木から育てた「天然出絞丸太」が最高級品とされ、次いで成長の段階で天然絞に似せて人工的に造った「人造絞り丸太」、木肌が美しい光沢を持つ磨き丸太、面  皮柱、垂木等があります。これらは幼木の頃から手入れを惜しまず丁寧に育てることにより付加価値の高い製品に仕上げられます。
このコーナーでは迎賓館に生かされる伝統技術を紹介していきます。


埋蔵文化財
調査

出土した泥人形を盆石風(箱庭)に復元
出土した泥人形を盆石風(箱庭)に復元
賢瓶は仏具の一つで地鎮に
際して埋納された品を発掘
賢瓶は仏具の一つで地鎮に際して埋納された品を発掘
「お宝」が見られます。

 京都市考古学資料館では、現在「公家町を掘る-京都御所公家町跡の調査から-」と題して、特別展が来年5月まで開催されています。(財)京都市埋蔵文化財研究所が京都迎賓館(仮称)の発掘調査で見つけた遺物のうち、江戸時代のお公家さんが使っていた、器や玩具、銭貨、ガラス製品など約230点ほどが公開されています。
 江戸時代御所の周辺には公家町が形成されていました。今回展示されているのは柳原家及び安禅寺御門跡 (皇族などが出家して居住するところ)から出土したものです。


 また、資料館正面においては「速報展-乾山-」が来年1月まで開催されています。このコーナーでは、同じく公家町から見つかった尾形光琳の弟・乾山の焼き物を紹介しています。
 併せて是非一度、ご覧になられては如何でしょうか。
尾形乾山の角皿で
一辺約17cm四方
尾形乾山の角皿写真
京都市考古資料館案内図
開館
時間
午前9時〜午後5時
<入館は4時半まで>
休館
月曜<月曜が祝日または振り替え休日の場合は翌日>
12月28日〜1月3日
料金 無料
問合
せ先
(財)京都市考古資料館
TEL075(432)3245(代)
京都市上京区今出川通大宮東入る

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