■「タシロラン」とは
薄暗い照葉樹林の林床に生育する、葉緑素をもたない腐生ラン。高さ20〜50cmの白黄色の茎を出し、開花後は倒伏腐敗し消滅する。開花期間が短く、あまり目立たない植物で、発見事例が少ない。 |
■御苑における「アオバズク」
繁殖のために南方から渡ってきます。建設地周辺では、近年は営巣は確認されていませんが、採餌の対象地になっていることが考えられます。 |
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■御苑における「タシロラン」
> 毎年6月下旬から7月中旬にかけて、御苑外周部の樹林下で発生が確認されています。生育条件として、鬱蒼とした照葉樹林下、年間を通じた保湿、落葉の分解による養分の供給、タシロランの種子・共生菌類の確保などがあげられます。 |
■「アオバズク」への影響
建設地周辺で営巣が確認された場合は、速やかに学識経験者や関係機関と協議を行い、適切な対策を講じます。10月中旬から翌年3月中旬の間は、南方に移動するため、御苑内では見られません。薄暮性であることから、夜間照明は、現在の外灯レベルを超えない照度とします。 |
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■「タシロラン」への影響
建設地は、現在確認されている生育地から外れているため、工事や施設による直接的な影響はないと考えられます。
(1)樹林に直接手を加える工事はありません。
(2)工事による地下水への影響がないようにします。 |
タシロラン |
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アオバズク |
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■「オオタカ」とは
全長50cm程度、翼開長100cm程度の中型のタカ。本州以南に留鳥として分布する日本の固有亜種。平地から低山地の林に棲み、森林と開けた場所との組み合わせを好み、中型の鳥類などを捕食する。 |
■見守りながら進めます
自然環境への影響がないよう工事を進めます。適切な保全処置などが速やかに行えるよう、継続的に下表の調査を行いながら、慎重に工事を進めて行きます。 |
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■御苑における「オオタカ」
ドバトやキジバトを捕食するために、年間を通じて御苑に飛来します。これまで、御苑内での営巣は確認されていません。 |
工事中の環境調査(予定)
調査対象 |
調査内容 |
タシロラン |
御苑全域の発生確認・生育環境確認
生息地の微気象(気温・湿度・地温・土壌水分・風速等)確認など |
アオバズク |
御苑全域の営巣確認・御苑全域の鳴き声確認など |
オオタカ |
御苑全域の営巣確認・食痕確認・飛来状況確認など |
その他 |
鳥類ラインセンサス調査
シジュウカラ・テリトリーマッピング調査など |
<注釈>
[鳥類ラインセンサス調査]
予め設定した調査ルートを歩き、確認した鳥類を記録する調査
[テリトリーマッピング調査]
くまなくラインセンサスを行い、なわばりの分布状況を把握する調査
※両調査とも、変化を比較するための調査です。 |
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■「オオタカ」への影響
工事は、広大な御苑の一部分において行われるものであることから、採餌行為への影響はないものと考えられます。施設は高さを押さえた平屋建てであることから飛翔の障害はなく、建物のガラスの内側には障子があることから、誤視による衝突はないと考えられます。 |