京都迎賓館情報


第10回シンボル コミュニケーションレター(タイトル)
第6号 平成14年4月

わたしたちはこんな迎賓館を創ります。
室内完成予想パース
和室完成予想パース

情報センターの設置工事について

 コミュニケーションレター第4号でお知らせしました情報コーナーにつきまして、より多くの情報をみなさまにお知らせし、情報発信の場として充実させるため、『情報センター』として工事用道路西側に開設いたします。
 情報センターでは今後の工事予定、工事のお知らせ、迎賓館の外観・内装図、京都御苑の模型の他、伝統技術を生かした内装などの試作品の展示を行っていきます。その他にも映像を取り入れるなどの工夫をして解りやすい内容といたします。
 5月中のオープンを目指し、工事いたしますのでご利用下さい。
情報センター完成予想図
情報センター完成予想図
工事用進路地図
◆ガードマン
●歩行者横断通路
(休業日通行可)

本体工事に取りかかります

本体工事日程表

■山留・掘削工事
 4月中旬より、地下の躯体工事のため土の掘削を行います。今回は現場から搬出する土砂を極力少なくするため、垂直に掘り下げます。そのとき掘削面が崩れないように「山留め」という仮設工事を行います。
 山留めは「3号」でお知らせしましたように「親杭横矢板」という地下水への影響に配慮した工法を採用しています。
山留め(親杭横矢板)工法説明図
山留め(親杭横矢板)工法説明図
■築地塀の杭工事
築地塀の基礎を支えるために、鋼管杭の施工を5月下旬まで行います。

現在の状況
現在の状況

華やかに...そして厳かに
ヤマブキ
ヤマブキ
■京都御所春季一般公開の開催について
古都に本格的な春の訪れを告げる恒例の京都御所春季一般公開が、4月10日(水)〜14日(日)まで5日間の予定で行われます。今年は内親王愛子様ご誕生を寿ぎ、「王朝の祝賀−若宮・姫宮の通過儀礼」をテーマにした飾り付けが御所内各所に施されます。皇子5歳・皇女6歳で初めて袴をお召しになる「着袴の儀」など、王朝の雅を受け継ぐ皇室の伝統行事が人形で再現されるほか、普段は見ることができない襖絵も公開されます。
午前9時開門で閉門は午後3時、申込手続は不要です。

【関連催し】
 蹴鞠(けまり)実演 4月13日(土)10:00〜、11:00〜
 雅楽演奏 14日(日)10:00〜、11:00〜

京都御苑のサクラ

 古来、サクラは日本人に最も親しまれてきた花木のひとつで、現在では沖縄から北海道まで全国的に見ることができます。京都御苑には千本を超えるサクラの樹がありますが、これらは植えられたもので、イトザクラ(シダレザクラ)、ヤマザクラ、サトザクラ(ボタンザクラ)の三種があります。

最も早く開花するのはイトザクラです。近衛家のイトザクラは古くから有名で、謡曲西行櫻に「先づ初花を告ぐるなる近衛殿の糸櫻‥‥」の句があります。
近衛のイトザクラ(写真)
近衛のイトザクラ
桜松
桜松

御車返しの桜
御車返しの桜
 次に開花するヤマザクラは苑内で最も多い一般的なものです。学習院跡に「桜松」または「松木の桜」と呼ばれるサクラがあります。マツとともに成長したサクラが、倒木したマツの樹幹に沿って、地上を這う形で成長しています。

 開花が最も遅いサトザクラは、ボリュームのある八重咲きの大きな花を付けますが、これは出水の小川付近で見ることができます。この他に、有名な樹として中立売御門近くの「御車返しの桜」があります。後水尾天皇(1611年即位)が、花時の御幸に宸駕(御車)を還させられ、御覧になったことからこの呼び名があるといわれています。当時の場所に植えられているサクラは、竹垣で囲まれて大切にされています。

伝統の技術を世界へ発信します。

「截金」
  截金は、切金とも書き、また細金と呼ばれた時代もありました。
 純金箔やプラチナ箔を数枚焼き合わせ、厚みを持たせたものを鹿皮の盤の上で竹刀にて細く線状、丸、三角、四角などに切り、それを筆端につけて貼りながら種々の文様を描き出す技法で、仏像や仏画の加飾荘厳として用いられました。
 6世紀に仏像とともに大陸より伝えられ、最古のものは飛鳥時代の法隆寺金堂「四天王像」、東大寺戒壇院の「四天王像」、正倉院宝物の「新羅琴」の表面に見ることができます。
 その後11世紀頃より浄土教や法華経美術に多用され、我が国独特の截金として典雅、華麗なる仏教美術の華を咲かせました。文様も唐草文、各種のつなぎ文、七宝文などの曲線文様も加わり、13世紀頃には他の仏教美術と共に頂点を極めますが、次第に仏教美術の凋落、金泥技法の出現などで截金の手法は衰退し、その名称すら忘れ去られていました。そして近世以降は、少数の截金師によりその技術が伝承されてきました。
屏風の部分(華まんだら) 欄間の部分
屏風の部分(華まんだら) 欄間の部分

 迎賓館に生きる伝統技術 

截金の製作工程は以下の通りとなっています。
■截金の製作工程
截金の製作工程
■截金の用具
截金の用具

箔截の様子
箔截の様子
截金を施している様子
截金を施している様子

 近年その截金の技法が、身近に用いる工芸作品へと展開されており、茶道具、住空間にかかわる屏風、衝立、額装壁画装飾作品など、さらに建築壁画装飾へと広がってきています。
 京都迎賓館では、その截金による装飾を室内の随所に用いることにより、古来より伝えられてきた技術の伝承・発展に寄与していきます。
このコーナーでは迎賓館に生かされる伝統技術を紹介していきます。

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