石灯籠は、飛鳥時代に仏教とともに伝来した灯籠の屋外用として製作されました。
鎌倉時代には、製作者の地位も確立し芸術的にも技術的にも黄金期を迎え、優れた作品が、寺院や神社に奉納されました。
現在のように庭園にも置かれるようになったのは、室町末期から桃山時代の頃からで、茶人がさまざまな形式の石灯籠を庭に置き、鑑賞したのが始まりです。
以来一般にも広がり、和風庭園にはなくてはならないものとなりました。 |
仏教や茶道文化からの深い影響を受けつつ、厳しい「美」への追求に応えるため、高い加工技術と鋭い美的感覚を持つ石工により製作されています。
一方、黄金期に製作された優れた遺作(これを本歌と言います)の模作も盛んに行われており、技術と「美」に対する鋭い感覚の継承に役立っています。
1.5トンの石材を使い、1トン分をそぎ落とすほどの過酷な作業ですが、日本伝統工芸士のもと、優秀な石工が、伝統を継承しつつ、手づくりの良さと端正で古びた味わいを持つ石灯籠の製作に携わっています。 |