京都迎賓館情報


第7回シンボル コミュニケーションレター(タイトル)
第7号 平成14年6月

わたしたちはこんな迎賓館を創ります。

室内完成予想パース
室内完成予想パース

工事情報センターが開館しました。

■迎賓館の工事情報をみなさまにお知らせします。
 情報センターでは工事のお知らせと迎賓館施設の概要等について、工事予定表、現場の工事写真、迎賓館の模型(200分の1)、完成予想図の展示により、説明を行っています。
 工事情報の発信の場として工事の進行に合わせて展示内容も順次更新していく予定です。解りやすい表現により、お伝えしていきたいと考えておりますのでお気軽にお立ち寄りください。

工事状況をお知らせします。

■築地塀
 敷地を取り巻く築地塀の杭工事も終わり、現在基礎工事の鉄筋の組立にかかっています。

築地塀杭打工事の状況
築地塀杭打工事の状況
■山留・掘削工事
 山留めの親杭を挿入する工事もほぼ終わり、掘削工事にとりかかっています。

山留・掘削工事の状況
山留・掘削工事の状況


省エネ・安全運転研修会を実施しました。

研修会の様子
研修会の様
実地研修の様子
実地研修の様子
 京都迎賓館JV工事事務所では、5月21日ダンプトラックドライバーに対する、省エネ・安全運転の研修会が行われました。
 会では、最初に「地球環境問題とCO2(二酸化炭素)」と題して、建設業界における取り組みなどの説明が行われました。つづいて、実地研修に移り、燃料使用量の計測装置を取り付けたトラックを受講者が普段どおりに運転。その後、省燃費運転の方法について説明を受け、その方法に従って運転した結果、燃費は平均25%向上したことが分かりました。JV工事事務所では、この会での成果を生かし、京都御苑の自然環境にやさしい工事の推進を目指しています。
 また、安全面では、交通ルールの遵守はもちろんのこと、通学者・老齢者等に対しての配慮や、仮設進入路では御苑利用者を最優先とし、十分注意して低速で通行するなどの指導が行われました。

安全巡査員がパトロールしています。

 この工事では、建設地周辺の環境及び安全を維持するため安全巡視員を配置し、日々パトロールをしています。安全巡視員は、主に以下のような内容の把握に努めています。
(1)現場の仮囲い、工事用進入路の異常の確認及び公園利用者の通行の妨げになるような物が無いか確認する。
(2)御苑内の駐車場や寺町通りに当工事関係車輌が駐車していないか確認をする。
(3)母と子の森など、建設地周辺における騒音状況の把握をする。
(4)現場内で不安全な設備機器の配置・不安全な行動がないか、不必要な騒音・振動・埃等発生していないか確認する。
建築JVは、安全巡視員のパトロール状況の報告を受け、必要に応じ速やかに是正・指導を行います。
駐車場を巡視している様子
駐車場を巡視している様子
確認状況を記録している様子
確認状況を記録している様子
パトロールの順序

レターの「ご返信」に「お返事」をさせていただきます。

■「お返事」のコーナー
 これまでにコミュニケーションレターを第6号まで発刊し、工事の進め方等についてお知らせしてまいりました。各号約1万通(合計約6万通)に対して、5月末までに、合計145通の「ご返信」をいただいております。
 そこで、寄せられたご要望やご意見について、今回号より「お返事」のコーナーを設けてお答えしてまいります。
■「地下水・名水への影響はないのでしょうか」
 4月中旬より行ってきました、本工事で最も深い位置に達する工事(地下9mまでの杭の埋込)が、5月末でほぼ完了しました。「3号」でお知らせしておりました、建設地近傍の監視井戸では、地下水位・濁りなどの諸項目について、工事着手前と変化がなかったことを確認しています。
 同様に、大宮御所・梨木神社など建設地周辺のおもな井戸水についても、影響がなかったことを確認しています。
 地下水については、引き続き監視しながら工事を進め、工事の節目には状況をお知らせしてまいります。

 お返事のコーナー 

防音シートと木の枝の様子
防音シートと木の枝の様子
■「工事の騒音低減に配慮されたい」

環境に配慮しながら工事を進めるため、「環境対策班」を設け、以下の手順で工事を進めてまいります。
(1)各工事の着手前に、騒音・振動・大気質等について影響予測を行う。
(2)公園利用者や動植物への影響について具体的な対策を検討し、施工方法に反映させる。
(3)対策を施した工事の測定結果と、影響予測との比較、確認を行なう。
(4)その結果を踏まえて、次の工事の対策に反映させて行く。
 例えば、5月14日のコンクリート打設において、当初コンクリートミキサー車2台付けの予定を、上記(1)、(2)の検討により「2台の同時稼働を避けること」と、「北側仮囲い上部の防音パネルに加え、約1.8mの高さの防音シート設置」を実施し、その測定の結果、母と子の森(敷地北側)において予想を下回る測定値が得られました。しかし、防音シートは張り出した木の枝の保護のため、張り切れない部分が生じたことで音が漏れ、期待ほどの効果が得られなかったことから、次回は音源の間近での遮音の方法を検討することにしています。このように、改善を重ねながら少しでも低減できるよう努力していきます。

伝統の技術を世界に発信します。

「石灯籠」
 石灯籠は、飛鳥時代に仏教とともに伝来した灯籠の屋外用として製作されました。
 鎌倉時代には、製作者の地位も確立し芸術的にも技術的にも黄金期を迎え、優れた作品が、寺院や神社に奉納されました。
 現在のように庭園にも置かれるようになったのは、室町末期から桃山時代の頃からで、茶人がさまざまな形式の石灯籠を庭に置き、鑑賞したのが始まりです。
 以来一般にも広がり、和風庭園にはなくてはならないものとなりました。
 仏教や茶道文化からの深い影響を受けつつ、厳しい「美」への追求に応えるため、高い加工技術と鋭い美的感覚を持つ石工により製作されています。
 一方、黄金期に製作された優れた遺作(これを本歌と言います)の模作も盛んに行われており、技術と「美」に対する鋭い感覚の継承に役立っています。
 1.5トンの石材を使い、1トン分をそぎ落とすほどの過酷な作業ですが、日本伝統工芸士のもと、優秀な石工が、伝統を継承しつつ、手づくりの良さと端正で古びた味わいを持つ石灯籠の製作に携わっています。

 迎賓館に生きる伝統技術 

石灯籠説明図  左図のように基本はあるものの、石灯籠には、織部型に代表されるように、置く場所や「好み」によりさまざまな形式が考案されました。

「織部型灯籠」…
竿を直接土中に立てる生け込み型で、露盤付きの宝珠・波型の屋根を持つ四角形の笠・四角形の火袋・断面が長方形で上部が十字形または膨らみを持った竿が特徴。
 茶人であり武士である古田織部好みとされる。
織部型灯籠織部型灯籠

迎賓館の庭には、「石造工芸品」を配し、和風庭園の趣きを創出します。

このコーナーでは迎賓館に生かされる伝統技術を紹介していきます。


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