工事施工にあたり周辺環境への影響を軽減する工事対策を行うため、各項目について環境調査を行ないながら工事を進めてまいりました。現在(8月末)までの調査結果
では、工事着手前と比較して周辺環境の大きな変化は確認されていません。
[鳥 類]
表-1 京都御苑における鳥類調査結果
注:・ |
ルートセンサスによる調査結果
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京都御苑では、留鳥や夏鳥だけとなる夏に種類が少なくなる傾向がありますが、今年も同様な傾向がみられています。 |
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京都御苑全域を定期的(月1回)に調査した結果、キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、ムクドリなどの種を確認しています。
また、これらの種は、重機の稼働が多い時期(6月末)に実施した建設地周辺での調査(以下「6月末調査」と表現)においても確認しています。(表-1)
(アオバズク)
宗像神社では、今年も繁殖に成功し幼鳥が巣立っています。なお、建設地周辺においては、昨年と同様に繁殖ペアは確認されませんでした。
(オオタカ)
昨年と同様に京都御苑内での営巣は確認されませんでした。しかし、御苑内において食痕を確認しており、今年も採餌場として利用していることがわかっています。 |
[植 物]
建設地周辺において環境省や京都府のレッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)などに記載されている植物は、タシロラン以外には確認されていません。
(タシロラン)
京都御苑内において今年は約400本の発生を確認しており、昨年よりやや増加しています。
[騒 音]
建設地の敷地境界で常時観測による騒音の監視を行っていますが、騒音レベルは、特定建設作業に関する騒音の規制値を下回っています。
また、6月末調査の結果では、コンクリートポンプ車を防音シートで囲うなどの対策により、騒音レベルは、工事時間中にもかかわらず住居地域の環境基準値(55dB)と同程度またはそれ以下に抑えられました。(表-2)
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[振 動]
建設地の敷地境界で常時観測による振動の監視を行っていますが、振動レベルは、特定建設作業に関する振動の規制値を下回っています。
また、6月末調査の結果では、工事時間中における振動レベルは十分に低い値でした。(表-2)
表-2 常時観測による建設地の敷地境界における騒音・振動の測定結果
注:・ |
騒音は“特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準”に基づく測定方法による測定値と規制値。 |
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振動は“振動規制法施行規則”に基づく測定方法による測定値と規制値。 |
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<30は、30未満を示す。 |
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[大気質]
6月末調査における建設地周辺の二酸化窒素と粉じんの濃度は、工事開始前に実施した結果と同程度かそれ以下の状態でした。(表-3)
表-3 建設地周辺における大気質の調査結果
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測定結果は、建設地周辺の9地点における値。 |
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二酸化窒素は、簡易測定による測定値 |
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粉じんは、デジタル粉じん計による測定値 |
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*1は、浮遊粒子状物質(粒径10ミクロン以下の粉じん)に対する環境基準値 |
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[水 質]
建設地近傍に監視井戸を設置し常時観測を行っていますが、濁度、水素イオン濃度(pH)などの水質や水位に工事着手前との変化はみられませんでした。
また、大宮御所・梨木神社など建設地周辺の主な井戸水についても定期的に水質の調査を実施していますが、濁度は0.5度未満と、水道法による水質基準(2度以下)を下回っているほか、監視井戸同様に工事着手前との変化はみられませんでした。
[交通量]
今出川通における交通の状況は、工事用大型車両の通行後も大きな変化はみられませんでした。(表-4)
表-4 今出川通における交通状況の比較
注: |
混雑度の解釈は以下の通り(「道路の交通容量」(社)日本道路協会)より)。 |
1.0未満: |
昼夜12時間を通して、道路が混雑することなく、円滑に走行できる。渋滞やそれに伴う極端な遅れはほとんどない。 |
1.0〜1.25: |
昼夜12時間のうち道路が混雑する可能性のある時間帯が1〜2時間(ピーク時)ある。何時間も混雑が連続するという可能性は非常に小さい。 |
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[歩行者等動線]
工事着手前と比較した結果、歩行者等動線について大きな変化はみられませんでした。 |