京都迎賓館情報



第十号シンボル コミュニケーションレター(タイトル)
第10号 平成14年11月

わたしたちはこんな迎賓館を創ります。

室内完成予想

工事状況をお知らせします。
 本体工事は、地下の掘削工事が9割方完了し、建物の最底部の耐圧盤や土間部分の鉄筋組み立て作業を行っています。築地塀の工事は、躯体の設置工事を北面および西面の一部で完了しています。
土間部分 鉄筋工事状況 本体耐圧盤 鉄筋工事状況

環境にやさしい工事を進めています。

金属くずの収集
 わたしたちは、建設工事にあたり「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)に基づき、建設現場から発生するコンクリートがらや金属・木材くず等を「建設副産物」ととらえ、発生の抑制に努めるとともに、再使用・再資源化を図る取り組みを進めています。

■ゼロエミッションに挑戦
 迎賓館の工事では、建築・電気・機械の各施工者が一体となり、建設リサイクル法の枠組みからさらに進んだ「ゼロエミッション」という考え方で工事を進めています。
 ゼロエミッションとは、生産−流通−消費−廃棄の各段階で、排出物(エミッション)を限りなくゼロに近づけることにより、「循環型社会」を構築しようという考え方で、国際連合大学が提唱している構想です。

■残土のほとんどを活用
 排出物の中で大きな要素になる掘削残土について紹介しますと、地下掘削により発生した土の大半を「洛南道路建設現場」(京都国道事務所発注)、「京都労働局建築現場」で活用、一部の「聚楽土」は第9号でお知らせした通り塗り壁に活用します。
 また、掘削層が鴨川の旧河床にあたっていたため自然石が多数含まれていることが解り、庭園工事に活用することにし、ふるい分けして保管しています。
 やがて、鴨川の河床と同じような雰囲気の水辺が、迎賓館の庭園に誕生します。
洛南道路建設現場 旧鴨川の自然石

京都御所の秋さわやかに。

春季一般公開
■京都御所秋季一般公開の開催について
 平成14年11月6日(水)から平成14年11月 10日(日)までの5日間、午前9時(開門)から午後3時(閉門)まで、京都御所秋季一般公開が開催されます。
 今回のテーマは、「御所の秋−季節を祝う−」とのことです。

秋の京都御苑の自然が楽しめます。

■マツカサを分解するキノコ
 京都御苑では、これまでに約400種のキノコ(菌類)が確認されています。キノコは、森の中で朽ちた落ち葉などを分解する働きをしており、御苑には、マツカサを分解するキノコが3種あります。
ニセマツカサシメジ マツカサキノコモドキ マツカサタケ

■京都御苑自然教室
 環境省京都御苑管理事務所、(財)京都御苑保存会の共催による、“秋の御苑にふれよう”をテーマに一般市民を対象とした自然教室が開催されます。
 京都自然観察学習会の先生方の指導で、秋の京都御苑にどんな草花やキノコ、虫や鳥が生活しているか観察するそうです。
 秋のすがすがしさの中で、京都御苑の自然を楽しまれてはいかがでしょうか?
行事名 平成14年度京都御苑自然教室 第3回(秋)
“秋の御苑にふれよう”
日  時 11月24日(日)9:30〜12:00
問合せ先 詳しくは環境省京都御苑管理事務所にお問い合わせ下さい。
TEL 075(211)6348

お公家さんの暮らしぶりがうかがえます。


【問い合わせ先】
(財)京都市考古資料館
京都市上京区今出川通大宮東入る
TEL 075(432)3245(代)
京都市考古資料館
公家の愛用した品々
 京都市考古資料館では、京都御所東方の公家屋敷跡(京都迎賓館(仮称)の発掘調査)から出土した遺物から江戸時代の暮らしぶりを紹介する特別展示「公家町の暮らし」が、来年6月まで開催されています。
 公家の愛用した装身具・香具・文房具・日常雑具等の品がずらりと展示されており、中でも人・動物・魚・神様などをかたどった土人形や、動物・食器などのミニチュア玩具が多様さと精巧さで目をひきます。
 これらの品からは、日常生活の中に遊びを取り入れた当時の公家の生活がうかがわれ、興味がわきます。

職人さんの工房を訪ねて。

 伝統的技能が活かされた空間を創造する今回の工事にあたり、その技能がフルに発揮され、より効果的に活用される環境を整えるため、職人さんの工房を訪ねています。
 今回はかざり金物、漆の工房を訪ねました。
「かざり金物」
かざり金物工房
 かざり金物の工房では、今までに製作した金物の見本品を見せて頂きました。襖引手・八双金物・釘隠しなど、それぞれが手作りで製作されており、熟練した技が感じられます。また、1本づつ丹念に和釘を製作する風景からは、釘1本にも魂を吹き込むような気持ちが伝わってきます。

迎賓館に生きる伝統技術

「漆」
漆工房
 漆の工房では、漆の採取方法・漆材料の精製・塗りの工程などについて教わりました。
 漆は1本の樹木から採取できる量が限られており、わずか200グラムと言われる量を採取した後は伐採されてしまいます。漆樹液は、樹木の一生をかけて得られる大変貴重なものと言え、使う職人さんも、これに応えるため最高の技と時間をかけて丁寧に仕上げていきます。
 漆には、木地調整、下地造り、下・中・上塗を数回繰り返し、それぞれの工程間には湿度管理した場所で乾燥させるといった、大変時間と根気のいる作業が必要とされます。工房内では、こういった作業が大切に、丁寧に、静かに進められています。

このコーナーでは迎賓館に生かされる伝統技術を紹介していきます。

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