最良のものを選ぶため試験植栽をしています。
京都には苔寺(西芳寺)に代表されるように、苔を活かした庭園がたくさんあります。木々や庭石の足下を覆った苔は水気を含むことにより、柔らかい雰囲気の中にも凛とした緊張を感じさせる、日本庭園にはなくてはならない存在といえます。
迎賓館の庭園にも活用する計画になっていて、たくさんの苔の種類の中から現地の環境に一番なじみやすく、管理しやすいものを選ぶため、現場内での植栽試験を行っています。昨年の6月に試験体の植え付けを行い、1年間育成した後、今年の6月に判定します。その後、材料手配、準備をはじめ、来年の6月から庭園に植え付けを行う予定で計画を進めています。
1年間育てた試験体は、育成状況、雑草の種類と生え方の多少、鳥による被害(主にカラス)、土壌の適否、景観上の趣などを目安に選定されます。
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このように造っていきます。
■原寸試作(モックアップ)で確認
京都迎賓館(仮称)は伝統的な空間構成を備えながらも、現代技術を最大限活用した「現代の和風建築」として設計されています。その中で、内部空間と日本庭園の連続性や、日本の木造建築が備えている開放性の確保が重要な要素になっています。
そこで、その要素が集中している「回廊」の一部の原寸試作(モックアップ)を現場内に造り、制作方法、強度、操作性、施工方法、精度などを確認、改善方法の検討を行います。
その結果、不足な点が生じた場合は改善方法を検討し本番工事に反映させることで、手もどりをなくし、よりよい出来映えを目指します。
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