第2回 文化財検討委員会
議事録

1.日時
平成14年5月10日(金)15:00〜17:00
2.場所
リーガロイヤルホテル京都 1階 北山杉の間
3.出席者
 
 委員長
学習院大学文学部史学科教授
笹山 晴夫
 副委員長
京都大学大学院工学研究科土木システム工学専攻教授
大西 有三
 委員
独立行政法人奈良文化財研究所平城宮跡発掘調査部長
金子 裕之
 
独立行政法人土木研究所技術推進本部総括研究官
三木 博史
 
奈良県教育委員会教育次長
井上 喜一
 
奈良市教育委員会社会教育部長
中和田 守
 事務局
国土交通省 奈良国道工事事務所
 
4.議事
 
1
事務局より、前回委員会で要請のあった以下の項目について説明を行いました。
 
文化財等(史跡、緩衝地帯、国定公園、県立自然公園)の分布状況
 
各方面から提出されている要望・意見の概要(平成12年4月以降)
 
京奈和自動車道の整備状況
2
笹山委員長から、平城宮跡について、調査・保存の沿革や発掘調査の成果、その史跡としての意義等について、以下の資料により説明がありました。
 
史跡としての平城宮跡について
 
平城京の街割り
 
平城京と奈良市域との関係
 
平城京の主要遺構
3
金子委員から、平城宮跡およびその後苑である松林苑の概要や木簡等の調査結果、さらに奈良文化財研究所で実施している平城宮跡での地下水対策について、以下の資料により説明がありました。
 
平城宮と松林苑の概要
 
木簡出土状況
 
主要井戸とその深さ
 
平城京発掘調査位置
 
松林苑における諸施設
 
井戸遺構の分布状況
 
昭和47年以降の地下水位の変動状況
 
平城遺跡博物館構想
4
議事13に関して次のような質疑がありました。
 
奈良県・市の地域の活性化という観点からインフラ整備は必要だと考えるが、遺跡保存についても十分に配慮し共存することが必要である。
 
奈良文化財研究所で従前から地下水調査を行っており、その調査結果を地下水検討委員会の検討結果とあわせて考察することが望ましい。
 
道路建設による地下水変動は季節変動に比べて微少であると予測されている。しかし、現時点で木簡等の埋蔵文化財の保存メカニズムは明確になっていない。また、地下水シミュレーションでも現状の水文・地質条件等を完全に把握し、反映することは困難である。そのため、平城宮跡直下での工事の影響を完全に予測することは難しい。
 
平城宮周辺で道路建設するにあたっては、地下水などの埋蔵文化財保存要因の他に、世界文化遺産周辺での構造物のあり方などについても検討すべきであり、次回委員会でそれらの点を議論し、今後配慮事項について検討する
 
仮に工事するにあたっても工事中の継続的な現況把握調査を実施するとともに、施工技術及び実績等を勘案し、柔軟に対応すべきである
5
次回は、遺跡とその周辺開発に関する他事例の紹介等と、道路建設における埋蔵文化財保護の観点からの配慮事項の提言(案)について議論を行うこととなりました。
6
その他
 
次回は、平成14年6月21日に開催
以上



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