第4回地下水検討委員会
(平成14年3月6日開催)
■京奈和自動車道について
 京奈和自動車道は、京都市から奈良市等を経て和歌山市に至り、関西大都市圏の外郭環状道路の機能を有する、延長約120kmの高規格幹線道路であり、現在、早期完成を目指し、奈良県内、和歌山県内で整備を推進しています。
 平成12年4月に全線開通した京奈道路から西名阪自動車道以南で事業を進めている大和御所道路までの区間は、基本計画の策定を行うため、現在、国土交通省奈良国道工事事務所において、大和北道路として調査・計画を進めています。



■調査の状況と課題
 大和北道路の調査・計画については、大きくは、
  1. 国道24号奈良バイパス周辺を中心とした「中央エリア」

  2. 春日山周辺の山地部を中心とする「東側エリア」

  3. 奈良市・大和郡山市西部の「西側エリア」
のエリアにおいて、大和平野周辺部も含め、幅広く、現況土地利用、土地利用計画、文化財分布、沿道環境などを勘案し、検討を進めています。  
 特に、「中央エリア」の北部地域においては、既成市街地および世界文化遺産の「平城宮跡」をはじめとするきわめて重要な文化財が数多く存在しており、この地域でルート・構造を検討するためには、文化財の保全等の観点より、埋蔵文化財や地下水の現況を正確に把握したうえで、道路建設と地下水挙動との関係について予測・評価を行うことが必要です。

■地下水検討委員会について
 このため、平成13年7月に地下水や土質等の専門家からなる地下水検討委員会を設置・開催(※1)し、地下水の現状分析や、道路建設と地下水挙動との関係について検討しているところです。
 10月31日第2回検討委員会(※2)では、予測・評価に必要な解析モデルの精度の確認、12月19日第3回検討委員会(※3)では、現地に即した予測・評価を行うためのトンネルの透水係数や土壌水分状態等の各種条件を検討しました。第4回検討委員会では、前回の委員会での指摘事項である、現地に即した予測・評価を行うための各種条件を踏まえ予測結果を検討・確認します。

■今後の予定
 今後、地下水検討委員会の検討結果を踏まえ、文化財検討委員会(※4)を開催し、これらの検討結果を基礎資料とし、「西側エリア」「中央エリア」「東側エリア」の幅広い範囲において「PIプロセス(※5)」を導入して計画策定を図ります。

<参考>
 ※1 地下水検討委員会
 
座 長 京都大学大学院工学研究科土木システム工学専攻教授 大西有三
  奈良教育大学教育学部理科教育講座教授 谷口真人
  東京大学工学系研究科地球システム工学専攻助教授 登坂博行
  岡山大学環境理工学部環境デザイン工学科教授 西垣 誠
  独立行政法人土木研究所材料地盤研究グループ長 三木博史
  第1回委員会での検討事項
  • 既往調査の内容の確認
  • 今後の解析方針の確認
  • 現地ボーリング調査をもとに作成した地盤図の確認
※2 第2回委員会での検討事項
  • 解析モデルの精度の確認
     現況再現による確認
  • 構造物が地下水に及ぼす定性的影響
  • 解析に係る各種条件(指摘事項)
※3 第3回委員会での検討事項
  • 解析条件の確認
  • 渇水期における地下水位試算結果
※4 「文化財検討委員会」
 地下水検討委員会の検討結果等を踏まえつつ、道路建設における埋蔵文化財保護の観点からの配慮事項について御意見を頂く。
○地下水 ○土質 ○地質 ○保存化学
○古代史 等の委員を予定
※5 PI(市民参画)プロセス
 基本計画決定までの手続きの透明性、客観性、公正さを確保するために、計画の早い段階、すなわち構想段階から、情報を公開し、計画の必要性、行政が提示した基本計画原案の妥当性等に関する市民、関係する地方公共団体等の意見を把握し、合意形成を図る手続き。

「地下水検討委員会」開催結果

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