京奈和自動車道大和北道路
大和北道路トップへ

大和北道路地下水モニタリング検討委員会 (第三回) 議事録

1.日時
平成19年11月7日(水)10:00〜11:30
2.場所
ニューオーサカホテル 3階「淀」
3.出席者
 
○委員長
京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻教授
大西 有三
 
京都大学大学院文学研究科教授
上原 真人
 
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所長
田辺 征夫
 
大学共同利用機関法人人間文化研究機構
総合地球環境学研究所研究部准教授
谷口 真人
岡山大学大学院環境学研究科資源循環学専攻教授 西垣 誠
株式会社三木地盤環境工学研究所長 三木 博史
立命館大学文学部人文学科教授 和田 晴吾
○事務局
国土交通省 近畿地方整備局 奈良国道事務所
 
4.議事
 
1)
事務局から、前回委員会の議事要旨について説明がありました。 資料−1
2)
事務局から平城宮跡の土質等に関する調査結果ついて以下の説明がありました。資料−2
  • 東方官衙地区の大溝跡から出土した木簡のうち、最大長さ(35cm)の木簡は粘土・シルト分を多く含む土の中に埋蔵。
  • 最大長さの木簡は、比較的高い位置から出土し、土壌はほぼ酸化状態。
  • 東方官衙地区は砂礫が優勢であり、サンプリングができず、透水試験やpF試験ができなかった。
  • 近隣地区のデータを用い参考として実施した解析によると、最大長さの木簡は、一時的に地下水位以下ではなかったことが想定されるが、粘土・シルト分を多く含む土の中にあったため、土壌中に十分な水分が概ね保持されていたと推定。
○意見交換の内容
  • 調査結果を踏まえ、木簡保存のメカニズムをより詳細に調査するため、今回砂礫優勢層で発見された小さな木簡や木くずにも着目し、それらの分布図と詳しい地層図とを比較し、検討する。また、木杭の保存状態と地下水との関係も調査し、保存のメカニズムの把握の参考とする。
  • 東院地区の柱穴跡にあった柱の消失状況を調査する。
  • 今後の調査においては、大溝の発掘断面を把握し、木簡の存在していた層について、可能であるならば、水平サンプリング等により詳細なデータが得られるように検討する。
  • 現在の解析では、蒸発のメカニズムを考慮していないため、今後はそれらも踏まえ、より地下水の現況状態を正確に把握し、解析できるよう工夫する。
  • バクテリア等、生物学的な観点から専門家の意見を伺う。
3)
事務局から管理基準の考え方について以下の説明がありました。 資料−3
  • 道路建設が地下水変動に及ぼす影響を把握するため、地下水位の変動に着目し、以下とおり、第1帯水層の地下水位について管理する。
    •  @工事前に測定された最低水位
       A工事前の降雨時・無降雨時の水位変動とは異なった変動
  • 管理対象の観測孔については、リアルタイムにモニタリングする。
  • 管理対象の観測孔は以下のエリアから選定する。
    •  @道路建設が第1帯水層へ影響すると考えられる南坑口付近
       A南坑口付近から平城宮跡までのエリア
       B平城宮跡付近
    ○意見交換の内容
    • ・管理基準の考え方については、概ね了解。ただし、モニタリング孔の設置については東側からの地下水の流入の影響について考慮する。
    次回は、平城宮跡内の木簡発掘とあわせて、さらなるデータ収集を実施すること。また、異常時の地下水保全の考え方について、委員の皆様それぞれの専門的な見地からご意見をいただき、議論をしていくこととなりました。
     
    以上