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大和北道路地下水モニタリング検討委員会 (第四回) 議事録

1.日時
平成20年8月1日(金)14:00〜15:30
2.場所
近畿地方整備局 新館2階 入札室
3.出席者
 
○委員長
京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻教授
大西 有三
 
京都大学大学院文学研究科教授
上原 真人
 
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所長
田辺 征夫
 
大学共同利用機関法人人間文化研究機構
総合地球環境学研究所研究部准教授
谷口 真人
岡山大学大学院環境学研究科資源循環学専攻教授 西垣 誠
株式会社三木地盤環境工学研究所長 三木 博史
立命館大学文学部教授 和田 晴吾
○事務局
国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所
 
4.議事
 
1)
事務局から、前回委員会の議事要旨について説明がありました。 資料−1
2)
事務局から、平城宮跡の土質等に関する調査結果ついて、以下の説明がありました資料−2
  • 東方官衙地区の大溝跡から出土した木簡、削屑は大半が「灰褐砂礫」から出土。
  • 「灰褐砂礫」は、粒度組成が砂礫優勢で、やや酸化状態。
  • 「灰褐砂礫」は、常時地下水位以下でなく、また砂礫が優勢であることから土壌水分量が一時的に低下する時期がある可能性があると推定。
○意見交換の内容
  • 一般的に遺存率が高くないと思われていた砂礫優勢層に、多くの木簡や削屑が良好な状態で保存されていたことについて、今後、土層の飽和度測定、現場透水試験の実施及び水分保持特性の把握を行い、地下水位と木簡や削屑の保存状況の関連を調査することにより、保存のメカニズム把握の参考とする。
  • 調査検討にあたっては奈良文化財研究所と調整しながら進める。
  • 酸化還元状態におけるバクテリアの活動状況について、専門家の意見を伺いながら木簡の保存状況の把握に努める。
  • 砂礫優勢層で木簡の保存状態が良好であったことに関して、砂礫優勢層の透水性に及ぼす粒度分布の影響、水田の床土による蒸散防止効果や涵養効果も含めて、今後検討を進めることが望ましい。
3)
事務局から、異常時の地下水保全の考え方について、以下の説明がありました。資料−3
  • 基本的な地下水保全策として、地下区間は地下水への影響が少ないシールド工法を採用し、トンネル坑口付近の開削区間は地下水流動保全工法を実施する。
  • 異常時の地下水保全策の考え方として、工事着手前に実施する平城宮跡の地下水の涵養、地下水異常時に実施する応急対策を検討する。
    なお、地下水異常は以下の場合をいう。
     @地下水位への影響が懸念される想定外の事象を確認
     A「管理基準」により地下水位の異常を確認
○意見交換の内容
  • 異常時の地下水保全の考え方については、概ね了解。なお、平城宮跡の地下水の涵養については、世界遺産であり特別史跡であることから、関係機関との調整が必要であるが、リスク低減のための有効な対策と考えられることから引き続き調整を図ることが望ましい。
次回は、平城宮跡内の発掘調査とあわせて、さらなるデータ収集や分析を実施すること。また、これまでの審議結果に基づき、地下水モニタリング方針の提言案について、委員の皆様それぞれの専門的な見地からご意見をいただき、議論をしていくこととなりました。
 
以上