2019年7月10日

国の天然記念物“イタセンパラ”
今年も多くの稚魚を確認。生息域の広がりも。
~淀川での野生復帰の取り組み~

概要

イタセンパラの野生復帰の取り組みをすすめている、淀川の城北(しろきた)ワンド群(大阪市 旭区)において、今年も1 万尾を超えるイタセンパラの稚魚を確認しました。また、その生息域が広がっていることが確認できました。

 
●淀川河川事務所と大阪府立環境農林水産総合研究所は、共同して淀川水系で野生絶滅の危機に陥ったイタセンパラ(国の天然記念物、国内希少野生動植物種)の野生復帰を目指す取り組みをすすめており、今年も稚魚調査を行いました。

●今年は、城北(しろきた)ワンド群で11,677 個体のイタセンパラの稚魚を確認しました。これは、野生復帰への取り組みとして平成25 年10 月に放流を行った500 個体が淀川で自然繁殖を繰り返した第七世代目と考えられます。また、城北ワンド群での生息域が広がっていることが確認できました。

●今年も多くの稚魚が確認できた要因のひとつとして、さまざまな団体や行政機関などが連携する「淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク」(略称「イタセンネット」)により、外来魚や外来水草の駆除を継続的に実施していることで、ワンドの環境が良好に維持されていることがあげられます。

●イタセンパラの寿命は通常1 年と短いため、今年の繁殖や成長などの諸条件によっては、来年以降の個体数が大きく変動する可能性があります。引き続きイタセンネットなどと連携し、環境保全活動等を実施してまいります。

●イタセンパラの捕獲は種の保存法、文化財保護法で禁止されています。大阪府警旭警察署の協力のもと、「城北わんどイタセンパラ協議会」(事務局:環境省近畿地方環境事務所)がパトロールを実施しています。
 

 

問い合わせ先

国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所
 TEL:072-843-2861
 副所長  犬丸潤(内線206)
 河川環境課長  日下慎二(内線361)

地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター
 センター長  上原一彦
 TEL:072-833-2770