概要
イタセンパラの野生復帰の取り組みをすすめている、淀川の城北(しろきた)ワンド群(大阪市 旭区)において、今年も1 万尾を超えるイタセンパラの稚魚を確認しました。また、その生息域が広がっていることが確認できました。
●淀川河川事務所と大阪府立環境農林水産総合研究所は、共同して淀川水系で野生絶滅の危機に陥ったイタセンパラ(国の天然記念物、国内希少野生動植物種)の野生復帰を目指す取り組みをすすめており、今年も稚魚調査を行いました。
●今年は、城北(しろきた)ワンド群で11,677 個体のイタセンパラの稚魚を確認しました。これは、野生復帰への取り組みとして平成25 年10 月に放流を行った500 個体が淀川で自然繁殖を繰り返した第七世代目と考えられます。また、城北ワンド群での生息域が広がっていることが確認できました。
●今年も多くの稚魚が確認できた要因のひとつとして、さまざまな団体や行政機関などが連携する「淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク」(略称「イタセンネット」)により、外来魚や外来水草の駆除を継続的に実施していることで、ワンドの環境が良好に維持されていることがあげられます。
●イタセンパラの寿命は通常1 年と短いため、今年の繁殖や成長などの諸条件によっては、来年以降の個体数が大きく変動する可能性があります。引き続きイタセンネットなどと連携し、環境保全活動等を実施してまいります。
●イタセンパラの捕獲は種の保存法、文化財保護法で禁止されています。大阪府警旭警察署の協力のもと、「城北わんどイタセンパラ協議会」(事務局:環境省近畿地方環境事務所)がパトロールを実施しています。