概要
淀川水系で野生絶滅の危機に陥ったイタセンパラ(国の天然記念物、国内希少野生動植物種)の野生復帰を目指す取り組みを平成20年から進めており、今年の稚魚調査結果をお知らせします。【調査結果の概要】
●今年は、淀川の城北ワンド群(大阪市旭区)で889 個体のイタセンパラの稚魚を確認しました。これは、野生復帰への取り組みとして平成25 年10 月に放流を行った500 個体が、追加放流せずに淀川で自然繁殖を繰り返した第8 世代目と考えられます。
●また、毎年個体数の増減はありますが、寿命が一年であるイタセンパラは繁殖や成長などの諸条件によって個体数に大きな年変動がみられることが知られています。
●今年も稚魚が確認できた要因のひとつとして、さまざまな団体や行政機関などが連携する「淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク」(略称「イタセンネット」)により、外来魚や外来水草の駆除を継続的に実施していることで、ワンドの環境が良好に維持されていることがあげられます。引き続きイタセンネット等と連携し、環境保全活動や調査を実施してまいります。
※イタセンパラの捕獲は種の保存法、文化財保護法で禁止されています。大阪府警旭警察署の協力のもと、「城北わんどイタセンパラ協議会」(事務局:環境省近畿地方環境事務所)がパトロールを実施しています。