2022年5月17日

近畿の『食』輸出プロジェクト 阪神港から世界へ
~海上混載輸送試験(第1回・第2回)の結果概要~

概要

 国土交通省近畿地方整備局では、阪神港からの海上輸送を通じて農産物等の輸出を促進するため、単独では十分な物量が確保できず輸出されにくい小口貨物と、通年で安定した物量が輸出されている大口貨物とを混載し、小口貨物の梱包方法の有効性や安定的な輸出の可能性等を検証する海上混載輸送試験を2回実施しました。
 その結果、輸送後の商品の品質については、ほとんどの商品が販売に支障がないことを確認でき、海上混載輸送の有効性が確認されました。他方、農産物のコンテナ詰込み時のコールドチェーンの途切れがみられるなど、輸出時の課題なども確認されました。

○輸送試験の期間・経路
 第1回:令和3年12月17日(金)-28日(火)、堺青果センター(堺泉北港)→大阪港→香港港
 第2回:令和4年 1月14日(金)-24日(月)、堺青果センター(堺泉北港)→神戸港→香港港

○輸送試験のポイント
 香港においてニーズが高いものの、単独では十分な物量が確保できず小口貨物となっている青果物(※)を、安定して輸出されている大口貨物であるリンゴとあわせて、1本のリーファーコンテナに混載する。その際、リンゴから発生するエチレンガスから小口貨物を保護するため、鮮度保持カバーによりパレット単位で覆う。
 鮮度保持カバー等の有効性や堺青果センターから到着地(香港港)までのコールドチェーンの状況を確認するため、到着地での商品状態をバイヤーの目で確認するとともに、輸送時の状況(温度、湿度等)を測定して分析する。
 ※輸送青果物(試験対象):みかん、メロン、キウイ、シャインマスカット、柿、イチゴ
 注)イチゴは第2回試験のみ

○輸送試験結果・今後の課題
 輸送試験結果として、現地バイヤーからほとんどの商品が販売に支障のない品質を確保しているとの評価を得られたことなどから、鮮度保持カバー等の有効性を含め、小口貨物の混載輸送の可能性が確認された。他方、農産物のコンテナ詰込み時に、コールドチェーンの途切れが確認された。
 今後の課題として、農産物等の輸出促進に向けて途切れないコールドチェーンの構築が求められるとともに、今後さらに小口混載輸送を広げていくための関係者と連携した輸送体制の構築が求められる。

問い合わせ先

近畿地方整備局 港湾空港部 
港湾高度利用調整官 谷本 隆介 (内線6407)
品質検査官 中川 郁美   (内線6441)
 TEL:078-391-3102(直通) 
 FAX:078-325-8288