概要
淀川水系で野生絶滅の危機に陥ったイタセンパラ(国の天然記念物、国内希少
野生動植物種)の野生復帰を目指す取り組みを平成20年から進めており、今年
度の調査結果をお知らせします。
【調査結果の概要】
●毎年実施している淀川の城北ワンド群でのイタセンパラの調査について、本年度
も稚魚調査(4 月~6 月)及び成魚調査(7 月~11 月)を実施しました。その結果、
本年度はイタセンパラが確認されていない状況になっています。
●イタセンパラについては、寿命が一年であり繁殖や成長などの諸条件によって個
体数に大きな年変動がみられることが知られております。今回イタセンパラが確
認されなかった原因は、はっきりと特定出来ませんが、ブラックバスやブルーギ
ル等の外来魚による食害、イタセンパラが産卵のために必要な二枚貝の減少など
の複合的な要因が考えられます。そのため、淀川河川事務所では外来魚の影響や
二枚貝の減少について、今後調査を行っていくとともに、新たなイタセンパラの
導入について検討していく予定です。
●対策は難しい問題ですが、淀川河川事務所では、さまざまな団体や行政機関など
が連携する「淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク」等と協力し、環境保全
活動や調査を継続して実施してまいります。
※イタセンパラの捕獲は種の保存法、文化財保護法で禁止されています。大阪府警
旭警察署の協力のもと、「城北わんどイタセンパラ協議会」(事務局:環境省近
畿地方環境事務所)がパトロールを実施します。