GINBASHI
安藤忠雄氏(建築家)によるデザインコンセプト
安藤忠雄氏(建築家)によるデザインコンセプト
 昭和5年に架け渡されて以来、大阪のシンボルとして、人々に親しまれてきた桜宮橋(通称 銀橋)。四季を通じて大阪の風景に彩りを与えてきた。夏には、大阪天満宮の天神祭の船渡卸と花火で、春は、造幣局の通り抜けで、遠来の人々にも広く親しまれている。

 大阪人の原風景の中のある、この銀橋に隣接して、今回新たに新銀橋を建設する。計画に際し、新しい橋の登場によって、既存の銀橋の魅力もより引き立つ、新旧が対となり、互いに刺激しあうような場所づくりを提案する。

 新銀橋の形状は、旧銀橋に倣いアーチ型とし、最高高さ、軸の方向など、様々な要素について、可能な限り旧銀橋の相似形となるよう計画する。ただ、それをつくる技術については、あくまで最新の素材・工法を用いる。おのずと、新橋は旧橋と比べて、スレンダーなものとなるから、それら新旧の橋が、対として並置されることで、現在と旧橋建設当時の技術の違い、その間にある時間的奥行きを表現することが出来る。

 旧銀橋は新銀橋とともに、21世紀へと足を踏み出し、次の100年を生き抜いていく。新旧の間に喚起される、時間を超えた<対話>が、大阪の都市空間に刺激を与え、新たな命を吹き込んでいく。

 この計画が、近代の大阪を、時間的、空間的に奥行きのある、豊かな都市をしていく、その第一歩となることを期待している。
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