公共工事の品質確保

公共工事の品質確保の促進に関する法律 Q&A集

Q15 この法律の制定は、コスト縮減に寄与するのでしょうか?(技術提案を活用するとコスト高になるのではないのでしょうか?)

(答)

1. この法律では、個々の工事において入札参加者の技術的能力の審査を義務付けていますが、これにより技術力を持った企業による競争が促進され、一定のコストの中で品質が向上するとともに不良不適格業者の排除による不良工事の抑制が可能になると見込まれます。
2. また、この法律では技術提案の活用について規定されていますが、既に民間企業の調達において行われている技術提案の事例を見ても、技術提案の積極的な活用は、公共工事においてもコスト削減に効果をもたらすことが期待されます。例えば、発注者が考えた標準的な設計より安価な提案や一定のコストに対してより品質の高い提案が得られることが期待されます。
3. また、国土交通省において、平成14年度から民間の技術提案を活用する総合評価方式を積極的に実施していますが、これまでに実施した1000件余りの結果によると、ほとんど工事でコストを増加させることなく発注者が当初想定した品質以上の提案が得られており、民間からの技術提案の活用は有効であると考えられます。

【技術提案の審査結果を踏まえて予定価格を作成すると、コスト高になるのではないのでしょうか?】

4. 本法律では、高度な技術提案を求める場合等において、技術提案の審査結果を踏まえ予定価格を作成できることを規定していますが、例えば、
《1》 工期短縮により渋滞等社会的損失が削減できる場合
《2》 供用開始が早くなることにより経済効果が見込まれる場合
《3》 維持管理が容易になることによりライフサイクルコストが低減される場合
《4》 環境影響への負荷を抑制できる場合
等において、標準的な工法等に比べ多少費用がアップしたとしても得られる効果と費用との関係で有利な契約となる場合があることから、これを可能とするために規定されたものであり、不必要なコストアップをもたらすものでないことは言うまでもありません。