近畿地方整備局情報 第9号     発行:近畿地方整備局

 平成16年9月発行


『災害速報』
◇◆◇台風11号による豪雨災害◇◆◇
 8月4日に発生した台風11号により、紀伊半島南部では激しい雨が降り、奈良県上北山村では総雨量が731ミリ、和歌山県那智勝浦町では361ミリに達し、局地的に激しい雨に見舞われました。幸いに人的な被害は報告されておりませんが、奈良県、和歌山県、三重県を中心に各地で浸水被害、土砂災害が発生しました。相野谷川では、輪中堤の工事中である高岡地区において5日、15時15分頃浸水を防止するため積まれていた大型土のうを乗り越えて浸水し、住家等30戸が床上浸水するなどの被害が発生しました。6日には水も引き、現在復旧作業を進めています。被災状況などを近畿地方整備局ホームページに掲載していますのでご覧いただければと思います。HPのURLは、http://www.kkr.mlit.go.jp/ です。

◇◆◇土砂崩れ瞬間撮った◇◆◇
 国道168号(奈良県管理)の奈良県吉野郡大塔村宇井地先において、8月10日午前0時15分、大規模な地滑りが発生しました。現地に派遣し、監視を行っていた近畿地方整備局の衛星通信車搭載の高感度カメラが、この地滑りによる崩落発生の瞬間の貴重な映像を撮影しました。近畿地方整備局で、この映像を記者発表したところ、10日の午後7時のNHKニュースのトップニュースとして放映されたのをはじめ、ほぼ全局で大きく取り上げられました。この映像を近畿地方整備局ホームページに掲載していますのでご覧いただければと思います。HPのURLは、http://www.kkr.mlit.go.jp/ です。

◇◆◇台風16号による被災について◇◆◇
 8月30日の台風16号の接近に伴い、高潮による浸水対策として淀川に架かる国道2号の淀川大橋の防潮扉を8月30日19時20分から31日2時54分まで閉鎖しました。これに伴い、国道2号の淀川大橋、神崎大橋及び左門橋が、この間通行止めとなりました。また、その他数カ所で通行止め等を行いましたが、河川、道路、港湾とも大きな損傷被害はありませんでした。
8月の主要行事結果
8月 1日
〜6日
「大阪湾再生」水質一斉調査を実施
 大阪湾では、これまで国、自治体、研究機関がそれぞれの目的に応じて独自に環境調査を行ってきましたが、本年3月に策定した「大阪湾再生行動計画」に基づき、行政機関と土木学会の共同研究グループやNPO等が協働して大阪湾に流入する河川、海域の水質について一斉調査を行いました。このような横断的、広域的かつ官民協働の環境調査は全国で初めての取り組みです。今回の調査を通じて、生物の生息に影響が大きい貧酸素水塊の発生分布など、汚濁負荷のメカニズム解明に努めたいと考えています。
8月 2日 近畿再生アイデア研究会を開催(大阪市)
 平成16年度第1回の近畿再生アイデア研究会を開催しました。研究会には、同志社大学大学院ビジネス研究科の浜矩子教授をお招きし、「地域再生は地域の活力で〜近畿から地域モデルを発信」と題して、「最近のはやり言葉のグローカルとは、『グローバルに考え、ローカルに活動せよ』ではなく『ローカルに考え、グローバルに活動せよ』であるべき。グローバルスタンダードではなく、強烈なマイスタンダードをアピールすべき。近畿は、ベルギー、ポルトガルなど『開かれた小国モデル』に学ぶべき。『独善的、懐疑的、執念深く』がよい地域作りの条件。」など、示唆に富むご意見を頂きました。
8月 4日 大阪市長との意見交換会を開催(大阪市)
 藤本局長が関大阪市長と、地域づくりのあり方や事業の進め方などについて意見交換しました。
8月 4日 衆議院・参議院災害対策特別委員会が福井豪雨被災地を視察(福井県)
  衆議院・参議院の災害対策特別委員会の12名の皆さんが「平成16年7月福井豪雨」の被災現場を合同で視察され、今後の復旧のあり方等について地域の首長さん等と意見交換を行いました。近畿地方整備局からは、足立企画部長他2名が参加しました。
8月 6日 大阪府知事との意見交換会を開催(大阪市)
  藤本局長が太田大阪府知事と、地域づくりのあり方や事業の進め方などについて意見交換しました。
8月 8日 円山川の自然再生に関するフォーラムを開催(豊岡市)
  円山川の自然再生に関するフォーラム「コウノトリ野生復帰に向けて〜ミュージカルから始まる川づくりへのメッセージ〜」を豊岡市民プラザ多目的ホール「ほっとステージ」で開催しました。第一部では、山階鳥類研究所長の山岸哲さんによる「今、鳥の保護で問題となること」と題した基調講演、中村太士北海道大学教授、円山川水系自然再生検討委員会委員長の藤田裕一郎岐阜大学教授による講演、第二部では、県立コウノトリの郷公園研究部長の池田啓さんの司会で、地元の方々を含め5名の皆さんによるパネルディスカッションを行い、来年に控えたコウノトリの野生復帰に向けて実りのある議論が展開されました。
8月10日 京都市長との意見交換会を開催(京都市)
  藤本局長が桝本京都市長と、地域づくりのあり方や事業の進め方などについて意見交換しました。
8月14日
〜15日
「飛鳥゛光と歴史゜のページェント」を開催(明日香村)
  国営飛鳥歴史公園が今年で開園30周年を迎えたことを記念して、「飛鳥“光と歴史”のページェント」を開催し、万葉うたがたり、影絵集団「かげぼうし」の皆さんによる影絵「龍の小太郎」、万葉劇団「時空」の皆さんによる「大化の改新」と題した劇、飛鳥夜市、あすかぼんおどり大会などを行いました。
8月18日 「御堂筋打ち水大作戦2004」を実施
  ヒートアイランド現象で連日暑い日々が続く大阪都心部で、少しでも大阪の街を涼しくしようと、古くから伝わる「打ち水」を約2千人の参加者により、梅田から難波までの4kmの御堂筋で行いました。その結果、温度は平均して1.2度下がりました。打ち水に使用する水は、本来なら川に流してしまう下水処理場で高度処理した水を用いました。また、同日、福井市で行われた「越前打ち水大作戦」に足羽川ダム工事事務所、福井河川国道事務所の職員を含め130名が参加し、事務所からは二次使用水を集める散水車と参加者に温度を知らせる標示車を出動させるなど協力を行いました。その結果、気温も37.0度から34.6度に低下するなど大きな効果がありました。
8月20日
〜26日
「しずおか国際園芸博覧会『パシフィックフローラ』に出展
  静岡県の浜名湖ガーデンパークにおいて開催中の「しずおか国際園芸博覧会『パシフィックフローラ2004』」に、国営飛鳥歴史公園事務所の取り組みを紹介する「飛鳥 心のふるさと」をテーマとしたブースを出展しました。
8月25日 平成17年度予算概算要求記者発表
  平成17年度近畿地方整備局関係予算概算要求に係る重点事項について記者発表しました。
8月29日 「水の使い方を考えるシンポジウム」を開催(京都市)
  「水の使い方を考えるシンポジウム」を京都市内の京都リサーチパークで開催しました。第一部では、京都貴船神社宮司の高井和大さんによる基調講演、第二部では、大阪ガス株式会社エネルギー・文化研究所客員研究員の弘本由香里さんをコーディネーターに、市民団体の皆さんなど7名によるパネルディスカッションを行いました。
8月29日 「道路防災シンポジウム」を開催(神戸市)
  「道路防災シンポジウム〜災害に強い地域づくり、道づくりを考える〜」を神戸のホテルオークラ神戸で開催しました。第一部では、河田恵昭京都大学防災研究所巨大災害研究センター長・教授による「スーパー広域災害と道路防災」と題した基調講演、第二部では、ジャーナリストの近藤三津枝さんをコーディネーターに,NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸理事長の中村順子さん、川柳作家のやすみりえさん、山崎聡一神戸市建設局中部建設事務所管理課長、梅山和成国土交通省道路局道路防災対策室長による「災害に強いまちづくり、みちづくり」と題したパネルディスカッションを行いました。
9月の近畿地方整備局関連主要行事予定

9月 1日 近畿地方整備局防災参集訓練(大阪市)
9月 2日 コミュニケーション型国土行政コンテスト(大阪市)
9月 4日 「歴史街道シンポジウム」(大阪市)
  「『ウェイクアップ関西』シンポジウム〜『歴史街道をどう活かすか』〜」を大阪市内の大阪国際会議場で開催します。第一部では、山折哲雄国際日本文化研究センター所長による「『祈りの道』と日本人」と題する基調講演、第二部では、山折哲雄さん、南谷昌二郎歴史街道推進協議会理事長(JR西日本会長)、藤本貴也近畿地方整備局長による『世界遺産と歴史街道」と題した鼎談、第三部では、京都府宇治市・兵庫県姫路市・和歌山県本宮町・奈良県吉野町の4市町から歴史街道モデル事業の報告をしていただきます。
9月 8日 中国横断自動車道姫路鳥取線(鳥取自動車道)直轄高速着手式(智頭町)
9月11日 「−観光立市を目指してータウンミーティング イン 京丹後」(京丹後市)
9月24日
〜25日
「未知普請全国大会in近畿」(大阪市)
事務局から
 「近畿地方整備局情報」と管内市町村長へのメールマガジン「近畿ゆめ通信」を掲載したホームページはhttp://www.kkr.mlit.go.jp/plan/maga/index.htmlです。
 「近畿地方整備局情報」等についてのお気づきの点やアドバイス等がありましたら、近畿地方整備局担当部または広報広聴対策官までお願いします。
(広報広聴対策官 森山 内線2117)

 

最近の近畿の経済動向
企業倒産 件数・額とも減 【参考資料1】

 東京商工リサーチの発表(13日)によると、7月の近畿2府4県の企業倒産(負債額1千万円以上)は、前年同月比10.7%減の302件で、負債総額は、同38%減の785億63百万円でした。全国では、倒産件数は1123件(18.4%減)、負債総額は5764億82百万円(17.4%減)でした。
公共工事請負額 3カ月連続減

 西日本建設業保証の発表(11日)によると、7月の近畿2府4県の公共工事請負額は前年同月比11.4%減の1,502億円で、3カ月連続の減少でした。内訳は府県発注額が30.9%減、金額規模の大きい市町村発注は1.1%減でした。
マンション発売4.9%減、在庫は5カ月連続減少 【参考資料2】

 不動産経済研究所の発表(16日)によると、7月の近畿2府4県のマンション発売戸数は前年同月比4.9%減の2663戸、販売在庫数は5カ月連続減少の4742戸、契約率は前年同月比5.9ポイント上昇して76.4%でした。首都圏では、マンション発売戸数は、前年同月比8.2%増の7228戸、契約率は2.1ポイント上昇し82.8%でした。
街角景気 3カ月ぶり改善 【参考資料3】

 内閣府発表(9日)の近畿の7月の景気ウオッチャー調査によると、3カ月前と比べた景気の現状判断指数は、前月より4.2ポイント高い57.5となり、3カ月ぶりに改善しました。全国でも前月から2.9ポイント増の54.3となり3カ月ぶりに上昇に転じました。
 景気ウオッチャー調査は、景気に敏感な職業の全国2050人を対象に、3カ月前と比較した景気の現状や先行き感を「良い」から「悪い」までの5段階で評価し、これに点数を与え指数化(DI)したものです。

建設工事受注 全国は2カ月連続増加、近畿も増加へ 【参考資料4】

  国土交通省が発表(10日)した建設工事受注動態調査によると、建設業者の6月の工事受注高は、全国で総額4兆4806億円と、前年同月に比べ1.5%増となり、2カ月連続の増加で、この内元請受注高は2.6%増の3兆1221億円でした。元請受注高のうち公共機関からの受注高は9991億円(13.1%減で19カ月連続でマイナス)、民間からの受注高は2兆1230億円(12.1%増で2カ月連続の増加)でした。近畿2府4県の工事受注高は9314億円(18.2%増)、元請受注高は22.0%増の6957億円、この内、公共機関は3.5%減の1402億円、民間は30.8%増の5555億円でした。
近畿の失業率 0.7ポイント悪化 有効求人倍率も悪化 【参考資料5】

  総務省の発表(27日)した7月の全国の完全失業率(季節調整値)は4.9%と前月より0.3ポイント悪化、厚生労働省が発表した7月の全国の有効求人倍率(同)は0.83倍で前月より0.01ポイント上昇しました。近畿(2府4県)は、完全失業率(季節調整前の原数値)は6.1%で、前月より0.7ポイント悪化し、前年同月比でも0.1ポイント悪化となっています。なお、近畿(2府4県)の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べ0.02ポイント悪化し0.78倍でした。
近畿企業業況判断指数 中小改善、建設業の回復に遅れ 【参考資料6】

  帝国データバンク大阪支社の発表(6日)によると、近畿2府4県の7月の景気判断指数は前月  より2.4ポイント改善し、47.1でした。中小企業が46.2と2.5ポイント改善しており、  景気回復が中小企業にも波及してきたことをうかがわせる結果となっています。ただし、業種別で  見ると「建設」は38.5と低水準でした。
京阪神地区百貨店売上高 2カ月連続減

   近畿百貨店協会の発表(16日)によると、7月の京阪神地区の百貨店売上高は、前年同月比1.4%減の1631億円で、2カ月連続して前年実績を下回りました。景気回復感が個人の財布をゆ  るめるまでにはいかなかったことを裏付けた格好とだとしています。



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