近畿地方整備局情報 第11号     発行:近畿地方整備局

 平成16年12月発行


11月の主要行事結果
11月 1日
緊急フォーラム「巨大災害時代を生きる」を開催(大阪市)
  頻発する自然災害への備えを探る緊急フォーラム「巨大災害時代に生きる」を大阪商工会議所国際会議ホールで開催し、約500名が参加しました。第一部は、土岐憲三立命館大学教授による「大地震と文化財」と題した講演、第二部では、江崎丈読売新聞大阪本社編集局次長をコーディネーターに、土岐憲三立命館大学教授、国際政治・軍事アナリストで危機管理総合研究所長の小川和久さん、読売テレビアナウンサーの植村なおみさん、藤本貴也近畿地方整備局長により「大規模自然災害と危機管理」と題したパネルディスカッションを行い、台風23号による水害や新潟県中越地震などの事例から災害対策のあり方などを議論しました。
11月 5日 「地域発・歩行者向けITSの可能性を探る」シンポジウム(大阪市)
 都市再生など都市・地域づくりに果たす歩行者向けITSの役割とその可能性について考える「都市再生へ 地域発・歩行者向けITSの可能性を探る」シンポジウムが大阪市内で開催されました。第一部は、足立敏之近畿地方整備局企画部長による「自律的移動支援プロジェクトについて」をはじめとする講演、第二部では、中野秀男大阪市立大学学術情報総合センター副所長をコーディネーターに、濱井龍明(株)KDDI技術開発本部部長、内田敬大阪市立大学大学院工学研究科助教授、社会福祉法人プロップステーション理事長の竹中ナミさん、竹村奉文松山市産業経済部地域経済課長、山本剛近畿地方整備局企画部復興事業調整官による「歩行者向けITSの行方 その可能性を探る」と題したパネルディスカッションを行いました。
11月 9日 滋賀で景観創造フォーラム開催
 景観の大切さを認識し、まちづくり、地域づくりに活かしていくために、「守り、育み、生かそう、湖国の美しい景観」をコンセプトとして、「景観創造フォーラム」をひこね市文化プラザ エコーホールで開催しました。第一部は、西川幸治滋賀県立大学学長による「湖東にみる地域の伝統・地域の景観」と題した基調講演、第二部では、松岡拓公雄滋賀県立大学環境科学部教授をコーディネーターに、中島一彦根市長、近藤隆二郎滋賀県立大学環境科学部助教授、淡海文化を育てる会の岩根順子さん、建築家・計画工房代表で京都橘女子大学大学院講師の戸所岩雄さん、須見徹太郎近畿地方整備局企画調整官による「みち〜街道と城下町の景観保全と活用〜」と題したパネルディスカッションを行いました。フォーラムは11月16日に高島町生涯学習センター・ガリバーホールでも行いました。
11月11日 第3回先端技術活用懇談会(大阪市)
 先端技術の建設分野への活用の可能性を探るため京都大学国際融合創造センターと意見交換を行いました。宗本順三京都大学大学院工学研究科教授及び西山哲京都大学大学院工学研究科助教授から「先端技術に関するシーズの紹介」をしていただいた後、大津宏康京都大学国際融合創造センター教授、角哲也京都大学大学院工学研究科助教授、金多隆京都大学国際融合創造センター助教授にも参加していただき、今後の新技術活用のあり方について意見交換を行いました。
11月13日 「熊野古道ウォーキング」〜俳句で発信!未知普請のこころ
 今年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されたことを記念し、「世界遺産『熊野古道ウォーキング』〜俳句で発信!未知普請のこころ〜」を約150人の参加を得て那智勝浦町で開催しました。第一部は、吟行会〜黛まどかさんと共に「熊野古道の魅力」を俳句に詠む〜、第二部では、水墨画家、作家の東野光生さん、谷口博昭国土交通省道路局長による講演、作家の神坂次郎さん、俳人の黛まどかさん、藤本貴也近畿地方整備局長による「未知普請と熊野古道」と題した座談会を行いました。
11月13日 大和川付け替え300周年を記念する特別記念講演会(大阪市)
大和川が付け替えられて300周年を迎えたことを記念して、作家の堺屋太一さんをお招きし「未来への挑戦!KANSAI・大和川」と題した講演を大阪商工会議所(国際会議ホール)で約700人の参加を得て行いました。
11月16日 「自律的移動支援プロジェクト」に関するシンポジウム(東京都)
東京大学大学院情報学環・学際情報学府学際情報学専攻が「次世代ユビキタス情報社会基盤形成」のテーマで本年度の文部科学省「21世紀COEプログラム」に採択されたことを記念するとともに、今後の「自律的移動支援プロジェクト」の展開について理解を頂くため、11月16日に東京大学大講堂(安田講堂)で「21世紀COE次世代ユビキタス情報社会基盤形成〜第2回シンポジウム:自律的移動支援プロジェクト〜」を開催しました。第一部は、坂村健東京大学大学院情報学環副学環長・教授による基調講演、第二部では、藤本貴也近畿地方整備局長による「神戸実証実験の展開について」と題した講演、第三部では、坂村健東京大学大学院情報学環副学環長・教授、川嶋弘尚慶応義塾大学教授、大石久和(財)国土技術研究センター理事長によりパネルディスカッションを行いました。
11月17日 「公共建築の日」及び「公共建築月間」記念フォーラム(精華町)
 「公共建築の日(毎年11月11日)」及び「公共建築月間(毎年11月)」を記念して、「『国立国会図書館関西館』完成までの軌跡」と題したフォーラムを国立国会図書館関西館で開催しました。第一部は、国立国会図書館関西館の事業紹介、施設見学、第二部では、関西館工事における国土交通省の取り組みの紹介や、関西館の設計者である陶器二三雄さんによる「国立国会図書館関西館を語る」と題した講演を行いました。
11月18日 関西文化学術研究都市10周年記念式典(精華町)
 関西文化学術研究都市が都市びらきして10周年を迎えたことを記念し、けいはんなプラザにおいて、関西経済連合会の秋山会長、京都府知事、大阪府副知事、奈良県知事の他、来賓として国土交通省の三澤国土交通審議官、京都大学の尾池総長などの方々が参加して記念式典が開催されました。式典では、「関西文化学術研究都市10年の歩み」と題したビデオ上映、同都市における文化活動に貢献した市民の方々への感謝状贈呈、けいはんなフィルハーモニー管弦楽団による演奏、兵庫県立大学の鈴木副学長による「これからの関西文化学術研究都市について」と題した講演等が行われました。
11月20日  ミュージカル「みちぶしん」公演
 「劇団ふるさときゃらばん」によるミュージカル「みちぶしん」が、11月20日に和歌山県上富田町で、11月21日に西宮市民会館アミティホール、11月24日に奈良県文化会館国際ホール、11月25日にひこね市文化プラザで公演されました。
11月25日 近畿の港湾空港技術を考えるセミナー(神戸市)
 近畿の港湾・空港整備への取り組みにあたって、東南海・南海地震対策をはじめとした技術課題について議論を深めて頂く「近畿の港湾空港技術を考えるセミナー」を神戸市産業振興センターで開催しました。第一部は、土木学会等の技術賞の受賞報告、第二部では、神戸港湾空港技術調査事務所の取り組みについての報告、第三部では、大阪ガスエネルギー・文化研究所(CEL)客員研究員の弘本由香里さんによる「生活・文化資源としての海辺再考」、神吉和夫神戸大学工学部建築学科助手による「土木史から見た近代都市神戸のまちづくりと港」と題した講演を行いました。
11月30日  防災新技術フェア(神戸市)
 阪神・淡路大震災を契機に、産・学・官一体となって「防災・環境新技術研究会」を設立し、防災ならびに環境に関する新しい技術やアイデアを発掘する「防災・環境新技術テクノコンペ」を実施してきました。今回、阪神・淡路大震災10周年を記念して、その中の優れた作品を紹介する「防災新技術フェア」を神戸の阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター 防災未来館」で11月30日から12月19日まで開催しています。
12月の主要行事予定

12月 1日  技術の伝承に関する懇談会(大阪市)
 技術の向上と伝承を図るため、民間企業の人材育成の専門家の方に講演をして頂き、その後、意見交換を行う「技術の伝承に関する懇談会」を開催します。12月1日は、三菱重工(株)の伊藤輝彦人材開発グループ長を、12月17日には、松下電器産業(株)の山添祥則人材開発カンパニーコーポレート技術研修センター所長をお招きして意見交換をいたします。
12月 2日  PFIセミナー(大阪市)
 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)事業の推進を図るため、地方公共団体、民間企業等の方々を対象とした「平成16年度PFIセミナー」を大阪市内のドーンセンターで開催します。西野文雄政策研究大学院大学教授をコーディネーターに、鈴木恵一日本政策投資銀行関西支店企画調査課長、灰谷辰雄西松建設関西支店開発部長、松本浩国土交通省総合政策局政策課政策企画官によるパネルディスカッションを行います。
12月14日  公開シンポジウム「都市を災害から守る」(大阪市)
地震のメカニズムや地震に伴い発生する津波の特徴等を多くの方々に知っていただき、阪神淡路大震災の教訓を活かしながら、来るべき東南海・南海地震に備えて頂くための公開シンポジウム「都市を災害から守る〜阪神淡路大震災を原点として〜」を大阪市中央公会堂大ホールで開催します。
12月14日  コンクリート品質向上フォーラム(大阪市)
丈夫で美しく長持ちするコンクリートづくりのための方策を模索し、そしてモラルの向上への気運を高めるための「コンクリート品質向上フォーラム」を大阪国際交流センターで開催します。第一部は、宮川豊章京都大学大学院工学研究科教授による「コンクリートに関する最近の話題」と題した基調講演、第二部では、関係機関の取り組み事例等の発表、第三部では、宮川豊章教授をコーディネーターにパネルディスカッションを行います。
事務局から
 「近畿地方整備局情報」と管内市町村長へのメールマガジン「近畿ゆめ通信」を 掲載したホームページは http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/maga/index.html です。 「近畿地方整備局情報」等についてのお気づきの点やアドバイス等がありましたら、近畿地方整備局担当部または広報広聴対策官までお願いします。
(広報広聴対策官 森山 内線2117)

 

最近の近畿の経済動向
企業倒産件数9カ月連続減【参考資料1】

 東京商工リサーチの発表(12日)によると、10月の近畿2府4県の企業倒産(負債額1千万円以上)は、前年同月比15.5%減の284件で、9カ月連続で前年同月を下回りました。負債総額はゴルフ場経営会社を中心に、負債額百億円以上の超大口倒産が6件発生し、同7.3%増の4013億16百万円で、10月としては過去20年間で最悪でした。全国では、倒産件数は1124件(17.8%減)、負債総額は7864億67百万円(7.7%減)でした。
公共工事請負額 6カ月連続減

西日本建設業保証の発表(11日)によると、10月の近畿2府4県の公共工事請負額は前年同月比30.6%減の1,361億円で、6カ月連続の減少、件数も同14.9%減の3,171件といずれも減少しました。これは、すべての発注者で前年実績を下回ったためとしています。4月から10月までの累計でも前年同期比で14.2%減の9681億円でした。これは、1985年(9684億円)と同水準です。
マンション発売 2カ月連続前年超   【参考資料2】

 不動産経済研究所の発表(15日)によると、10月の近畿2府4県のマンション発売戸数は前年同月比4.8%増の3300戸と、2カ月連続で前年実績を上回りました。戸数の多い大阪市内が23.4%と大きく伸び、全体を押し上げました。契約率は前年同月比1.2ポイント低下したものの78.1%で、好不調の目安となる70%を大幅に上回りました。大阪市内では86.3%と高契約率でした。同研究所は「大阪市中心部への一極集中がさらに進んだ」と指摘しています。ちなみに、首都圏では、マンション発売戸数は、前年同月比20.8%増の8140戸、契約率は同1.6%減の74.7%でした。
街角景気 3カ月連続悪化 【参考資料3】

 内閣府発表(9日)の近畿の10月の景気ウオッチャー調査によると、3カ月前と比べた景気の現状判断指数は、前月を1.0ポイント下回る48.7となり、3カ月連続で低下しました。全国でも前月を0.9ポイント下回る46.4となり、3カ月連続の低下で、前月に続き横ばいを示す50を下回りました。台風や地震など自然災害の影響で飲食や小売り関連の来客数が低迷して景況感が悪化し、製造業では原材料価格の上昇が響いたとしてます。また、2〜3カ月先の景気を予測する先行き判断指数(全国値)は1.2ポイント低下の48.8で、6カ月連続で前月水準を下回りました。

建設工事受注 全国は2カ月ぶりプラスへ、近畿は3カ月連続増 【参考資料4】

 国土交通省が発表(10日)した建設工事受注動態調査によると、建設業者の9月の工事受注高は、全国で総額5兆9863億円と、前年同月に比べ4.0%増となり、2カ月ぶりにプラスに転じました。このうち元請受注高は5.6%増の4兆3125億円でした。元請受注高のうち公共機関からの受注高は1兆4866億円(6.6%減で22カ月連続でマイナス)、民間からの受注高は2兆8258億円(13.4%増で5カ月連続の増加)でした。近畿2府4県の工事受注高は1兆1364億円(14.4%増)、元請受注高は12.1%増の8494億円、この内、公共機関は14.9%減の1798億円、民間は22.6%増の6696億円でした。
近畿の失業率 3カ月連続改善 有効求人倍率も 上昇 【参考資料5】

 総務省の発表した10月の近畿(2府4県)の完全失業率(季節調整前の原数値)は、5.2%と前月より0.3ポイント改善し、3カ月連続の改善となり、前年同月比でも1.1ポイント改善となっています。同省は「デジタル家電やアジア向け輸出が好調で、完全失業者が減っていることが指数改善に貢献している」としています。厚生労働省が発表した10月の近畿(2府4県)の有効求人倍率(季節調整値)は0.82倍と、前月より0.05ポイント上回り、バブル経済末期の92年8月以来、12年2カ月ぶりの高水準となりました。全国は、完全失業率(季節調整値)は4.7%で、前月より0.1ポイント悪化し、有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.04ポイント上昇し、0.88倍でした。
近畿企業業況判断指数 やや悪化【参考資料6】

 帝国データバンク大阪支社の発表(8日)によると、近畿2府4県の10月の景気判断指数は前月より0.7ポイント悪化し、45.0でした。原油価格高騰と為替リスクに警戒感が強く、大企業が1.3ポイント悪化しました。



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