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◇◆ 近畿ゆめ通信 第9号 ◇◆
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◇◆本メールマガジンは、近畿地方整備局管内の市町村長様を
はじめ、日頃から当局にご指導等をいただいています団体、
個人の方々に 送信させていただいております。
皆様からのご意見ご感想をお待ちしています◇◆
yume-tushin@kkr.mlit.go.jp
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2003年11月10日
目 次
1.流域と人々の暮らし
近畿地方整備局 副局長 山田 勉
2.産業、港湾の国際競争力の強化について
近畿地方整備局 港湾空港部長 中村信之
3.事務局からのお知らせ
・公共事業批判に対する論文を大石技監が発表
・堺屋太一氏と谷口近畿地方整備局長との対談
・近畿地方整備局の広報の取り組み
・「近畿ゆめ通信」への投稿のお願い
・今後の近畿地方整備局関連の主要行事
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流域と人々の暮らし
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近畿地方整備局副局長の山田 勉です。
今年も紅葉の季節がやってきました。四季の移ろいの速さには驚くばかりです。
今年の夏に有吉佐和子の『紀ノ川』を読みました。
和歌山市出身の作者が昭和34年に 発表した作品で、彼女の代表作の一つなので読まれた方も多いと思います。
昨年赴任してから気になっていた小説です。
読み進むにつれて 一時代前の我が国の農村社会を描いた、例えば長塚節の『土』や伊藤左千夫の『野菊の墓』などに何となく一脈相通ずる独特な郷愁を覚えた次第です。
作品は、女主人公「花」を中心に母娘三代の生き様を明治、大正、昭和の時代背景や紀の川流域の風俗習慣を織り交ぜながらつづったもので、期待に違わず素晴らしい小説でした。とりわけ、流域に暮らす人々が川と向き合い、時代の波にさらされながら、たくましくそしてしなやかに生きていく様子は感動的です。
「花」が生まれ育った九度山から下流部の六十谷(むそた)に舟で嫁入りする冒頭の情景、紀の川氾濫時の人々の闘い、紀の川から灌漑用水を引こうとする人々の努力、そして平時に静かに青く流れる紀の川の美しさを語る場面など切っても切れない流域と人々の暮らしが生き生きと表現されています。
現在、淀川水系を始め近畿各地の水系で「流域委員会」が開催され、今後20年〜30年間の河川の整備や保全・利用について各界各層から幅広い活発な議論を頂いております。
川を見つめ直す絶好の機会だと思います。その際重要なことは、いずれの河川であれその流域の先人たちが英知を結集し力を合わせながら時には力強く敢然と時には優しく慈愛の心をもって営々と川とつき合ってきた事実を今一度思い起こすことではないでしょうか。
川は悠久の存在です。
それに比べ個々の人間は小さな存在ですが、過去、現在、未来に亘って知恵と経験をきちんと継承していくことにより初めて川とうまく共存できると考えます。
現在を生きる人々の知恵と経験が少なからず後世の人々の役に立ち評価されるよう実り多い議論を期待しております。
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産業、港湾の国際競争力の強化について
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港湾空港部長の中村信之です。
近畿管内の港湾、空港の整備を担当しています。
近年、我が国産業の国際競争力低下が大きな問題となっています。
これまでに多くの産業が我が国における高コストの状況を嫌い、また成長著しい市場を求めてアジアをはじめ海外に出て行きました。
一方、これらの国々からは日常の生活、消費物資が毎日大量に輸入されています。
近畿圏には大阪湾沿岸部をはじめ各地域に多くの産業が立地し東京圏と並ぶ核を形成しています。
圏域の産業の国際競争力の低下は国家経済の致命傷となり国民生活の質の低下急落につながりかねません。
一方港湾の分野においても香港、シンガポールをはじめとするアジア諸港の台頭は著しく我が国港湾の相対的地位は低下の一途です。
余りにも強かった日本企業を標的とした日本バッシングは古き良き時代のことであり、現在は、船が日本に立ち寄らず通過してしまう日本パッシングの懸念が大きいのです。
物流の面でも空洞化は起こりつつあるのです。
現在、日本を代表する神戸港、大阪港ではコスト、スピード、安全性、信頼性において国際水準の物流サービスが提供できるよう様々な取り組みが進められています。
このような取り組みの支援策として国はいわゆるスーパー中枢港湾において先導的・実験的施策を展開することとしてます。
対象港の最終選定は年度末までに予定されています。
港湾について日常の生活ではその働きを直接意識することはあまりないかもしれません。
とりわけ港から遠く離れた地域ではその存在をあまり意識することがないかもしれません。
一昨年から、神戸港をモデルに小中学校の総合学習の時間に活用いただけるよう港の働きについての資料作りを行っています。
今年は神戸市内の小中学校の先生方に直にコンテナターミナル、倉庫、荷役状況などを見学していただきいろいろご意見を頂きました。
港湾所在市町村のみならず多くの皆様からご利用いただければと思っています。
近畿地方整備局のホームページ港湾空港部からお入りください。
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事務局からのお知らせ
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◇公共事業批判に対する論文を大石技監が発表
11月10日発売の「中央公論」12月号に、国土交通省の大石久和技監の「本当に公共事業は悪役なのですか」と題した論文が掲載されました。
この論文では、「公共事業に対し、誹謗中傷ばかりが飛び交っているが、今本当に必要なのは、これからどういう国土をつくるべきかという根本的な議論であり、
その議論が忘れ去られている」という点を主題として、本来公共事業があるべき姿が、次のような流れで論じられています。
1)公共事業批判、その態様と事実関係
2)公共事業批判の混迷がもたらしたもの
3)公共事業の理念の再構築
4)「制度」と「装置」
公共事業について改めてお考えいただくため、ぜひ一読いただければと思います。
◇堺屋太一氏と谷口近畿地方整備局長との対談
元経済企画庁長官で作家の堺屋太一氏と谷口近畿地方整備局長が、(社)日本土木工業協会関西支部の企画により対談し、その模様が11月1日発行の当協会関西支部の広報誌「しびる」に掲載されました。
対談では、近藤美津枝氏の司会のもと、新しい社会が求めるまちのあり様や、
公共事業の方向性について熱っぽく語っていただいています。
これについても、ぜひ一読いただければと思います。
「しびる」をお求めの方は、お近くの近畿地方整備局の事務所または近畿ゆめ通信事務局にご連絡下さい。
◇ 近畿地方整備局の広報の取り組み
近畿地方整備局では、近畿地方の社会資本整備や各地域で行っている事業等
についての広報を様々な方法で行っています。
これらの広報活動は、近畿地方整備局の事業について知っていただく(説明責任)とともに、皆様方からご意見をいただき、可能なものについては極力事業に反映させようということで行っているものです。
広報の内容は、近畿地方整備局等のホームページや、
http://www.kkr.mlit.go.jp/
記者発表によりマスコミを通じて皆様方にお知らせしています。
(記者発表内容は、ホームページに記載しています。)
また、「河川愛護月間」や「道路ふれあい月間」などの機会にも、各種イベントを行うとともに、テレビ、新聞、ラジオ等でも様々な情報をお知らせしています。
その一環として、現在、近畿地方整備局の各種情報を、「きんき1週間」(ラジオ大阪16時48分頃から)と題して、ラジオでもお知らせしています。
その他、皆様のご要請があれば、しかるべき担当の者が説明に伺うという「出前講座」もいろいろと用意しておりますので、近畿ゆめ通信事務局あるいは事務所長にご連絡下さい。
なお、11月18日は「土木の日」です。
近畿地方整備局はもちろん、土木学会や関係団体も各種催しものを計画しています。ぜひ皆様も参加、体験してみて下さい。
◇ 「近畿ゆめ通信」への投稿のお願い
本メールを受信していただいている方々のご意見等、投稿をおまちしています。
また、先のラジオ放送「近畿1週間」へのご出演も大歓迎です。
どしどしご応募ください。
◇ 「近畿ゆめ通信」の受信は、できましたらメールにて
お願いします。
これまでの定期的な 「近畿ゆめ通信」の配信だけでなく、新鮮なニュース等も
逐次報告させていただきたいと考えています。
現在FAXで受信していただいておられます機関で、メール受信が可能な場合には、迅速性等を確保するため、できるだけメールに切り替えていただければ幸いです。
◇ 今後の近畿地方整備局関連の主要行事
11月 公共建築月間
11月11日 公共建築の日
大阪-イタリア・ロンバルデ゙ィア州友好提携一周年記
念 シンポジウム(大阪市)
12日 事業評価監視委員会(大阪市)
13日 ショートストーリーコンテスト表彰式(大阪市)
全国不動産会議(大阪市)
土地区画整理大会(大津市)
14日 土木の日シンポジウム(京都市北文化会館)
15日 (財)琵琶湖・淀川水質保全機構10周年記念シンポ
ジウム
18日 入札監視委員会(大阪市)
26日 港湾整備振興全国大会(東京)
公共建築とまちづくりフォーラムin2003(大阪市)
27日 京都労働局新庁舎落成式(京都)
27日〜28日 建設技術展2003きんき
(大阪市 マイドームおおさか)
30日 一般国道165号「大和高田バイパス」高架部開通
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◇◆ 発行 ◆◇
◇◆ 近畿ゆめ通信 事務局 ◆◇
◇◆ ◆◇
◇◆ 電話 06(6942)1141 ◆◇
◇◆ 内線 2117:青木 3112:須見 ◆◇
◇◆ ファックス 06(6942)7463 ◆◇
◇◆ メール yume-tushin@kkr.mlit.go.jp
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