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◇◆   近畿ゆめ通信 第79号   ◆◇
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◇◆  本メールマガジンは、近畿地方整備局管内の市町村長様をはじめ、
     日頃から当局にご指導等をいただいています団体、個人の方々に
     送信させていただいております。
     皆様からのご意見ご感想をお待ちしています
              yume-tushin@kkr.mlit.go.jp          ◇◆
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                        2007年3月12日
目 次
 
 1.「自由競争のもたらす功罪」      
      近畿地方整備局  副局長   片桐 正彦

 2.「平成19年度から新たな体制でスタートします」
      近畿地方整備局  総務部長  小関 正彦
       
 3.催し物のご案内 
       
    ◇シンポジウム「にぎわいと潤いあふれる”みなとまち”へー尼崎運河の
     活用を考えるー」の開催

 4.最近の動き

    ◇産・学・官の連携で都市と地域の未来をひらく、「第4回新都市社会技
     術セミナー」の開催
    ◇平成18年度 第2回近畿防災・危機管理研究会の開催
    ◇平成18年度第3回近畿地方整備局事業評価監視委員会の開催
    ◇「淀川舟運懇談会」の開催
    ◇「国際物流フォーラム」の開催
    ◇講演会〜近畿地方整備局業務継続計画の策定に向けて〜の開催
    ◇第1回国土形成計画シンポジウム〜近畿の未来に向けたチャレンジ〜の
     開催
    ◇「京奈和自動車道大和北道路シンポジウム〜世界遺産都市ならのみちづ
     くりを考える〜」の開催

 5.今後の近畿地方整備局関連の主要行事
  
 6.事務局からのお願い


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   自由競争のもたらす功罪
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 副局長の片桐正彦です。
 
 今の時代、規制は極力無くす方向が是とされている。しかし、郊外に大規模なシ
ョッピングセンターが出来ることで地方都市の町中の商店街が次々に寂れていくの
は、郊外への出店に対して何らかの規制をしない限り止められないのも事実である。
 最近読んで興味深かった本に「あなたのTシャツはどこから来たのか?」(東洋
経済新報社 2007年1月発行)というのがある。米国の国際経済・金融の専門
家である女性の学者が、Tシャツの原料である綿花の栽培から製綿、縫製、流通、
販売、そして廃棄されてから後、再び古着として流通、販売されるという課程を詳
細に追いながら、その流れの背景にある様々な通商規制、各国の産業政策、そこに
関与している企業の厳しい競争について明快に解き明かしてくれている。
 たかがTシャツ1枚と言いながら、米国→中国→米国→アフリカとはるばると長
い旅を繰り返すことで世界中の産業や人々の生活に密接に関係していることが良く
わかる。その背景には、コンテナによる大量低廉な輸送システムにより輸送コスト
の障壁が取り除かれたことと、インターネットの発達により世界中から情報を簡単
に収集できることがある。
 でも一番考えさせられるのは、米国の繊維産業保護政策が実はパキスタンやフィ
リピンなど中小の国々から米国へ輸出する機会を与えてくれていて、規制を外した
途端に中国に席巻されてしまうという事実である。結局、多様性を確保しようとす
れば単純な自由競争社会ではうまくいかないのであろうか。


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   平成19年度から新たな体制でスタートします
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 総務部長の小関正彦です。

 近畿地方整備局の平成19年度からの新たな組織と取り組みについてご紹介しま
す。
 まず、『近畿圏広域地方計画推進室』が設置されます。平成17年12月に施行
された国土形成計画法に基づいて、近畿の将来の国土計画について協議する「近畿
圏広域地方計画検討会議」の初会合が関係する国の機関、府県・政令市、経済団体
等が参画して、昨年の12月26日に開催されました。冬柴国土交通大臣からは「
近畿は歴史、文化に恵まれた地域。英知を絞ってすばらしい地域を切り開いてほし
い」とのご発言がありました。各委員からの意見を踏まえて、平成20年中頃の広
域地方計画決定に向けて検討が進められます。
 そこで、4月から推進室を設置して、この広域地方計画の策定に向けて、関係機
関との連携等の執行体制を強化します。推進室は、近畿地方整備局企画部及び建政
部並びに近畿運輸局企画観光部が協力して運営します。
 次に『建設業法令遵守推進本部』が設置されます。建設投資が減少し競争が激化
する中で、一括下請負、監理技術者等の専任義務違反、名義貸し、下請業者へのし
わ寄せなどの法令違反が大きな問題になっています。これらの法令違反に対してよ
り一層対応を強化して工事の品質確保や建設業に対する国民の信頼回復を図ってい
かなければなりません。工事現場への立入り等は平成14年度から取り組んできま
したが、今回立入り調査件数を大幅に増やすなど取組みを強化します。そこで、4
月から推進本部を設置し、その下に「建設業法令遵守指導監督室」を設けます。ま
た、「駆け込みホットライン」を設置して法令違反通報を積極的に収集し、その情
報に基づき立入り検査等を行います。
 また、『建築安全課』が設置されます。国民の建築物などへの不安感・不信感を
増大させた構造計算書偽装問題を契機として、早急に安全・安心な建築物が供給さ
れる環境を整備するために建築基準法・住宅品質確保法に基づく指定確認検査機関、
登録住宅性能評価機関や建築士等に対する指導監督を強化することが喫緊の課題と
なっております。そのため、建築基準法等の法令違反の疑いのある事案や多発する
事故・トラブルに関する情報収集等を円滑に実施し、住宅・建築物の安全・防災対
策等を強力に推進しなければなりません。そこで、4月から建築安全課を設置して、
近畿地方整備局長指定・登録の指定確認検査機関や登録住宅性能評価機関に対する
指導監督を強化し、また、建築物に関する事故・トラブル対応に対しても迅速化を
図っていきます。
 今後とも近畿地方整備局に課せられた使命を果たすべく努力してまいります。 


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   催 し 物 の ご 案 内
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◆シンポジウム「にぎわいと潤いあふれる”みなとまち”へー尼崎運河の活用を考
 えるー」の開催

 運河クルーズや遊歩道の整備などによる人々のにぎわいの場として、また災害時
の避難、復旧、復興における役割などを考えるシンポジウムを開催します。
 参加費は無料ですが、事前の申し込みが必要になります。お早めにお申し込みの
うえ、是非ご参加下さい。

日 時:3月21日(水・祝) 13:30(開場13:00)〜16:20
場 所:ホテルニューアルカイック(兵庫県尼崎市)

プログラム
・基調講演〜共生の時代のまちづくり〜
  講師:黒川紀章(建築家)
・パネルディスカッション 〜尼崎運河の活用を考える〜
  パネリスト:
     篠崎由紀子(尼崎21世紀の森づくり協議会委員)
     武井  彰(尼崎青年会議所理事長)
     松本 泰則(尼崎港振興促進協議会副会長)
     高松  亨(港湾空間高度化環境研究センター専務理事)
     中尾 成邦(国土交通省港湾局長)
  コーディネーター:
     立原 啓裕(タレント)

(問い合わせ先:神戸新聞社広告局業務推進部「尼崎運河シンポジウム」係)
        FAX:078−361−7802)

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      最 近 の 動 き
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◆産・学・官の連携で都市と地域の未来をひらく、「第4回新都市社会技術セミナ
  ー」の開催

 2月27日、産学官の連携・協力により道路等の社会資本の整備、維持、管理に
関する新技術等について研究・普及を進めている「新都市社会技術融合創造研究会」
の活動の一環として、各研究プロジェクトの研究成果を発表する「第4回新都市社
会技術セミナー」を大阪市内で開催しました。
 プログラムは、各プロジェクトチームの研究報告(5テーマ)と新規プロジェク
ト紹介(6テーマ)の他、特別講演として、産・学・官の代表者三名(学:大西有
三京都大学大学院工学研究科教授、産:樋口一義日本道路建設業協会関西支部長、
官:藤森弘近畿地方整備局道路部長)による鼎談「品確法時代を迎えた産学官連
携を考える」、及び吉田和男京都大学経営管理大学院長による「講評」があり、約
330名の参加がありました。
       【道路部 道路工事課長 大西 博】

◆平成18年度 第2回近畿防災・危機管理研究会の開催

 2月28日、大阪市内において「第2回近畿防災・危機管理研究会」を開催しま
した。
 本研究会は、近畿の防災機関の連携や防災に関する知見の共有を目的としていま
す。
 今回は、災害現場での報道を経験された神戸新聞及びMBC南日本放送の記者を
お招きし、災害報道の課題や行政への期待を語って頂くとともに、NHK解説委員
で大妻女子大学教授の藤吉洋一郎氏には、災害報道がどう変わってきたのか、今後
どうなるのかをお話し頂きました。
 講演後には、報道と行政との連携の必要性や普段からのコミュニケーションの重
要性などについて、講師と聴講者との間で活発な議論が行われました。
       【企画部 防災課長 吉村 元吾】

◆平成18年度第3回近畿地方整備局事業評価監視委員会の開催

 3月1日、大阪市内において、事業評価監視委員会(委員長:吉川和広京都大学
名誉教授他9名の学識者から構成)を開催しました。事後評価:営繕事業1件(大
阪税関南港出張所コンテナ検査センター開披検査場)、再評価:道路事業3件(一
般国道9号笠波峠除雪拡幅・一般国道25号斑鳩バイパス・一般国道42号田辺西
バイパス)の審議をしていただき、事後評価:営繕事業1件については、「対応方
針案(当初計画の目的を概ね達成しており改善措置の必要性はない)通りでよい」、
再評価:道路事業3件については、「対応方針案(事業継続)通りでよい」と判断
をいただきました。なお、一般国道25号斑鳩バイパスについては、「今後の整備
を進めるにあたっては、より地元地域の景観・環境との調和をはかるとともに、バ
イパス事業と平行して現道の国道25号の環境改善にも努められたい。」という意
見を併せていただきました。
       【地方事業評価管理官 久保田 一】

◆「淀川舟運懇談会」の開催

 3月2日、ホテル京阪京橋において、淀川の舟運復活・活性化に向け、今後どの
ような取り組みが必要であるかを考えていく「淀川舟運懇談会」を開催しました。
 懇談会では、近畿地方整備局と近畿運輸局より舟運に関する取り組み等の紹介の
後、大阪府立大学大学院教授の増田昇氏をコーディネーターに、実際に淀川で舟運
に携わっている 山田一信(大阪水上バス代表取締役)、一本松英三(一本松海運
営業部課長)、伴一郎(大阪小型旅客船運航研究会代表)、生田末治(財団法人大
阪21世紀協会シニアプロデューサー)、栗原正夫(淀川舟運整備推進協議会(枚
方市理事))、永山惠一郎(伏見夢工房観光担当部長)、高崎邦子(JTB西日本
広報室長)から、それぞれの活動について発表して頂いた後、行政関係者を交えて
活発な意見交換を行いました。
      【企画部 広域計画課長 山本 清二】

◆「国際物流フォーラム」の開催

 3月2日、大阪市内で「国際物流フォーラム 関西一丸!〜アジアとともに更な
る飛躍を〜」を開催しました。
 国土交通省国土計画局小野憲司計画官による「国土形成計画と国際物流」と題し
た基調講演があり、近畿地方整備局片桐正彦副局長、流通科学大学林克彦教授、(
財)環日本海経済研究所三橋郁雄特別研究員、御坊商工会議所吉田擴会頭からの海
外調査結果等の各方面からの報告に続き、活発な討論がなされました。
 参加者は、約260名にのぼり、関空の完全24時間化を活かした国際物流拠点
の構築、国際物流に関する実行力のあるシンクタンクの設立、大阪湾は一つ一つで
はなく一つである等の意見が出されました。
      【港湾空港部 港湾計画課長 上原 修二】

◆講演会〜近畿地方整備局業務継続計画の策定に向けて〜の開催
 3月6日、大阪合同庁舎第一号館第1別館において、近畿地方整備局職員を対象
に「近畿地方整備局業務継続計画の策定に向けて」の講演会(参加者約90名)を
開催しました。
 京都大学経済研究所・丸谷浩教授から「業務継続計画の必要性、普及促進につい
て」と題して、従来の防災の考え方と業務継続計画の特徴について、また、計画策
定の取組みのための体制づくりや、定期的な計画の見直しの重要性などについて語
って頂きました。
      【企画部 防災対策官 中村 則之】

◆第1回国土形成計画シンポジウム〜近畿の未来に向けたチャレンジ〜の開催

 3月9日、近畿圏の将来像を描く「近畿圏広域地方計画」について幅広い議論を
行うため、そのキックオフとなるシンポジウムを藤野公孝国土交通大臣政務官、近
畿圏広域地方計画の検討を進めている「近畿圏広域計画検討会議」の会長である関
西経済連合会の秋山会長等の出席のもと大阪市内で開催しました(参加者約480
名)。
 基調講演では、国土審議会計画部会長を務められている政策研究大学院大学の森
地茂教授より「国土形成計画の意義と広域地方計画への期待」と題して講演をいた
だき、またパネルディスカッションでは、サントリーの狭間恵美子さんをコーディ
ネーターとし、森地教授のほか、国際日本文化研究センターの千田稔教授、大阪市
立大学の橋爪紳也教授、東洋紡績の津村準二会長、近畿地方整備局の布村局長をパ
ネリストとして、文化・都市・経済などの面から近畿圏の将来像について論じてい
ただきました。
      【企画部 広域計画課長 山本 清二】

◆「京奈和自動車道大和北道路シンポジウム〜世界遺産都市ならのみちづくりを考
  える〜」の開催

 3月11日、奈良市内において、大和北道路の計画を進める上で、広く計画を周
知するとともに、世界遺産都市ならにおけるみちづくりのあり方について識者の方
々に議論して頂くシンポジウムを開催しました。合わせてパネル展示も行い、約5
20名の方の参加がありました。
 シンポジウムは、田辺征夫(奈良文化財研究所所長)による「平城京と道路〜開
発と文化財の調和〜」と題しての基調講演の後、大和北道路等の概要を奈良国道事
務所長が説明しました。その後、大西有三(京都大学大学院工学研究科教授)、水
野正好(奈良大学名誉教授)、朝廣佳子(読売奈良ライフ代表取締役)、藤森弘
(国土交通省近畿地方整備局道路部長)にるパネルディスカッションを行い、土木
と文化財の協力関係、文化財の保全と地域づくり、大和北道路についての市民への
周知や道路整備を含めたまちづくりの必要性、世界遺産都市としての地域性を考慮
した総合的交通施策等についてご議論頂きました。
	  【奈良国道事務所長 村田 重雄】

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   今後の近畿地方整備局関連の主要行事
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◆3月17日(土) 永平寺大野道路(永平寺西IC〜永平寺東IC)開通式典の
          開催

          高規格幹線道路「中部縦貫自動車道・永平寺大野道路」のう
          ち、「永平寺西IC〜永平寺東IC間」の開通に伴い、開通
          式典を開催します。
          
◆3月21日(水) シンポジウム「にぎわいと潤いあふれる”みなとまち”へー
          尼崎運河の活用を考えるー」の開催

          運河クルーズや遊歩道の整備などによる人々のにぎわいの場
          として、また災害時の避難、復旧、復興における役割などを
          考えるシンポジウムを開催します。

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 事 務 局 か ら の お 願 い
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 ◎「近畿ゆめ通信」についてのご意見、ご感想、投稿等をお待ちしています。
  より親しまれるメールマガジンとするため、多くの皆様方のご意見やご感想を
  お待ちしています。

 ◎近畿ゆめ通信をメールやFAXにて送信させていただいていますが、
  人事異動等で送信先に変更がありましたら事務局にご連絡ください。


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  次号発行は3月26日の予定です
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「近畿ゆめ通信」を掲載したホームページは
  http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/maga/index.html です。

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