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         ◇◆   近畿ゆめ通信 第90号   ◆◇
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◇◆   本メールマガジンは、近畿地方整備局管内の市町村長様をはじめ、
    日頃から当局にご指導等をいただいています団体、個人の方々に
    送信させていただいております。
     皆様からのご意見ご感想をお待ちしています
                yume-tushin@kkr.mlit.go.jp             ◇◆
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                             2007年8月27日
                                 目   次
 
 1.「今年はすべての発注者が総合評価落札方式に挑戦する年です」
            近畿地方整備局   企 画 部 長  深澤 淳志 

 2.「公共インフラを狙う世界のファンド」      
      近畿地方整備局  港湾空港部長 篠原 正治 

 3.催し物のご案内

   ◇風景街道シンポジウムの開催
 
  4.最近の動き

   ◇道路ふれあい月間(8月)御堂筋一斉清掃の実施
   ◇「北近畿豊岡自動車道早期実現促進大会」と
     シンポジウム「但馬を拓く道づくり」の開催
   ◇神戸開港140年記念シンポジウム「海港都市『神戸』を語る」の開催
 
 5.今後の近畿地方整備局関連の主要行事
  
 6.事務局からのお願い


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 1.今年はすべての発注者が総合評価落札方式に挑戦する年です
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 企画部長の深澤淳志です。                 

 ご存じのとおり、公共調達における「総合評価落札方式」とは、従来からの価格
による競争に代わり、単なる入札価格だけでなく、価格と品質を総合的に判断して、
よりよいものを調達する方式です。国土交通省においては、平成11年より試行が
開始され、年々拡大し、平成19年度、近畿地方整備局発注工事の99%が総合評
価落札方式によるものです。
 公共調達の使命は、国民の税金をお預かりし、国民ニーズに基づき、品質のよい
社会資本を適正な価格で調達することです。これが、いわゆる「発注者責任」とい
われるものです。公共事業改革の流れの中で、入札段階における競争性の向上が論
点の一つとなっていますが、安ければ誰でもいいという単純なものではありません。
社会資本は、長期間、何世代にもわたって使用するものです。品質と値段というト
レードオフの世界の中での判断が求められます。同じ品質ならば、安いに超したこ
とはありませんが、社会資本のように注文生産のものは、通常の商品と違って、そ
の品質がわかるのは、完成してから相当の時間がたってからです。また、いい品質
のものを調達するためには、信頼できる企業に注文する必要があり、当然のことな
がら誰でもいいというわけにはいきません。
 このことを明確に示したものが平成17年4月1日に施行された「公共工事の品
質確保の促進に関する法律(公共工事品確法)」です。この中で、すべての発注者
に対し、発注に際し、競争参加者の技術力を審査することを義務づけています。ま
た、附則で、施行後3年つまり、今年度末にそのフォローアップを行うと定められ
ています。
 そこで、国土交通省は、市町村を含めたすべての公共発注者で、少なくとも今年
度中に1件は「総合評価落札方式」にチャレンジしていただこうとの目標のもとで、
事例集の作成、説明会や研修会の開催(これまでにのべ10回開催、965名参加
)、相談窓口の設置など、関係各府県と協力して市町村の方々の支援を行っていま
す。また、各市町村長さんのところにも個別にご説明に伺っています。
 7月末現在、近畿地方整備局管内の政令指定市を除く市町村218のうち、既に
具体的な実施を予定している自治体が41(全体の19%)、実施を検討中の自治
体が65で合計49%の自治体で前向きに取り組んでいただいています。年度末に
はこれが100%になるように、一層の働きかけを行ってまいりたいと考えていま
す。
 総合評価のやり方も市町村のそれぞれの工事の内容に応じて簡易なもので結構で
す。最低1件やってみようということで、事務的にもそれほど負担にはならないと
思います。
 道路を例にとってもわかるように国民は、国道、県道、市町村道の区別なしに道
路を利用します。どの機関が発注するかに拘わらず、一定の品質確保は公共発注者
の責務です。発注者が連携して、次の世代に引き継ぐ社会資本は、価格だけでなく
品質も優れた者を調達しようというマインドを是非みんなで共有できればと考えま
す。
 特に、関係する市町村長さんの皆様、総合評価落札方式の今年度中の少なくとも
1件の導入に是非前向きに取り組んでいただけるよう心からお願い申し上げます。


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 2.公共インフラを狙う世界のファンド
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 港湾空港部長の篠原正治です。

 数ヶ月前に、外資系投資銀行のマネジングディレクターから、「近畿の港湾や空
港で私たちがお手伝いできる仕事はないか?」と尋ねられた。どういうお手伝いを
したいのか聞いてみたところ、この投資銀行は世界中の港湾や空港のオペレーショ
ンを請け負っていてノウハウを持っているので、日本でも同様な仕事はないかと売
り込みにきたのである。私は、当面近畿ではそのような仕事はないと思うが、我が
国において将来にはそういう動きも出てくるかもしれないと答えた。
 実は、今世界中で公共インフラの管理・運営を民間会社に請け負わせようという
動きが広がっている。そして、そのための投資ファンドが次々と設立されている。
先程ご紹介した投資銀行が、つい最近30億ドル規模の公共インフラ投資ファンド
を募集したところ、倍以上の65億ドルがあっという間に集まったそうである。米
国においてはこれらのファンドが募集した投資総額は何と5000億ドル、すなわ
ち50兆円を超えたと言われている。これらの投資ファンドは鵜の目鷹の目で儲か
りそうな公共インフラを探している。これには世界的な金余りの現象も寄与してい
ると思うが、機関投資家の目は今、公共インフラの管理運営に注目し始めているよ
うだ。
 その理由は至極簡単である。公共インフラの運営・管理は投資家にとって非常に
リスクが少なく、確実な収入が見込めるし、競争相手がほとんどいないから道路や
空港等の使用料金も比較的簡単に値上げできるからである。また、もう一つの大き
な理由は公共インフラを運営している国や自治体の財政が厳しいために、目先の売
却益を活用して国あるいは地方政府の財政難の一時しのぎをしようということがあ
る。しかし、このように公共インフラの管理運営権を民間へ譲渡することが、公共
の福祉の観点または社会経済のあるべき姿から見て本当に望ましいことなのだろう
か、私は大いに疑問に思う。公共インフラは公共の福祉と国・地域の発展のために
活用すべきであり、民間投資家を儲けさせるためにあるのではない。公共インフラ
の整備・管理・運営については民よりも官の方が圧倒的に優れている分野が多い。
従って、道路、港湾、空港などの公共インフラについては、安易に民間に任せるの
ではなく、国や自治体が責任を持ってきちんと管理・運営すべきであると思う。


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 3.催 し 物 の ご 案 内
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◆風景街道シンポジウムの開催

 自然、歴史、文化、風景などをテーマとして、「訪れる人」と「迎える地域」の
豊かな交流による地域コミュニティの再生を目指した、美しい街道空間の形成を目
的に、国土交通省では平成17年以降、日本風景街道戦略会議を開催し、理念・仕
組み・制度についての検討を行なっています。近畿管内においても、「日本風景街
道」の取り組みを拡げるとともに、近畿らしい「風景街道」の掘り起こしの一環と
して、シンポジウムを開催するものです。
 入場は無料です。お申し込みは先着順とし定員になり次第締め切りとなります。

 日  時:平成19年9月5日(水) 14:00〜17:00
 会  場:新大阪ワシントンホテルプラザ

 基調講演:「地域再生のための風景街道
       −資源・主体・物語、そしてまちづくり−」
      宗田 好史(京都府立大学準教授、
            日本風景街道近畿地区研究会委員長)
 座 談 会:
       パネリスト
      イーデス・ハンソン(タレント)
      上村 多恵子(京南倉庫株式会社代表取締役、関西経済同友会幹事、
             日本風景街道近畿地区研究会委員)
      成松 孝   (NPO法人長堀21世紀計画の会理事長)
      森野 美徳  (都市ジャーナリスト、日本風景街道戦略会議委員)
            宮地 淳夫 (近畿地方整備局道路部長)
    コーディネーター
      宗田 好史

 問い合わせ先:近畿地方整備局 近畿幹線調査事務所
        TEL 06−6466−2612


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 4.最 近 の 動 き
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◆道路ふれあい月間(8月)御堂筋一斉清掃の実施

 8月24日(金)に大阪市内の御堂筋(淀屋橋交差点〜三津寺町交差点約2.5km)
で道路ふれあい月間行事として、地元自治会、商店会、沿道の企業、NPO団体、それ
に市内の小学生約30名の計800人の参加をいただき「御堂筋一斉清掃」を実施
しました。
 御堂筋の一斉清掃は、例年8月10日「道の日」に実施していますが、今年は、
世界陸上2007大阪大会が25日から開催され、開幕日に男子、閉幕日に女子が
それぞれ御堂筋をマラソンのコースとしていることから、世界陸上に合わせて開幕
日の前日である24日に清掃を実施しました。
 世界陸上2007大阪大会には、200を超える国の選手、役員の方々が参加さ
れ、世界中でTV中継されるなど国内外の多くの方が熱い戦いを観戦されます。
 内外から注目を浴びるこの機会に、美しい御堂筋、世界に誇れる御堂筋をアピー
ルするため実施した一斉清掃により集められたゴミは、2tトラック1台分にも及
びました。
   【大阪国道事務所長 西野 賢治】


◆神戸開港140年記念シンポジウム「海港都市『神戸』を語る」の開催

 8月25日、神戸港湾事務所主催で、神戸海洋博物館に於いて上記シンポジウムを開
催し、約200名の方にご参加をいただきました。平成18年10月から当事務所の築港資
料館『ピアしっくす』で月1回開催している「みなとまちづくり生涯学習講座」の特
別編として、歴史を振り返りながら、神戸の町と港の繋がりを解き明かそうという
ことで開催しました。
 第1部は神木哲男会長(神戸外国人居留地研究会)による「神戸港のルーツを探
る」という基調講演です。平安時代末期の平清盛による大輪田泊の建設から明治維
新の兵庫開港の歴史まで、千年近くの神戸港のルーツが紹介されました。
 第2部の座談会では、「神戸港の発展に所縁のある歴史上の人物」をテーマに、
近代以降の勝海舟による海軍繰練所、外国人居留地、神戸港の開港や果たしてきた
役割などが議論されました。兵庫出身の作家、玉岡かおるさんからは、この秋に出
版予定の神戸の豪商「鈴木商店」に関連して、明治から大正期にかけての神戸での
東アジア(台湾)貿易の活躍などが紹介されました。
 締め括りとして、神木哲男さんから、神戸港の整備とともに市民の港に対する意
識が更に高まっていくことが重要との、港とともに発展する海港都市のあり方につ
いて提言を頂きました。
 【神戸港湾事務所長 田所 篤博】


◆「北近畿豊岡自動車道早期実現促進大会」とシンポジウム「但馬を拓く道づくり」
  の開催

 8月26日、兵庫県養父市で、「北近畿豊岡自動車道早期実現促進大会」とシン
ポジウム「但馬を拓く道づくり」が開催されました。「促進大会」は谷衆議院議員、
宮田道路局長、布村近畿地方整備局長、深澤企画部長、宮地道路部長、五百蔵兵庫
県副知事、池田理事、井上土木部長、但馬の3市2町の首長等、約900名の参加
のもと盛大に開催されました。地元の熱い思いに対し、国・県から多くの方々が出
席され、力強いお祝辞を頂き、皆さん喜んでおられました。北近畿豊岡自動車道促
進の声援と伴に、プレッシャーをひしひしと感じました。
 引き続き「シンポジウム」では、宮田道路局長の基調講演の後、中貝豊岡市長ら
地元の3人と宮田局長を交えたパネルディスカッションが行われ、何れの方も但馬
の道づくりと地域活性について熱く語られ聴講者と一体感のもと成功裡に終わりま
した。
  【豊岡河川国道事務所長 中村 文彦】



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 5.今後の近畿地方整備局関連の主要行事
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◆8月29日(水)淀川水系流域委員会(第58回)の開催
       
         今回は淀川水系の現状と課題について審議が行われます。

◆8月29日(水)日本風景街道地方協議会の開催
         
         今回初めて、近畿ブロックにおける認定機関として協議会を立
         ち上げるものです。

◆8月30日(木)コンクリート構造物品質評価表彰式の開催
         
         H18年度における近畿地方整備局管内で施工され、出来映え、
         品質等の優れたコンクリート構造物の施工者を局長表彰するも
         のです。

◆9月 4日(火)大阪港夢洲トンネル(仮称)沈埋函部貫通式の開催
       
         近畿地方整備局では、大阪港の咲洲と夢洲を結ぶ大阪港夢洲ト
         ンネル(仮称)の工事を進めてきましたが、この度、トンネル
         の沈埋函部(約800m)の最後の沈埋函の沈設を期して貫通式を
         行います。         

◆9月10日(月)大阪府知事・局長会議の開催
         
         知事と局長が、地域づくりのあり方や事業の進め方等について
         意見交換します。
 

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 6.事 務 局 か ら の お 願 い
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