大阪湾再生の推進
大阪湾は、瀬戸内海の東の端に位置する周囲を陸に囲まれた閉鎖性海域です。
古くから産業・貿易、漁業の場などとして利用されており、また、昭和30 年代頃までは多数の海水浴場や潮干狩りの場が存在するなど、大阪湾周辺の人々にとって身近な海でした。
戦後復興・経済成長期には、埋立てなどにより物流・生産機能が強化され、日本の高度経済成長を支えてきました。また、背後に集積する人々の生命・財産を護るため、防潮堤などの海岸保全施設の整備も進められ、安全・安心な国民生活を支えてきました。
一方で、埋立地などの整備により、自然海浜、藻場・干潟などが縮小・消失するとともに、海水が停滞しやすい水域が発生しました。背後圏の人口増加や産業発展などともあいまって、海水の汚濁やごみの増加を引き起こし、海の生き物の生息環境を悪化させ、生物多様性の低下を招く結果ともなりました。
このような大阪湾の環境の課題に対して、関係行政機関では、これまで様々な取り組みを進めてきています。しかしながら、取り組むべき課題は多く残されていることから、関係行政機関の広域な連携や、住民・市民やNPO、学識者、企業等の多様な主体と連携・協働し「大阪湾の再生」に取り組んでいます。
昔の大阪湾(昭和32年・堺市) 今の大阪湾(六甲アイランド)
出典:「吾がふるさと大阪湾増補改訂版」
(荒尾立夫著、平成元年)