淀川水系流域委員会 第5回琵琶湖部会議事録

日時 平成13年10月12日(金)13:50〜17:20

場所 長浜ロイヤルホテル 2階「翠鳳」



○庶務(三菱総合研究所 新田)

長らくお待たせいたしました。定刻を過ぎておりますので、只今から淀川水系流域委員会第5回琵琶湖部会を開催いたします。

私、司会を担当いたします三菱総合研究所の新田です。よろしくお願いいたします。

審議に入る前に、幾つかの報告と確認をさせて頂きます。まず、配付資料の確認ですが、議事次第に示しておりますように、お手元に「資料1」から「参考資料3」がございますでしょうか。委員の方には事前に「資料3−1」「資料5」から「資料8」、「参考資料1」「参考資料3」をお送りしていますので、本日、机上にはありません。予めご了承下さい。

本日の議題と関連して、第1回琵琶湖部会で用いた「資料3 淀川水系の現状説明」を2人に1冊の割合で机上に置いていますので、審議のご参考にご覧頂ければと思います。また、本日寺川委員より情報提供頂きますが、第4回琵琶湖部会で寺川委員からご提供頂いた「資料5 水上オートバイ等に関する資料」についても、2人に1冊の割合で手元に置いています。

「資料5」は琵琶湖の漁業についての資料で、松岡委員から、情報共有のためとして頂いております。

なお、一般傍聴の方については、資料は全て白黒のコピーで配付させて頂いております。受付の方にはカラーの資料一式がありますので、ご覧になりたい方は受付にてご覧下さい。

本日は一般傍聴の方にも発言を頂く時間を設けておりますが、「発言にあたってのお願い」をご確認の上、ご発言願います。

本日は会場の関係で、委員の皆さまにはマイクが2人に1本となっておりますので、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

また、本日は16時45分に会議終了を予定していますので、情報提供を頂く方には、時間厳守ということで、ご協力よろしくお願いいたします。いくら時間が延びたとしても、30分の延長を限度とし、17時15分には終了させて頂きたいと思います。ご協力、重ねてお願いいたします。

では、これより審議に移りたいと思います。川那部部会長、よろしくお願いいたします。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

お集まり頂きありがとうございます。いつも大津で開催していましたので、できるだけ違う会場での開催を考え、庶務には大分迷惑をかけたと思いますが、今回は長浜で開催させて頂くことになりました。ありがとうございました。

では早速、審議に入りたいと存じます。

まず、第5回委員会の概要について、庶務より「資料1」を用いて説明お願いします。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

お手元の「資料1」に従い、9月21日に行われた第5回委員会の概要について説明いたします。「資料1」は現在、関係者の確認中である暫定版です。予め、ご了承頂きたいと思います。

[省略:資料1説明]

以上が第5回委員会の概要です。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

委員会の委員も兼ねている方で、先ほどの説明について何かコメント等ございますか。なければ、私もその通りだったと思いますので、先ほど口頭で報告された点について、私もその通りだったと思いますので、いちおう了承頂いたことに致し以上のようであったとさせて頂きたいと思います。「資料1」につきましては、「速報」と明記していますように、今後、多くの方が内容に手を入れられる可能性があります。そのようなことをご承知おき頂きたい、ご覧頂ければと思います。

では、次の審議に移りたいと思います。

琵琶湖を中心とする淀川水系の現状について、「環境」及び「人と川との関わり」について、情報提供を頂きたいと思います。本来、先に「環境」についての情報提供を終りして頂き、その後、「人と川との関わり」について情報提供して頂ければよいのですが、いろいろな都合があり、そのようにはなっていません。本日は、主として人と川との関わりについて、いわゆる「河川管理者」である児玉琵琶湖工事事務所長から情報提供頂き、その後、村上委員、寺川委員から情報提供を頂く予定です。

今後の予定としては、11月には「環境」に関して2委員からの情報提供を頂けると聞いておりますし、12月にも情報提供して頂く可能性もがあります。今回は、委員からの2回目の情報提供であると考えて頂きたいと思います。

それでは、児玉琵琶湖工事事務所長、お願いします。

○河川管理者(近畿地方整備局 琵琶湖工事事務所長 児玉)

「人と川との関わり」ということで情報提供をさせて頂きたいと思います。

資料2を用いて、淀川水系の現状「人と川との関わり」についての説明があった。

@.洪水から街を守る

・水防活動は、河川改修と並ぶ「車の両輪」であり、その両輪によって、我々の生命、財産が守られている。

・水防活動は水防法に基づいて行われており、実施主体、責任は市町村にある。県は水防計画の策定、洪水予警報、水防警報など、活動支援を行う責務を負っている。

・水防団の課題としては、団員の高齢化、サラリーマン団員の増加により、緊急時の対応が難しい点、周辺の水防に対する理解の低下、などが挙げられている。

・洪水に関する情報提供としては、浸水地域、避難場所等を示した洪水ハザードマップ原案等が公表されている。

A.水利用について

・水を利用する側でもさまざまな節水対策が行われている。一方、河川管理者も節水意識啓発のためのパンフレットの作成をはじめ、様々な活動を行っている。

・河川の水量については、野洲川は上流で取水され下流の水量が非常に少なくなって、瀬切れ(水の流れが途絶えてしまう状況)がおこることがある。姉川は多くの堰があり水が高度に利用されているが、野洲川と同様の状況が発生している。

・水面利用のトピックスとしては、琵琶湖の湖上を船で渡って、大津市内の道路の渋滞を回避しようという社会実験が計画されている。

B.河川利用について

・瀬田川洗堰の上流ではボートや釣りが、下流ではカヌーやラフティングが盛んに行われている。野洲川の落差工の付近では、釣を中心とした利用がある。

・河川利用の特徴として、堤防の天端に道路が兼用してつくられているという状況がある。また、ゴミの不法投棄や堤外に民地が残っている等の問題がある。

C.琵琶湖における生業(なりわい)について

・琵琶湖の漁業経営体数、漁船の保有台数、漁獲量は減少傾向にある。琵琶湖の漁業は、漁具の発達等によって、待ちの漁法から攻めの漁法へと変化した。

ヨシについては、従業者数、製品出荷額ともに減少している状況にある。

(速報より説明部分を挿入します。)

以上、4つの点について、「人と川との関わり」ということで情報提供をさせて頂きました。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

一言だけ申します。説明の最後の方で、「琵琶湖の漁業は待ちの漁法から攻めの漁法に変わった。」とおっしゃっていましたが、それは大間違いで、昔から待ちの漁法、攻めの漁法の両方がありました。現在は待ちの漁法ができなくなったのです。

もう1つ、水産業で大事なことは、川の漁業は残っているが、湖の漁業が酷くなってしまったということを付け加えておきます。滋賀県の漁獲量は現在、3,300トンで、河川から1,300トン、湖から2,000トンとなっています。かつて、湖では1万トンの漁獲量があったのに、現在では2,000トンしかありません。これは大きな変化であり、湖面の漁業が駄目になり、川の漁業だけが現在残っているというのがポイントです。

○河川管理者(近畿地方整備局 琵琶湖工事事務所長 児玉)

改めて、詳しい情報のご提供を頂ければと思っております。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

後で議論をしたいと思います。他に特になければ、次は村上委員から情報提供をお願いします。「資料3−2」が村上委員の説明資料です。資料では順番が変わっていますのでご注意ください。

○村上委員(琵琶湖部会)

資料3−2を用いて、@目的合理型計画の功罪と形態交流社会の可能性、Aラムサール条約と淀川水系流域管理、についての説明が行われた。

@.目的合理型計画の功罪と形態交流社会の可能性

・新河川法で新たに加わった「環境」という言葉は多様な意味を含んでおり、今まで治水、利水が主であった中でこぼれてきた雑多な要素を一言で丸めてしまったもの、と言える。従って河川整備計画は治水、利水に加えて多くの事柄を目標にすることになる。しかし、それらはトレード・オフの関係にあるため、どのように総合的に望ましい状況にするのか、良い川とは何か、非常に難しい問題である。

・物事の進め方には大きくは資料に示した2種類、目的合理システムと形態交流システムがある。

・目的合理システムはこれまでの河川管理、行政、企業の物の進め方といえる。これは、まず目的ありきの進め方で、目的達成の面では非常にすぐれ、時間的、コスト的にも効率がよい。ところが、この進め方では、ある部分はうまくいくが、全体でみるとおかしな事が起こることがある。

・目的合理システムで生まれる問題を解決するには、形態交流システムに変える必要がある。形態交流システムとは計画や事業に関わるそれぞれの組織や人がお互いや周囲の状況を判断しつつ活動し、問題が起こったら、もう一度目的を探し直す進め方である。

・今後、全利害関係者が集い、計画を作りながら、事業を実施して常に計画を塗りかえる、という進め方に変えていく必要がある。

・形態交流システムがうまく機能するためには、そこに関わる人のコミュニケーション能力の向上が鍵となる。この場合、人と人だけではなく、川と人とのコミュニケーションも含んでいる。

・川のことにも地域のことにも詳しく、合意形成能力も持っている「川守さん」というような人物を提案したい。今、河川管理者はそこまでは賄いきれておらず、住民団体も河川管理者がやっているほどの仕事はできていない。そこをトータルに賄う「川守さん」のような人材の育成が非常に大事だと思う。

A.ラムサール条約と淀川水系流域管理

・ラムサール条約は今後の議論に大きく関係するため、幾つかの誤解を最初に解いておきたい。

a.日本人は河川や琵琶湖を「湿地」とは言わないが、条約中の湿地(wetland)という言葉は「水のある土地」という意味で、湖や河川等も含んでいる。この条約は水の溜まっているところ全てを保全する条約である。

b.この条約は「水鳥保護」条約と思われているが、湿地の生態系とそれと共にある人の生活や文化などを総体として保全しようという条約である。

c.登録された湿地のみが条約の適用対象と思われがちだが、条約が定めている保全の対象は締約国に存在する全ての湿地である。

・資料3−2にラムサール条約の締約国会議で採用された決議と勧告文を掲載した、住民参加と流域管理に関わる部分は今後の流域委員会の議論に有用と思われる。特に、住民参加について、「利害関係者相互の信頼関係を築くことが重要で、そのためには仲介人となる人材が必要」と記されている点を強調したい。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございました。

委員の方、何かご質問やご意見等、ありますでしょうか。

私はあまりよく知りませんが、現在、ラムサール条約は、むしろ1つの湿地というよりも、海岸までを含めた流域全体、「River Basin Project」という形で、国際連合で動いていると聞いていますが、そうでしょうか。

○村上委員(琵琶湖部会)

その通りです。それに関する決議文も、今回、資料の中に入れさせて頂きました。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

それでは、続いて、寺川委員から水上バイク等々を中心にする問題をお話し頂きたいと思います。資料は「資料3−1」です。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

資料3−1を基に、水上バイクの現状と問題点等の説明が行われた。

・水上バイクについては、水質汚染が最も重要な問題であるが、騒音や悪臭、湖岸の環境、人身事故、規制の不備等、様々な問題がある。

・新海浜では水上バイク関係車両の進入によって松林が伐採される等、湖岸の環境破壊が進んでいる。大津市柳が崎などは水上バイクのメッカになっているが、取水塔周辺を走行する水上バイクが排出する油による飲み水の汚染の危険性、近くを泳ぐ子供の健康や安全等の問題がある。新旭町では湖岸での水上バイクの利用自粛を訴えているが、全く効果がない、誰も注意しない、という状況である。安曇川町では水上バイクの規制強化を求める県条例の制定等を町議会で議決した。

・旧運輸省では1999年に水上バイクの水質調査を行ったが、ベンゼン、トルエン、MTBEなど発がん性のある、あるいは疑いのある物質が、環境基準を上回る数値を示した結果が報告されている。滋賀県の調査でも22ヶ所の取水口付近のうち1ヶ所でトルエンが検出されているが、アメリカの調査等と比べると不十分であり、水上バイクが集中する日曜、祭日に行っていないなどの問題もあるため、知事が安全宣言を出したことは問題がある。

・湖上で走行している水上バイクの2割程が特殊なオイルが必要な改造型であり、燃費効率も悪く大量の油が琵琶湖に流入している。

・カリフォルニア州の規制状況では、水上バイクだけでなく有害なものについては早急に禁止するなどの措置を行っている。日本各地でも、水上バイクの規制等が進んでいる。国土交通省が直接管理しているわけではないが、琵琶湖の水は近畿1,400万人の飲料水でもあり、生態系の問題等も含め、大きな問題である。

・琵琶湖における水上バイク問題を抜本的に解決するため、国土交通省、厚生労働省、環境庁の3省に対しては取り締まりのための法整備等の要望、日本舟艇工業会に対しては不良製品の販売停止の要望を9月に提出した。

・「日本の水道水が安全なのは水質の検査項目が少ないからだ」と言われるように、欧米に比べると検査基準が大雑把であり問題である。水上バイクの水質汚染問題にしても、年平均で考えるのではなく、一時的、局所的な部分も考慮しなければいけないと思う。量も重要であるが、それとともに質の管理をきちんと行うことが、今後の課題である。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございました。

○藤井委員(琵琶湖部会)

寺川委員も最後に触れていましたが、環境省を含めて申し入れをし、タウンミーティング等を開いて是非、強力に水上バイクによる問題について発表して欲しいと思っていましたが、滋賀県が水上バイクについて安全だという答えを出し、私自身、本当に愕然としています。

水上バイク関連の情報収集等、市民は殆ど身銭を切って情報収集、調査を行っています。一方、滋賀県では、2回の杜撰な検査しか行っていません。きちんと調査できる能力を持つ機能市民をバックアップするような仕組みをつくって頂けたら、本当に助かるなと思います。

先ほどの寺川委員の発表を見て頂いたらわかりますように、市民の情報の収集能力と発信力、これは非常に早いです。そのようなところをどう生かすか、是非、考えて頂きたいと思います。

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(以下、PRTR法)が施行され、現在滋賀県でもパイロット事業として1年間、事業所の調査を行っていますが、21人以上の事業所で、水上バイクから排出されるトルエン、キシレン等は、全てPRTR法の対象になっています。しかし、水上バイクの使用は全くひっかかりませんので、法律の対象とならない部分で問題になるところをどう市民は知るのか、市民、県民に知らせるという意味からも、市民サイドにこのような問題の発見とその前進に向けて、特に研究者のバックアップが是非とも欲しいと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

他にいかがでしょうか。

忘れないよう申しておきますと、藤井委員のお話しの内容について、この流域委員会として、住民の意見をいかに聴取するかに関連しています。聴取とは、ただ、「聴く」のではなく、どういうやり方で聴取するか。先ほどおっしゃったような問題について、どの程度まで考えなければいけないのかということに関する直接の問題だと思います。その辺りのところで、また少し、委員の皆さまでゆっくりと議論をしないといけない問題だと私は思いました。

○河川管理者(滋賀県 琵琶湖環境部水政課参事 山田)

県の水上バイクについての現在の姿勢について、概略をご説明させて頂ければと思います。

まず、県の調査についてですが、寺川委員からの提供資料「資料3−1」の中に既に含まれていますので、そちらをご参照ください。8−1から8−6ページまでが調査内容です。

8月29日に調査を行い、水上バイクを10分間走行させ、その直後と、時間が経つにつれてどう成分が変化したかという調査をしております。直後に比べ、だんだん時間が経つにつれて濃度が薄まっていくという結果になっています。数値については、アイドリング後の後方5メートルというところで、一部、MTBEがアメリカの基準を超えている部分が出ているということです。それについても、時間が経つと徐々に濃度も薄まっています。MTBEは、揮発性成分ですから、当然といえば当然ですが、そのような結果になっております。

この結果を9月28日に発表し、ほぼ同時に、県議会で知事が見解を述べています。

本来でしたら、議会の議事録等を付けるべきですが、議事録はきちんとまとまっておりませんので、資料としては不十分ですが、新聞記事を「資料−6 追加資料」ということで後から付けています。

県の姿勢といたしましては、2回の調査で、一部分で基準等を超える箇所があるのですけれども、その濃度については、時間及び空間的に局所的であると現在認識しているところです。今直ぐに水上バイクを全面禁止すべきであるという質問が議会ではされていますが、今直ぐに全面禁止ということにはしないということを申しております。

今後、琵琶湖の適正利用対策検討チームというのを県庁内につくり、それと併せ、県内の様々な学識経験者や、地元の方で構成される、適正利用の懇話会を編成し、そちらのご意見を伺います。また、9月23日には公聴会も開き、応募して頂いた方から10分ずつ、30名ほどからご意見を頂き、広く意見を募っているところです。その結果を用い、来シーズン、要するに来年の夏以前には、琵琶湖の適正な利用のあり方を検討して、最終的に取りまとめたいと考えております。

それまでの間は、先ほど映像にもありましたが、水道の取水塔の周辺については走行を自粛して頂きたいという要請、或いは看板類その他の設置を、暫定的な対策として検討していく予定です。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございました。

湖面利用の問題ということは、自然環境、或いは人間ということも含め、やはり治水、利水等、全ての要素を考えて大変重要な問題だと思います。長期的な視野で見るためにも大変重要な問題だと思いますので、是非、新聞記事だけではなく、資料等がまとまりましたら流域委員会に提供して頂きたいと思います。

それからもう1つ、県でおやりになっている湖面利用の懇話会の資料も、まとまり次第、流域委員会に是非、提出頂きたいと思います。私から知事にも申すかも知れませんが、県からもおっしゃって頂き、相互に一緒に考えていくようなやり方をしていきたいと私自身思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

水上バイクに関するご意見等はあるかと思いますが、特別に何かあったら短い時間でお願いします。あまりこの問題だけを議論していると、他のことについて議論する時間がなくなりますので、特に言っておきたいということがあれば手短にお願いします。

○藤井委員(琵琶湖部会)

遅ればせながら、適正利用の懇話会がはじまるということでしたのに、その検討が始まる前に、知事が水上バイク問題について安全宣言を出すというのはやはりおかしいです。きっちりと検討会、懇話会で議論を行い、その中でどうだというプロセスを踏まないと、住民の中には非常に不信感が高まると思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

他にありますか。

○井上委員(琵琶湖部会)

琵琶湖の利用については、基本的に自由使用です。ですから、誰もが好きに使ってよいのです。ただ、琵琶湖湖岸は県のものですが、湖面は地方交付税も入ってこず、誰のものでもないということになります。ですから、湖面については各市町村に分割され、市町村が管理する中、市町村としては観光も含め、何か湖面利用をし、お客さんを呼んだりしていかねば駄目だと思います。誰もが自由に使ってよいという大原則があるので、その辺りを何か違った形で展開する必要があると思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

今の問題は難しいですが大変重要な問題だと思います。湖面について、これからどうしていくか、後で十分にご議論頂きたいと思います。

勝手に私の見聞だけを言って申し訳ないのですが、例えば、北欧諸国はここ1〜2年のうちで、湖面利用の問題について、法律を猛烈な勢いでつくりはじめました。従来は人間の営みそのものが、それ程大きく、広い問題ではありませんでしたから、勝手に各々が利用することは大した問題ではなかったのかも知れません。

しかし北欧では、例えば、湖岸に自分の私有地があっても、そこに家を建てることは全くまかりならないという法律ができ上がりってしまいました。そこまでの法整備ができるかどうかは別として、湖面利用をどう考えていくかは、非常に広い意味で、琵琶湖を含めた河川の管理という部分で、大変重要な問題だと思います。いろいろと議論していきたいと思います。

○井上委員(琵琶湖部会)

もう1点、琵琶湖の場合は少し特性があります。現在、琵琶湖の殆どの浜には掟があると思います。そこに観光業者が住んでいたら、その中での縄張りがあります。掟を破る人に対してきちんと指導する人が存在するところについては、案外、掟が守られています。

しかし、掟について指導する人がいない場所では、外部からやってきて、掟に従わない人に対して何も言わず、勝手な利用が広がっているというのが現状です。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございました。

先ほどの村上委員のお話、或いは児玉琵琶湖工事事務所長のお話も含め、人と湖、周りの河川等も全て含め、淀川水系全体の問題として、何かご意見ございますでしょうか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

滋賀県から意見が出ましたので、私の方からも若干、追加して発言させて頂きます。

いわゆる懇話会や検討チームについて、この懇話会のメンバーは誰が決めたかと言うと、これは滋賀県が決めています。現在、水上バイクの問題について最も取り組んでいるのは、我々の「びわ湖自然環境ネットワーク」と、井上哲也氏が代表を務める「緑とやすらぎのある新海浜を守る会」のグループではないかと思います。しかし、そのようなグループが懇話会に入っておらず、排除されています。ですから懇話会で出てくる答えはあまり公正ではないと考えています。

先日、知事に抗議を行った際、いわゆる公開討論会といったところでオープンに議論をしたいと提案しました。私共と県、それから利用者の方も来て頂いてももちろんよいと思いますので、そこでよい方向が出ればよいし、問題点を聞き及べば、一番公平ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

それともう1点あります。10月8日に、琵琶湖一周をを一周して観察してみようということで回りましたが、実はおおよそ半周しか回れませんでした。志賀町から彦根市まで回ったのですが、湖岸の侵食が進んでいます。それと同時に、この水上バイクの問題もありました。

水上バイクについては、松原水泳場へ着いたのが17時でしたのでここではもう終わっていましたが、松原を入れると6カ所くらいで、こちらで数えたら100台を超える水上バイクが走っていました。たった1日で100台も走っていました。恐らく、水上バイクのメッカである大同川の水上バイクのメッカ、或いはと柳が崎を入れますと、恐らく100台以上が増えますので、その日一日で200台以上の水上バイクが休日に走っているということが実態としてあります。

そういったことを含め、来シーズンを待たずに、対策は速やかに立てるべきではないかと思います。以上です

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございました。

この問題は、本日、この場での議論にはならないと思いますがので、是非、その辺を含め、このような意見が出されたということで、県、その他の機関も十分にお考え頂きたいということに止めさせて頂きたいと思います。

15時を少し過ぎましたので、ここで休憩したいと思います。休憩後、先に一般傍聴者からご意見を承りたいと思います。

時間が限られていますので、大変失礼なことを申しますが、1人5分以内で、お話をして頂きたいと思います。可能であれば、本日お話をして頂いた3人の方の問題等に関連して、できるだけ人と水に関連した議論、或いはご意見を承りたいと存じます。その後、また委員間での議論を進めたいと考えていますが、よろしいでしょうか。

では、10分程休憩を入れ、15時20分から再開させて頂くということで、どうぞよろしくお願いいたします。

[休憩:15:10〜15:20]

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

それでは、再開させて頂きます。

一般傍聴者の方、その他の方でご発言になりたい方がおられましたら挙手お願いいたします。

○河川管理者(滋賀県 土木交通部河港課 澤野)

先ほどの水上バイクの件について何点か補足説明をさせて頂きたいと思います。

まず、資料の件ですが、当方からご提供した資料「資料6 追加資料」が新聞記事だけであるということで、お叱りを受けましたが、実は、当方が調査した資料は全てインターネットで公表しておりまして、その資料を掲載する予定でした。しかし、寺川委員の資料の方に既に入っておりましたので、重複して出すということも無駄になるので、提出いたしませんでした。

ですから、寺川委員の「資料3−1」の8−1から8−6ページの資料が、全くそのまま我々が持っている資料でございます。従来型、改良型の水上バイクについて、資料にあるような検査を行ったということで、全て出しております。

それから、今、適正利用懇話会の委員選定が公正さを欠くのではないかというご指摘がありましたが、知事が選んだ委員ですから、公正さを欠くと言われてしまうと非常につらいところがあります。どのような委員を選んでいるかというのも全て公表しており、県民公募委員も入っています。懇話会では、利用者、学識経験者等を含め、全24名で議論しようということになっています。さらに、各市町村に赴き、公聴会等を開き、一般の方の意見も頂き、それを踏まえてこれからどのような利用のあり方があるかを考えていこうかということを議論しているところです。

先ほど井上委員からもお話がありましたが、水面の自由利用の中で、皆さまが勝手なことをしていると摩擦が起こるということで、お互いのルールづくりをしようと現在考えているところです。これがどのようなルールづくりになっていくかというのはこれからの話ですが、そのようなことを全て公開で進めていくということをご理解願いたいと思います。

また、地元の取り組みとして、地元の愛好者グループと地元の自治会で、例えば水上バイクの利用方法についての申し合わせというのも行っているところもあります。新海浜等におきましては、県等も入って取り組んでいます。

この適正利用懇話会での話し合いの結果は、少なくとも来年のシーズン前には結論を出していきたいと考えています。水上バイクの議論に関しましては、流域委員会で結論を出すとか、そのような趣旨のものではありませんが、ご紹介させて頂きました。

なお、いろいろ疑問等がありましたら、県の方で現在取り組んでいる最中ですので、知事の方に直接問うということもあるかと思いますが、それぞれ担当の方にもお話を頂ければと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

他の方、何でも結構ですので、ご意見がありましたらお願いします。

○傍聴者(寺田)

河川の濁水について少しお尋ねしたいのですが、ご存じのように、姉川上流の高時川で、丹生ダム、関西電力の揚水ダムの工事が行われようとしています。その中で、まだダムの本体工事までは至っていませんが、工事用道路、その他諸々の関連工事が現在行われている最中で、濁水が姉川に流れてきて、姉川の漁業に被害を与えているのが現状です。丹生ダムの本体工事はもちろん、諸々の工事によって出される濁水についてどう考えているのかという質問が1点です。

2点目は農業排水についてです。ご存じのように、以前、部会でも少し話が出ていたと思いますが、春になると湖岸一帯が非常に濁ります。過去に農業排水による濁りについて検査、調査をされたのかどうかをお聞きしたいと思います。

それと、琵琶湖の水質を浄化するというのはもちろんだと思いますが、琵琶湖に入ってくる水をそのままにして大きなため池である琵琶湖をきれいにするというよりも、琵琶湖に入ってくる水をまずきれいにすることが先決ではないかという感じがしましたので、一言言わせてもらいました。



○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

頂いたご意見は誰に対してのお尋ねでしょうか。この流域委員会へのお尋ねなのでしょうか、それとも県でしょうか。

○傍聴者(寺田)

農業排水、ダムの関連工事、もちろん本体工事もあろうかと思いますが、今後の課題として流域委員会で検討して欲しいと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

流域委員会で検討して欲しいというご意見の方はわかりました。が、今のご質問に、どなたか答えられる方がいますでしょうか。

○河川管理者(水資源開発公団 丹生ダム建設所長 上村)

今の寺田様のご指摘に対しまして、丹生ダム事業所におきましても漁協といろいろ話をさせて頂きながら、対応しています。

今、ダムのことをおっしゃいましたが、姉川、或いは高時川につきましてはダム以外の話もあります。丹生ダムということに限定して、私の方で回答させて頂きたいと思います。

丹生ダムの建設についても濁水問題については非常に問題意識を持っており、漁業者に対してご迷惑をかけないようにできる限りの対策を検討しています。

具体的には、通常河川の護岸工事では、仕切りをして行いますが、その仕切りを二重にしています。或いは、現在、道路工事を行っていますが、道路を掘削することによって、常時出ませんが、豪雨が降ると濁水が出るというようなことがあります。そういったことに対しても、局所的に濁水をため、濁水を鎮静化させて、濁った水をなるべく出さないといった対応をさせて頂いております。

ただ、それが100パーセント大丈夫かということについては、そうではなくて、工事をやっているという状況ですので、その辺りはまた何らかの方法で漁協の方とも対応させて頂きたいと考えております。

このように、工事については濁水について十分認識をし、問題が生じないように対応させて頂いているということです。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

このことに関連しても、そうでない問題でもよろしいですが、他にありますでしょうか。

○傍聴者(竹田)

水上バイクの件ですが、ベンゼンやトルエン等という物質が一時的に検出されたという話が先ほどありました。その中で、確かに時間的には空中に飛散するものもあると思われますが、熱によって化学反応をおこし、水中に残存する物質や例えばダイオキシンの様な環境ホルモン等に変化し、環境に対して様々な大きな影響を与える可能性がないとは言い切れません。

そのような化学反応をおこす可能性のある物質を使用する以前に、又、水上バイクは人工的、波を起す部分もあり湖岸の浸食をしたり様々な人工的被害も多くあります。どのような影響が出るかをしっかりと見極め、どのようにする方が良いか十分検討する必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございました。他にございますか。傍聴して頂いているのは大変ありがたいことですが、いろいろなご意見を承るともっとありがたいので、是非おっしゃって頂きたいと思います。澤野課長、寺田様、竹田様にお話を頂きましたが、その他の方でご意見はございませんか。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

一般の方のご意見で、表に出しにくい話があります。先ほどロビーで話が出ていた件を紹介させて下さい。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。つまり、倉田委員が聞いてらっしゃる一般の方の意見を、倉田委員が代弁して下さるわけですね。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

それはどのような意見かと言うと、口に出しても仕方がない、出しにくいということで漁業者の方3、4人が寄り合い、話されていた水上バイクについての話です。

人間が水を飲んだら被害を受けるというような話は先ほど出ていましたが、一番先に被害を受けるのは漁業者です。エビ等、魚の中にはとにかく水質汚染に弱い類があります。魚類が先ず影響を受けているのですが、その証拠を出せと言われたら出せない。そういう点が我々漁業者の弱い点だという内容なのですが、私も同感です。まず、漁業が直接に被害を被るのは明らかですね。ただ、どういう形でどれだけ漁業に被害が及ぶのかということは、時間がかからないと証拠が出せません。

水質そのものは何ppmと数字で計測できるのでよいのですが、漁業というのは数字で表すことができません。他の面でもそうですが、漁業はこれまでことごとく被害を受けっぱなしで、またもや今回もという話を先ほどこぼしておられました。せっかくこの部会にお越しになっているのに、自分たちの本音を公開なされないのは残念だと思い、一言釈明しておきます。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

私の判断では、今のようなお話は決してこの部会に出して頂いて困るというような話題ではないと思います。倉田委員がどなたかの話を代弁してくださりましたが、もし、つけ加えておっしゃって頂く方があれば、是非、おっしゃって頂ければ結構かと思います。今の倉田委員の話で大体よいと思われれば、特に追加頂かなくてもよろしいと思いますが、どうでしょうか。

○傍聴者(鳥塚)

今、我々の組合の役員からも話が出ましたし、また、倉田委員の方からも話が出ました通り、水上バイク等の問題についても、当然、人間が水を飲料する以前の問題として、魚類に大きな被害があるのではないかと我々漁師は受け止めています。

それと同時に、先ほど私の組合の役員が申しました通り、農業排水という問題で4月の終わりから5月にかけて、琵琶湖沿岸部を大変な泥水が覆います。この時、農薬と肥料等、富栄養化の要素をはらんでいる水が琵琶湖一円を覆います。当然、春先になって、魚類が活発に活動する時期に入り、その餌になるプランクトン等も沿岸部で大量発生する時期に、阻害要因が琵琶湖沿岸部を覆うため、徐々に漁獲量の減少につながる要素を今つくっているのではないかと考えられます。

特に、圃場整備が行われ30数年間が経ち、現在の琵琶湖の漁獲量というのは、圃場整備が行われる30数年前と比べ、4分の1くらいにまで減少しています。このような問題について、流域委員会の中で、底辺から見て頂き、何が起因しているのかをご検討願えるような場を、是非、つくって欲しいという思いをもっています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございます。他にご意見等がなければ、今のような一般傍聴者の方からのご意見や、その前の「河川管理者」、委員による情報提供をして頂いたものも含め、委員同士で意見の交換をさせて頂きたいと思います。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

幾つか気の付いたことを申し上げますと、明らかにこの流域委員会での議論は、この流域委員会で課題としている国土交通省の直轄事業をめぐる話に関連はするが、そのものではないということです。この流域委員会で結論が出ないものに対しては、どのように流域委員会のアウトプットとして、このように非常に難しい問題を取り扱う仕組みを、どう考えていくかということなのだと思います。

具体的に言いますと、例えば、寺川委員のお話、或いは藤井委員のお話のように、明らかにNGOなり、直接、間接に影響を受ける当事者が、情報を最も有効に発し、それを社会に還元するような仕組みをどうつくっていくかが非常に大きな問題です。この流域委員会では、そのような仕組みをつくるきっかけ、或いは具体的な提案ということまでやっていく必要があるのかないのか、その辺をはっきりした方がよいと思います。

それからもう1つは、先ほどの濁水の問題についてですが、琵琶湖研究所も濁水をめぐる現状、メカニズム、或いは湖内における影響の減少というような情報は提供できるのですが、例えば農業当事者、或いは農業側を代弁するような研究機関があわせて議論に加わっていかなければならないと思います。

この流域委員会の情報の出し方が、たまたまいた委員、或いは委員の組織がそのような情報を出すということで十分な場合もあるでしょうが、委員会及び部会の目的として、あわせていろいろなところから同じ濁水の問題を議論できるようにするのかしないのか、非常に重要な問題だと思います。

仮に委員として情報提供するようにということであれば、もちろん琵琶湖研究所としての立場から情報提供したいと思いますが、若干の課題を抱えつつ、現状では議論が行われているのではないかというのが私の認識です。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

中村委員がおっしゃったことに関連してでも、そうでないことでも、委員の方からご意見どうぞお願いします。

○西野委員(琵琶湖部会)

濁水の問題が、例えば魚類に与えている影響というのも確かに重要です。どういう議論をする必要があるのか現在集約している段階なので、是非議論されたらよいと思いますが、湖の中からの指摘を1点しておきたいと思います。

この30年間に、琵琶湖の中の浅いところの底質が随分変わっています。例えば、砂泥質が減り、泥質の湖底が増えています。それから、岩石質が減り、礫質に変わっている等の変化があります。全体的、長期的に見ると、湖底で変化が生じています。水中の砂浜はそれほど変わっていませんが、陸上の砂浜が侵食のため減り、恐らくある程度、湖底に砂が提供されているのではないかと考えられます。私は専門外なのでそのメカニズムについてはもうひとつよくわからないのですが、湖底の底質にかなり大きな変化が出ていると思います。

変化の理由の1つとして、河川改修やダムの建設によって運ばれてくる土砂が少ないということ、河川改修そのものによって、河川の上流から流入してくるのが砂ではなく、泥に変わっているいう問題があると思います。

ですから、議論する時は、単に濁水という問題だけではなく、河川外改修やダム建設等でどのように土砂や泥が運ばれてくるようになったのかを検討する必要があると思います。それが、例えば湖の底質にどのような影響を与えているのか、それとともに濁水が生物にどのような影響を与えているのか等、一連の流れの中で議論した方がよいのではないかと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございます。琵琶湖のこと、或いは淀川の下流を考える時には、当然に上流からの問題をいろいろと考えないといけないというのはまさにその通りだと思います。「資料−4」にもありますように、琵琶湖部会で検討すべき課題について、現在、委員の皆さまにお伺いしている最中ですが、検討課題を出して頂く中で、ただ項目だけを出すのではなく、検討課題をどう関連させ、議論したらよいかということについてもご意見として頂けると大変ありがたいと思います。

○西野委員(琵琶湖部会)

もう1つ補足しておきますと、実際、生物にもかなり大きな変化が出ており、例えばシジミが減り、同じ二枚貝でもタテボシガイという、どちらかといえば泥地を好む貝が増えています。また、琵琶湖にたくさん固有種がいるカワニナが減り、ヒメタニシという、どちらかといえば富栄養化して底質を選ばないような貝が増えているということがこの25年くらいの間に起こっています。そういうことも含め、湖の、特に浅いところの生態系等にどういう影響があるのかも含め、議論したらよいと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

中村委員がおっしゃった問題は、今、この会議の中で議論して頂かないといけないと思います。例えば、この会議に来て頂くかどうかは別にしても、他にどのような情報が現にあって、どのような状況であるかということは、自分の意見とは全く違うものであろうと何であろうと、情報として提供して頂いて議論をするということが非常に大事だと思います。その辺はどうぞよろしくお願いいたします。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

もう1点、先ほどの丹生ダムの件について、私は非常に重要だと思っています。

丹生ダムの建設とその造成工事の影響、或いはこれからの直轄事業としての進め方の問題が一方でありますが、もう一方で、送排水の段階で、ある一定の政治的プロセスを経て、法律のもとで決まってきた経緯と、我々が議論していること、部会として出す結論との関係を、やはり認識しないといけないだろうと思います。そうすると、ダムを利用する当事者も含めた情報の提供が必要になってきます。

それから、法律サイドからの解釈、行政法上の解釈の問題も頭に入れて議論しなければならないと思います。部会として、一方的にこれがよい、悪いという結論を導き出すということが目的では必ずしもないと思いますので、その辺をどう扱うか、部会での検討課題ではないかなと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

委員会でも今の法律関係のことについて少し議論がありました。現在は、法律関係の方が委員会にたった一人しかおられないという形になっていますが、それでよいのかという議論がないわけではありません。

もちろん、法律関係の方に琵琶湖部会に来て頂いてしゃべってもらう等、いろいろしてもらうということもあり得ます。今後、多方面からの議論をしていかないといけないことだけは確かですね。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

今の話の関連で、予告だけしておきます。

私はもう既に複数の場所で、琵琶湖へ流入する河川の林道を工作することによって、アユがどれだけ小さくなって何年間影響したか、または、沖島と長命寺の間の浅瀬は好漁場だったが、長い間魚が獲れなかった等、結果としてわかったことを現在まとめていますが、今度ご紹介したいと思います。

一般に濁水と言いますが、そうではなく、濁水にも有機物が混じったようなものでしたら問題ありませんが、無機物に近い、まさに土の泥、赤土のような泥ですと、これが一番いけません。これについても具体的なデータとして、魚が獲れなかったが戻ってきたということを報告していますので、次回、次々回の部会にでも報告したいと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

是非、お願いします。口で言うだけではなくて、少なくとも研究者と言われている人は、執筆し書いたものも出して頂き、かつお話し頂くよう、お願いします。文書化されていれば、後でいろいろと役に立つと思います。

地域に詳しい委員の方など全てに、そういうものを必ず書いて下さいと言うつもりでは全くありませんが、書くことに慣れている方は、後で議論等ができるような格好で出して頂けると、大変ありがたいです。ありがとうございます。他にはありますか。

○川端委員(琵琶湖部会)

濁流の話に関連して、意見というよりも、河川管理者の方に質問したいと思います。

濁流の原因としては、工事に伴う濁流もありますが、仮にダムができ上がった後、ダムの管理の仕方によっては、1年中濁流が出る可能性もありますね。そういう問題は全国のダムで起きているということを聞いています。

そういう観点から、どのような管理の仕方をしようとしているのか、情報があれば教えて頂きたいです。

○河川管理者(水資源開発公団 関西支社副支社長 福田)

普通の場合ですと、当然、洪水になると濁度が上がるのは当たり前と言いますか、通常のダムがない自然の状態でも濁土が上がっていくわけです。濁水が下流に流れていって、洪水の時は濁度が一気に上がるけれども、洪水が収まるに従い、だんだんときれいになり、割と早い時間に収まるというのが普通です。しかし、ダムによっては一部長期化することがあります。これはいろいろなケースがあるのですが、上流から濁流がダムに入った時に、ダムの中で濁度が広がり、ダム全体が濁度の高い水になり、それが徐々に出ていくというダムがあります。

これは、江頭委員のご専門かも知れませんが、地域の地質によっても状況が違いますし、それから洪水の起こる時期によっても濁水の広がり方が違います。いろいろなダムによって状況が違いますが、それに対して現在、いろいろな対応策をとっています。

洪水が来た時にダムの水位を一気に下げて濁水を流し、きれいになった水を貯めていくという方法や、バイパストンネルを掘って濁土を流してしまい、汚い水がダムに入らないようにする等、ダムによっては対応をとっているところがございます。

丹生ダムについても、実際、どうなるかというのはある程度シミュレーションも行い、濁水がそれ程ひどい状況にはならないのということになっていますが、今後の管理の手法についても、現在いろいろと検討しているところです。そういう話については、今後議論していきたいと考えています。



○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

江頭委員の分野だと私も思いますから、是非、今後、ご意見を下さい。

○河川管理者(水資源開発公団 丹生ダム建設所長 上村)

今、福田の方からお話しさせて頂きましたが、具体的に丹生ダムがどうなるかということでシミュレーションを現在やっているところで、最終的な整理はまだ完全にはできていません。これは、運用がまだ最終的に決まっていないので、最終的な結論は出せないということですが、現在行っているシミュレーションの段階では、濁水が長期化するというようなことは、殆ど起こらないという結果が出ています。

それは、選択取水設備というものを設け、任意の水位で取水できる形にしているためです。貯水池の中には水温や、或いは濁度ということで比重の差があります。温水というのは、上の方にあるわけですが、温水の方が通常澄んでいます。濁水というのは土を含んだ重たい水ですので、下の方に入ってきます。任意の水を選択しながら放流することによって、下流に濁水を流すことを避ける操作ができますので、現在のシミュレーション結果では濁水防止がほぼできるだろうと判断しています。

○江頭部会長代理(委員会・琵琶湖部会)

濁水の物理的な側面について少し説明させて頂きたいと思います。要するに、川が濁るとか湖が濁るというのは、流域全体でまず考える必要があります。まず、濁水の生産源というのは、山腹の裸地、崩壊や土石流で出た土砂が河道に一旦たまり、それが洪水によって侵食され、細かい粒子が浮いて湖まで流出するというものです。

いずれにしても、濁水というのは一部湖底に堆積するわけですから、湖底堆積物が長期間にわたって変化します。先ほど西野委員のお話にありましたが、底質が変わるというのは、自然としては当たり前の話になります。

それから、南湖の底質が悪くなれば、北湖の方でも底質が悪くなるということです。南湖と北湖というのは水深が非常に違いますので、冬場には、南湖の水温が非常に低くなり、密度が逆に北湖よりも高くなります。このため、湖底に沿って南湖から北湖へ水が流れるというようなことがあるわけです。南湖の方には、山腹裸地とか河道から由来する無機質的な濁質ではなく、有機的な濁質が随分あるわけですが、流れがそういうものを冬には北湖の方に運んでいくために、北湖の底質が悪くなる要因というのは自然に備わっているわけです。

先ほど倉田委員からお話のあった、魚の状態が変わってまたよくなった、或いはまた悪くなるといった話がありましたが、そのような問題は、人為的なものなのか自然的なものなのかはっきりしない面があります。例えば、山が数年前に荒れて、河道に随分堆積物がたまったとします。それが、後の洪水で細かい堆積物を吐き出してきます。洪水による濁水の影響を直接受けるところに魚のすみかがたくさんあるとすると、そこの生息条件は非常に悪くなるので、魚の獲れ方は変わるだろうということは容易に考えられます。

それから、貯水池の濁水の問題に関連して補足させて頂きます。春から夏の終わりくらいまでは受熱期で、その頃、洪水が貯水池に入ったとしても、選択取水という方法で殆ど濁水問題は抑えることができるような技術が現在できています。我々、専門分野の間でも、選択取水設備等を使えばそれほど大問題になる濁水は発生しないだろうという見方をしています。

急ぎ足でうまく説明できたかどうかわかりませんが、私が思っていることを述べさせて頂きました。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

その辺のことについては、専門の方も含めて、かなり議論しないといけない問題だと思います。

いろいろなところで、ダムができる前に予測をしています。具体的に予測したデータを発表している場合もあるし、発表していない場合もありますが、ダムができ上がった時に、どれくらい予測が正しかったのか、どの場所のどのダムではどのような結果となったのか等、予測のデータと実際のデータが比較できるものがあれば、知りたいと思います。ダムの周りに人が増えた影響ももちろんあり得るわけですから、その辺はなかなか難しいと思いますが、このようなデータが幾つかあると、例えば江頭委員の濁水のお話を聞く時にも、委員や一般の方にも大変解り易いという気がします。

噂では聞きますが、実際のデータについて私は全然知りません。もちろん琵琶湖の周り、或いは淀川だけではなくても、ダム建設後に発生した問題についてのデータが幾つかあると、様々なことを考える際によいと思います。いかがでしょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

あるかどうか調べてみます。

ダムの管理についても、きちんとフォローアップしようということで、もう10年前くらいからフォローアップ委員会というものができ、それぞれの管理ダムで、管理後、どうなっているかフォローアップをずっとしていると思います。その中でデータに関する話があるのではないかと思われますので、調べてご報告させて頂きます。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

この流域委員会に直接関係なくても、そういうことをいろいろ知ることは大変よいと思うので、是非お願いいたします。

それから、これは部会長席で言うべきではないかも知れませんが、ちょっと余計なことを言いますと、例えば選択取水によって水質が前の状態に比べ、物すごくよくなったというのは私自身も実際知っています。しかし、私流に言うと、それは改善率です。つまり、選択取水という方法をとれば、以前のやり方に比べて水質がこれだけ改善されたということに関して、高い評価をすることは当然です。しかし、ダムがない状態に対して、努力してどこまでいったかという達成率というものとは必ずしも同じではありません。

それは、昔の設備に比べれば物すごく改善され、大変な努力であるということを大きく評価しないといけないことは確かですが、もとの状態に達成されていない割合はどれくらいであるかというのがはやはり気になるところです。

ですから、なかなか難しいでしょうが、このようなことも含め、何か資料がありましたら、断片的でも結構ですので、是非出して頂きたいとは思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

それに近い話が淀川部会でありました。いろいろなダムで、選択取水がある場合とない場合を水温で示していますが、流入水温がどうなのか、ダムの放流水温がどうなっているのか、選択取水がある場合とない場合でどう違うかというデータも示させて頂きます。それに該当する部分も少しありますので、次回説明させて頂きます。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございます。

○西野委員(琵琶湖部会)

先ほどのお話ですと、結局、濁水というのは全て一様だという物の考え方から来ていると思いますが、実は濁水というのは中身がいろいろあるわけですね。例えば、魚類ですと、非常に細かい粒子の濁水と、わりと粒子が荒くてストンと落ちるような濁水とを用意し、そこで魚を飼い、観察するという実験データがあります。細かい粒子の濁水ですと非常に魚の死亡率が高いのですが、荒くてストンと落ちる粒子の汚水では、それほど死亡しないというデータ結果になっています。

そうしますと、例えば選択取水の方法をとった時に、かなり細かい粒子が流出し、魚にとっては具合が悪いということになります。むしろ、わりと荒く、ストンと落ちる粒子だとあまり影響が出ないということもあると思います。

もう1点は、農業排水等、現在琵琶湖に流入している排水についても、濁水の何が問題かという部分がまだ十分整理されていません。ですから、その部分も議論しないと、ただ一般に濁水と言っているだけでは、物事をどう解決していったらよいかという方向性は出てこないのではないかと思います。濁水の問題点も一緒に議論したらどうかと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

そうですね、わかりました。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

今の点ですが、非常に大事なご指摘だと思っています。私はデータを持ち合わせていないのですが、実は各河川でアユの冷水病というのが全国的に大きな問題になっています。それがいつ頃から発生したかというと、偶然の一致かも知れませんが、ずっと遡って、大概ダムができてからだと思います。

大きいダムができ、長い間水をためれば、ダムの下の方は物すごく温度が下がってしまいます。それを下から流されたら、アユにとっては悪い影響を与えます。成長も悪いし、冷水病にかかります。

選択取水を行うと、水温調節はできてよくなると思います。冷水病も、川の水温そのものが14度から20度くらいまで高くなっていたら、保菌アユであっても発病しないらしいのです。私は生態学の専門家ではありませんからよく知りませんが、報告されたデータを見ていると、どうもそうらしいのです。

ですから、水温調節も濁水の話も大事です。濁水も、砂の濁水や泥の濁水、それからアオコの濁水等、いろいろありますから一概には言えません。全て考えないといけません。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

その通りだと思います。倉田委員の方から、今おっしゃったデータを是非提供して頂き、そう言えるかどうかということを議論したいと思います。もちろんパラレルな現象だけかも知れませんが、いろいろな意見を是非、よろしくお願いいたします。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

これは耳に入ってきている情報だけです。さらに詳しく、何年何月というように制約して聞いてみると、答えが返ってきません。だから困っています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

委員の方や「河川管理者」はよくご存じのことですが、一般傍聴者の方がもしも間違ってお聞きになるといけませんので申しておきます。丹生ダムの問題は確かに議論をしないといけない、大変重要な問題ですが、この流域委員会は、「河川管理者」その他から、丹生ダムの問題をどうして欲しいという要請は全く受けていません。つまり、丹生ダムというものが本当に必要であるかどうかについて、流域委員会で十分に議論をした上で、琵琶湖全体について部会の意見がある形でまとまるならば、それに基づいて河川整備計画を「河川管理者」が策定するということになっています。

そのような意味ですので、今ダムの話をいろいろ議論しているのは、ダム問題をどうにかしよう、あるいはダムを作るということを前提としているものでは全くないということを、敢えて改めて申し上げておかないといけません。或いは、水位操作のやり方等についても、非常に重要な問題であれば、委員会、部会なりで、操作のやり方等についての議論はも、必ず行うとは言いませんが、当然にあり得てよいわけです。その辺について、流域委員会は全てが前提としてあるとは考えていないというところから出発しているということだけ、ご存知かも知れませんが、敢えてつけ加えさせて頂きます。

そうしましたら、そろそろ次の、「検討すべき課題について」という議題に入ってよろしいでしょうか。

検討すべき課題については、現在委員の方からいろいろなご意見を承っている最中です。それに関しては、淀川部会がある程度のことを、少し早目に進めており、その内容を以前、委員の方にはお配りしています。その辺のことについて、「資料4」を使って庶務から説明お願いします。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

それでは、「資料4」を簡単にご説明申し上げたいと思います。

[省略:資料4説明]

以上です。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ありがとうございます。

まだ取りまとめの途中ですし、いろいろなことを皆さまから出して頂き、それを整理するという形にしたいと思います。他の委員等にも必ず考えておいてもらいたいということ等がありましたら、この場でおっしゃって頂けませんでしょうか。私がサボっていて申し訳ないのですが、全てのご意見を整理する際には、もちろん庶務だけではなく、我々も考えないといけませんが、本格的には12月の部会になってしまうかも知れないと思っています。

庶務の方で全てをきちんと整理してもらうことは可能ですので、項目として挙げるだけではなく、これとこれとをどう関連させて議論したらよいかというようなことも含めてご意見を頂きたいと思います。

○仁連委員(琵琶湖部会)

今までの河川管理といいますか、河川整備計画では、水の物理的な側面、いわゆる洪水流量、渇水流量等を操作、管理するという方針で進んできたと思います。

そういう点から言うと、問題が非常に解きやすいものとして設定されていたと思います。しかし、いろいろな議論が出てきますと、物理的な問題として水の問題を解決し、それに伴って生物学的な問題や社会的な影響等にも対処していく必要が出てきます。生物的な問題は緩和する、社会的な影響は補償する等、どの主問題を解くかということをはっきりさせ、従問題はできるだけマイナスの影響を小さくしていくような手法を導入するという枠組みで、これまでやってきたと思います。

村上委員の話にもありましたが、いわゆる水の物理が主問題で、あとは従問題という関係ではなくて、何が主か、何が従かというのは地域によって違ってくるだろうと思います。この地域では水の物理の問題、例えば洪水問題が主問題である地域もあるでしょうし、ある地域では水域で生息している生物が主問題である、ある地域では安全な飲料水が主問題である、ある地域では生活を支えるための水の循環なり、水の環境というのが主問題になってくる等、ものすごく問題の性質が多様化してくると思います。

さらにもう1つ言いますと、例えば洪水の問題であれば、20年確率から200年確率というような間での時間的な影響を問題にしてきたわけですが、いわゆる生態的な問題を扱おうとしたら、もっと時間軸が長くなるような問題を扱わざるを得ないと思います。或いは、社会的な問題ならば、10年、20年というようなもっと短い時間軸でよいのかも知れません。

視点によって時間軸もかなり違ってきますし、濁水の問題が多分当てはまると思いますが、問題によっては河道の中で解決するような問題だけではなく、流域全体を対象にしなければ絶対解けないような問題もあると思います。取り扱う問題の空間軸もかなり多様になってくると思います。そういう問題についての一般的な計画論的な結論を出すということは、そんなに簡単にできないと思います。

そうしますと、統一的な管理目標を設定し、それを実現する技術的な方法を計画として具体化していくというよりも、いわゆる目標というもの、その地域その地域ごとでつくり上げるということが必要ではないかなと思います。例えば、琵琶湖部会なら、琵琶湖というシステムを考える上で何を目標とすべきかをもう少し議論を深めていく必要があります。

河川管理者は従来ずっとやってきたように水の物理的な側面から問題にする。別の人は全く違う側面の問題を扱うといった具合になって、なかなか意見がかみ合わないでしょう。その辺がかみ合うような共通の土俵と言いますか、目標づくりが必要ではないかなと思います。

そういう点で、私はよくわからないことがあるのです。1つは、河川事業の費用と便益の問題です。この前、大津放水路の地下河川の工事現場を視察させて頂いたのですが、大津放水路は非常に大規模な事業です。大津放水路の事業が対象としている洪水の被害想定区域はかなり広い地域ですね。そこにある財産はたいへん大きな財産です。工事費と比べると、工事費以上の便益があるとおっしゃるわけですが、事業が大規模になればなるほど、便益は大きくなるのです。

費用便益分析ではプラスになると思いますが、費用便益分析の考え方を、全ての河川管理の場に当てはめることができるかどうかという問題があります。その効果が、どういう時間の中で生まれてくるかという問題も、もう一方であると思います。

そのことについて、河川管理者の方から、費用と便益の考え方というものを出して頂き、それをきっかけに、どういう目標を持つべきかという議論を一度したいと思っています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

「河川管理者」から情報を提供して頂くと同時に、仁連委員にもその辺のことについて話をして頂かないといけないですね。是非、お願いいたしたいと思います。

例えば、今おっしゃった大津放水路について、率直な印象を、漠然と申しますと、大津放水路は絶対に、あれが、現段階において必要であるということは重々にわかりますが、本当は、あのようなものを現在つくらなくてもよい状況が、人間の住み方としてあったのではないかと思わないことはないということです。

部会長としてではなく、一委員の発言として言いたいことですが、そういうことも含め、どうしたらよいかという議論は、きちんとしないといけないと思います。便益が発生しない部分をどうするか、必ず議論しなければいけないと思います。委員会だけではなく、部会専任の委員も多くいますが、繰り返しになってでも、そういう議論は是非して頂きたいと思います。

○村上委員(琵琶湖部会)

仁連委員がおっしゃったこと、先ほど私が話したことと関係しますが、今後、議論しなければいけないことの中で、河川管理の体制をこれからどうするのかというのが、非常に大きな問題だと考えています。

今までは基本的に河川管理を行政の方がやってきました。それは江戸、明治時代まで遡ることができるのではないかと思います。それをもう一度、住民が参加する、市民が参加する形でやるということです。こうなると、管理という言葉自体が不適当になってくるのですが、河川とのつき合い方をどうしていくのかというのは、恐らく今回の議論の中で非常に重要な部分でないかと考えています。その点については、先ほどの議論からも、法的な部分もかなり関係してくると思います。ですから、法律関係の分野の人たちの意見も必要なのではないかと思います。

それともう1つ、仁連委員が、空間的なスケールと時間的なスケールについておっしゃいました。例えば、「資料4」にあるように、検討すべき項目としていろいろ挙げましても、それぞれ細かいスケールで議論しなければいけない問題と、大きなスケールで議論しなければいけない問題というのはあります。

河川管理のあり方という部分でも、集落単位でのあり方と、琵琶湖くらいの規模、或いは流域全体の規模でのシステムのあり方、それぞれ違う問題設定の中でやらなければいけない議論なので、どのくらいの時間スケール、空間スケールを取り扱っているのかということは、今後きちっと押さえながら議論していく必要があるなと思います。

○松岡委員(琵琶湖部会)

先ほど寺川委員がおっしゃった水上バイクの問題について、2つお願いしたいと思います。

水上バイクについて、今、狭い領域でいろいろな問題が出ている中で、人間が感じる部分と水の中で起こってくる部分と、2つが一緒になって表現されたと思います。県サイドでは、例えばppmの測定があると思いますが、ひょっとしたら水上バイクをやる時期に、魚をひとつの目安にしてもらったら、もう少しわかり易いかなと思います。

人間でしたら、恐らく許容できる範囲でも魚は反応してしまいます。魚は人間より反応が早くわかるのではないかと思います。もちろん、試験場なり研究機関での調査も進行させながら、県サイドでももう少し調べてみる価値があると思います。

水温が高くなる時期は、稚魚が生まれてくる、もしくは成長する一番大事な過程だと思います。ですから、その時期に何らかの形で反応があれば、もう少し早く目に見える形で表れてくるのでないかなと思います。県サイドにそういう方向で、早急に対応を進めて頂きたいと思います。

もう1点、丹生ダム建設所の所長がおっしゃっておりましたが、選択取水について、高温と冷水のすみ分けについてのお話だったと思うのですが、この件に関しても、人間の視点で考えたシミュレーションをされており、人間の視点で、濁りがいけないから選択取水にするということだったと思います。しかし、例えば温度の高い低いが顕著に表れれば、魚に変化が起こってくると思います。産卵期に温度に急激な変化があれば、当然変化は起こりますし、濁水でしたら発育にも異常な影響も出てくると思います。

一つの目安として、人間のレベルのシミュレーションでなしに、魚のレベルのシミュレーションでやられたら、もう少しよい方向に変えられるのではないかなと、感じています。

○三田村委員(委員会・琵琶湖部会)

私、未だにこの流域委員会の目指すものがよく理解できなくて、それで「資料4」の基本的な考え方にあのようなことを書いてしまい、「お前、今まで何を考えていたのか」と部会長に言われそうなのですが、私自身、整理できてないということもあるとは思うのですが、この流域委員会でも、同じ土俵の中での議論になってないような気がするのです。ですから、何を議論すべきなのかということに戻らないと、私自身は解決できなくなってしまいました。

少し乱暴な意見になりますが、水上バイクの問題が出ましたが、それは委員会、部会の話題として馴染むのかどうかということも、わかりません。もし馴染まないのだとしたら、先ほどの濁水の問題で言えば、南湖の骨材の採取の方が大きい問題だと思います。骨材の影響で、夏場でも密度の大きい水が大量に北湖に流入しているのだろうと思いますけれども、そのような話題を挙げるのがよいのかどうか、わかりません。丹生ダムの問題も私は心に止めていますが、今後どうなるのか、その辺もわからないのです。

もう1つ、行政側と私たちの意見が同じ土俵に上がっていないということもあります。これは永遠の課題かも知れませんが、行政の人たちの物の考え方は組織の物の考え方で、個人の物の考え方ではありません。

例えば、行政の方がお家に帰られて、お父ちゃん、お母ちゃんの立場としての会話内容と、ここで行政の立場として発言されるのとは違うと思います。委員の方は、お父ちゃん、お母ちゃんの立場で発言されるだろうと思います。しかし、行政の方の発言というのは、正しいか間違っているかという判断だと思います。私たち委員は、良いか悪いか、善悪の発言だろうと思います。そのかみ合い方が随分と違うのではないかなと思うので、私自身、どのような立場でこの場にいればよいのか、わからないということです。

できれば行政の方も、国家のための河川管理ではなく、市民のための河川管理という視点からお話し頂けると、私たちと同じような立場でお話しし易いのではないかと感じています。

○井上委員(琵琶湖部会)

三田村委員が言われたことはよくわかります。

河川整備計画についての議論が我が国でも所々で行われていますが、淀川水系は他の河川とは違い、琵琶湖という大きな湖を語らずして、淀川水系を語ることはできないと思います。ですから、いろいろな問題が多々出てきていますが、このように議論できる機会は、今まで殆どなかったと思います。

三田村委員が言われたように、今後どうなっていくのかわかりませんが、取り敢えず、琵琶湖についていろいろと何でもよいから話をした中で、次へ進んでいくのではないかなと勝手に思っています。

○三田村委員(委員会・琵琶湖部会)

もっと乱暴な意見を申し上げますと、流域委員会で琵琶湖の問題を各委員が一生懸命申されても、ひょっとしたら、行政の方は関係ないと思って黙って聞いてらっしゃるのかも知れないと思います。同じ土俵に上がってきて頂いているのどうか、それすら私には理解できません。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

もし、三田村委員の意見が正しければ、「河川管理者」に聞いても無駄だという気がしますし、もしそうでなかったら答えは決まっていると思います。「河川管理者」から何かあればお願いします。

○河川管理者(近畿地方整備局 淀川工事事務所長 宮本)

確かにこの流域委員会のやり方自体は今までやったことのないやり方です。我々も戸惑いがありますし、恐らく委員の皆さま方も戸惑いを感じていられると思います。

従来のように、例えば我々が河川整備計画の原案を委員会に提出し、それに対して意見をもらい、我々が修正するというようなやり方ではありません。

まず淀川水系の現状について認識していこうと、大きな話から小さい話まで、とにかく河川管理者の方からも、出せる情報は出していこうということでやっています。それを踏まえた上で、今度は、我々も課題を持っていますし、委員の皆さま方もどう思ったということについて、出していこうということです。

本日の「資料4」の中に、河川管理者から提出された検討項目がありますが、これも大所高所的な話から、ごみの不法投棄や野犬の話まで、本当に細かい部分まで、我々河川管理者も余りふるいにかけず、我々なりに課題として思い付いたことを全て出してみようということで出しています。

この流域委員会の中で、これは重要な話なので、まずこれから対策を取り上げよう、計画として実施していくにはどうしたらよいかという提言を委員から我々に頂き、それを受けて具体的な河川整備計画の原案を我々がお出しするという形にしたいと考えています。そのために、委員の皆さま方に練ってもらうと言いますか、意見を頂こうというやり方をしているわけです。土砂の汚濁の話にいたしましても、例えば浚渫の方が大きいのではないかということであれば、浚渫の話も問題として出して頂ければ、私はよいと思っています。

従って、後で出してもらうのも結構ですが、これは出してよい、いけないと言う話ではなく、自分たちがこれは問題であると思うことはどんどん出して頂きたいと思います。先ほど村上委員の話にもありましたけれども、まさに目的合理型の計画ではなしに、形態交流型ということで、この前の委員会では鷲谷委員が順応型管理とおっしゃっていましたが、計画のあり方自体も、これまでの計画とは違ったものになっていくと思っています。

それからもう1つ、行政の人間は、国家のための河川管理ではなしに、市民のための河川管理を目指しています。今までは、どちらかと言うと国家のためと言われたかも知れませんが、それを変えようとしているのがこのやり方ですので、我々としては市民のための、或いは地域のための計画をつくっていこうと思っております。

○三田村委員(委員会・琵琶湖部会)

その発言を信じることにいたします。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

今のお考えは非常に正しいと思います。ありがとうございます。

いろいろなことを言って、行政がそれをどう受けられるかは、いろいろなことを言った後のことなので、できるだけ行政が受け入れやすいような物の言い方をしないといけないということはありますが、一方では、非常に自由に、いろいろなことを言って頂くというのが大変大事なことですので、必要だと思います。

○河川管理者(滋賀県 土木交通部河港課長 澤野)

琵琶湖のお話も出ていますが、行政として、県の方からも発言させて頂きたいと思います。

琵琶湖自体は滋賀県が管理しているということで、例えば湖辺域、それに流入する県管理の河川については、県でも同じような形で「淡海の川づくり委員会」を設置し、これからの整備のあり方等について進めているところで、江頭委員に委員長をお願いしています。

淡海の川づくり委員会では、県内全域をブロック分けしながら、そのブロックのそれぞれの湖辺域について、そのあり方を含めて検討しているところです。それはそれで進めているのですが、琵琶湖部会でいろいろ議論された内容について、私はこの部会に出席しているわけですから、参考にさせて頂き、それぞれのブロックで地域の方々と話し合いながら進めています。

一方で、琵琶湖全体に関わるような話題、先ほどの水上バイクのような問題は、河川管理者だけの話ではなく、各課が連携して進めなければいけないような話です。このような話に関しては、各課が連携するチームをつくるとともに、適正利用懇話会のように、漁協の副会長の方といった一般の方にも加わって頂きながら話を進めています。湖面の利用等の話になると、一括りにできない部分は連携しながら進めるというやり方で進めているところです。

河川はつながっており、淀川水系を考える時に琵琶湖の問題も考えなければいけないという意味で、情報提供しなければいけないものは、この流域委員会にこちらから積極的に情報提供させて頂きたいと思います。ただ、その中で、この流域委員会で決めて頂く話、県が管理している範囲内で決めていく話、それぞれあります。最終的な決定場所というのはそれぞれあると思いますが、当然連携し、情報をお互いにやりとりしながら進めていくのではないかと考えています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

項目については、いろいろなレベルのもの全て含めて出して頂く形で十分に整理は可能だと思います。

1つ気にしているのは、住民意見の反映方法についてどうするかということに関して、どういう部分を議論して、どうするかという問題です。

住民意思を反映する仕組みをどう考えたらよいか、これは絶対に委員会及び部会で考えなければいけない問題ですが、それを考える時に、住民意見の反映の仕組みについて、どのように住民意見を反映するかという問題が実はあるわけです。ですから、どういうやり方をしたらよいかということについての議論は、特に委員の皆さまに出して頂くことができないだろうかと思います。これは以前、琵琶湖部会でも発言いたしました。

住民意見の聴取と敢えて言いますが、いろいろな聴取の方法があります。本日、一般の方からお聴きしているのも聴取に違いないわけです。が、しかしどこかへ来て頂いて、「はい、はい」と聴いて終わりにするようなやり方だけでよいとは私は思っておらず、個人的には、この方法では反映されたということにはならないと思っています。もう少し、どういうやり方をしたらよいか、きちんと考える必要があると思います。

そのためにも、試みとして何かやってみるということも部会として必要なのかも知れません。失敗してはいけない、失敗はしない方がよいという考えもありますから難しいのですが、住民意見の聴取に関して、どういう検討項目を議論したらよいかというのを、琵琶湖なり淀川なりの課題の他に、是非、ご意見として書いて頂きたいというのが1つ、お願いです。

もう1つのお願いは、前から言っておりますが、これは琵琶湖部会ですが、淀川の他の部分についてどう考えるかというのが必要です。従って、淀川全体を考える時に、どういうことは議論しないといけないかということも考慮した上で、検討項目を考えて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

以前、淀川部会長である寺田委員と、琵琶湖部会の委員は大阪湾の辺りまでは少し現場を見ておかないといけない、淀川部会の委員は南郷洗堰までという話ではなくて、琵琶湖全部ではないにしても、ちらりと見てもらうことが、ある時期には大事ではないかという議論もしていました。そういう点で言うと、琵琶湖部会は琵琶湖だけに閉じられているわけではないので、琵琶湖に重点を置きながら、琵琶湖の外の部分についてどう考えるかということも、是非、検討項目の中で出して頂きたいと思います。

それから、言うまでもないことですが、一般の方が、こういう検討項目を検討したらどうだと意見して頂くことは歓迎すべきことだと思います。最後の議論の責任は流域委員会が持たねばなりませんが、一般の方からも、こういうことは議論すべきである等、是非、いろいろと教えて頂けるとありがたいと思います。ただ、選択は部会の方でさせて頂きます。

それではこれより、今後の部会の進め方、会議運営等についての報告に入らせて頂きます。

次の部会は11月1日でしたね。時間は決まりましたね。13時30分からでしたか。

○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

はい、決まっております。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

確か、午後から、草津でとなっていたと思いますがどうでしょうか。

○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

次回の部会は11月1日の木曜日、13時半から17時まで、クサツエストピアホテルで予定しております。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

琵琶湖博物館の方が費用が安くついてよいかとも思ったのですが、1つには遠いというのと、2つにはこのような配置の状態で、これだけの人数が入ることは不可能ですので、諦めてクサツエストピアホテルをとって頂きました。

次々回の部会辺りは、また大津での開催ということになるのかも知れないと思っています。その次々回の部会はいつでしたか。

○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

現地視察がどうなるかということがございますが、次々回の部会は、会議では12月21日金曜日となっています。これにつきましては、委員の皆さまに午前中の2時間で開催するか3時間で開催するかをお伺いしている最中です。場所は、大津のピアザ淡海を予定しています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

別に強制するわけではありませんが、やはり2時間というよりは、せっかく集まるのでもう少し長い時間議論した方がよいのではないかと思っております。ご都合をお考え下さい。

さて、その次に、ちらりと言葉が出ましたが、現地をどう見るかという議論です。

最初に、10月にはいかがですかと言うことでお伺いを立てたところ、参加できるとおっしゃった委員は7人くらいが最高でした。従って、部会としては正式には成立しないという状態でした。このため、改めて11月についてはどうかというご連絡をいたしました。

結局、10月に参加できる方は2人しかないというこになりました。つまり、10月に時間をとることが不可能な状態であるというのは明白です。そこで、10月は当然視察を行わないわけですが、11月に、現時点の段階で現地視察を行うかどうかという議論があります。これについては何人かの方から、むしろ問題をある程度まで絞った上でやるべきだというご意見も頂いています。逆に、そうは言っても、1つくらいは現地を見た方がよいというご意見もあります。

私の言い方で言わせて頂きますと、委員の皆さまのご意見の比較的多かったのは、川を1本、上流から下流まで全部見て、沿岸を見るというのはどうかというご意見で、3委員から頂きました。その場合、安曇川はどうかというのがありました。川を上流から下流まで見ただけではどうにもならないという意見も、もちろんあります。

ここから先は私が勝手なことを言うわけですが、上流から下流までというのは、一般的に見るのは当たり前だということもあるかも知れませんが、安曇川も含め、いろいろな川の中では、途中にいろいろな小さい工作物等があり、例えば砂や砂利がどのような現状であるのか、どこの川がどう悪いとかよいとかという問題ではなく、一般に川はどのような状態なのかということはご存知だと思いますが、一遍、委員の皆さまで見るということは一つの手であると思います。

また、もし現地視察をするとすれば、住民のご意見をお聴きする機会を、どこかでもってみるのもあり得るのではないかと思います。

これまでも現地調査の時に住民からのご意見を聴く機会をつくりましたが、私流に言うと、その時には、逆に焦点が絞られていました。大津放水路ではどなたもご意見がありませんでしたが、丹生ダムサイトの辺で集まった時には、丹生ダムの話が議論されましたし、新海浜では新海浜における現在の問題を出して頂きました。また、西の湖では、ヨシ等を中心とする問題について、ご意見を頂きました。

このようなご意見自身は大変大事なことですが、逆に言うと、そのようにきちんと決まった問題でない、例えば安曇川なら安曇川の中流で、「さあ、安曇川という目の前にある川について、皆さまはどうお考えですか」と曖昧ですがお聴きするという方法もあるかも知れないという気を起こしています。正直に言うと、少し苦し紛れですが、そのように考えています。

11月にもし現地視察を行うとしても、部会として成立する可能性は殆どありません。絶対に現地は見るべきだと思いますが、組織の人間としては、部会にならないようなものに参加するのは躊躇するというご意見も、委員の中にはありました。そのような状態で、皆さまはどうお考えかということです。

前回の部会で、何か問題が起こっている時には、どうなっているのかきちんと現地を見に行くことがあり得るという話がありました。水上バイクの話等が出ていましたが、現地視察の時期はもう少し先ですので、丹生ダムを考えるのであれば、もう少し丹生ダムについての議論をきちんとしてからでないと駄目だということがありますが、現段階で、そのような方法で現地を見ることをやってみた方がよいとお思いになるかどうかという議論もあります。

部会として、成立する見込みがないことは明白ですが、何名かの委員で、現地を見に行く方がよいとお考えになるかどうかということです。特に何かご意見はありますでしょうか。

ついでに言いますと、内々で、正式の部会でなくても、いわゆる「河川管理者」が何人視察について来てくれるかを聞きましたが、何とかなるだろうとの返答を「河川管理者」から頂いております。正式の部会となれば、「河川管理者」が出席しないのはけしからんという言い方は当然できるでしょうが、人数が少なく、正式な部会として開催できない時には、それは言えないわけですから、その辺も含め、どのようにお考えでしょうか。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

先ほどの三田村委員のご意見に関連することですが、この流域委員会の目的は、今後策定する河川整備計画のあり方と、その計画に反映されないものについては、河川事業として取り組まないということに対する具体的なアウトプットを出すことにあると思います。

そうすると、当然、そのようなことに関する問題は、最低限議論しないといけないと思います。それにどれくらいの時間と労力を費やすのかということが非常に大きな問題になってきて、具体的な課題からでもよいのですが、例えば丹生ダムや水上バイクの問題、濁水の問題等、既に相当分の課題が出てきたものを中心にして、最低限まとめましょうということを、まず確認することは重要だと思います。

そうすると、既に先ほどの議論であったように、河川整備計画に関わる部分が非常に重要なので、河川整備計画に反映させる事項として、取りまとめることは目的としますが、それを遥かに超える部分が議論の中に大きくあり、その中の一部として、我々流域委員会として貢献しますという共通認識ができると思います。来春の3月に出すべきアウトプットを、流域委員会として共通のイメージを持たなければ、いろいろなことをやった上で中途半端な議論しかできなかった、或いは、一方的な見方でしか流域委員会の結論が出なかったというようなことがあり得るかも知れないので、その辺について、最低限集約するアウトプットイメージを共有化するということを前提にして、先ほど部会長がおっしゃったような、市民の意見の聴き方等を決めていくという方がよいのではないかと、今の感触として持っています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

今のお話は、現地調査の話とは無関係ですね。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

現地調査も、その中でどう実施するのかということがあります。例えば、ある一定の課題はこなさないといけない。そのこなさないといけない課題に関連して、ここを視察するということもあるかも知れません。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

ということは、11月には視察をしない方がよいというご意見ですね。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

いえ、今決めることができればその方がよいと思います。4つか5つくらいの、ここは中心にしてアウトプットを出さないといけないだろうということが決まれば、当然それに関わる部分がでてくると思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。中村委員から、例えばこれとこれとこれは絶対アウトプットとして出す必要であるというものをお出し頂ければ可能です。しかし、私が中村委員に教えて頂かない状態で、現段階でアウトプットとして出すものが5つであると決めることは、私の能力を完全に超えます。中村委員からアウトプットとして出すべきものを教えて頂けませんでしょうか。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

既に挙がってきた課題で、河川整備計画の仕組みづくりや、今後の計画のあり方、直轄河川と琵琶湖の関係等が現れてくる、或いは、対立する見解を調整する仕組みづくりが現れてくるのは、例えば、化学物質問題のような湖面利用のあり方という課題が1つあります。この問題は、もう少し議論してもよいと思います。それから、丹生ダムについて、これは法制度、当事者のことも含め、やらないといけないだろうと思います。

それから本日たまたま出されましたが、ずっと気になっていたのが濁水問題と、数十年にわたって水の仕組みが変わったことによる琵琶湖への影響についてです。この辺りは情報を少し多面的に、例えば農業サイドからも必要ですし、化学物質の場合には法制度上、規制等の対応ができるのかというようなことも必要になってきます。

丹生ダムの場合には、琵琶湖総合開発の時点での政治的な決断の背景と現行の法制度、それから、仮に委員会が結論を出した時の位置付けのようなことも見えてくるのだろうと思います。それと関連して漁業の話等いろいろありますが、その辺りを議論していけばかなりの部分が見えてくるのではないかと思います。

このような事項について議論して行けば、アウトプット、直轄河川の河川整備計画の関連性等も見えてくるのではないかと考えています。あと幾つかあるのでしょうが、少なくともこのような問題は、共通認識として出てきているのかなという気はします。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

前から言っていますように、基本的には少しでも、一回でも多く現地を見た方がよい、現場に行った方がよいという意見です。

この前提案がありました安曇川の上流から下流というのも、私もすごくよいなという印象でした。ただ、これまでの議論等をまとめていきますと、本日も漁業者の方もおっしゃっているわけですが、丹生ダム、いわゆる高時川、姉川が、今後、判断していく上で非常に大きなウエイトを占めるだろうという意味で、しっかり丹生ダムを上流から下流まで、もう一度見ることが必要だと思います。そこで共通認識をお互いに持っていくというのが、これまでの議論の発展からも一番相応しいのではないかなという感じがしております。

そういう点で、11月には委員の皆さま、非常にお忙しい方ばかりというのはわかるのですけれども、何とか万障繰り合わせて、これからの21世紀、20から30年という長い一つの川づくりというのを、是非ともこの淀川水系から発信できるような、国土交通省もそういう思いだと思いますので、私らも何とかこの時期に頑張って視察をしておく必要があるのではないかと思います。

そうでないと、せっかくこの部会でいろいろ議論しても、何となく中途半端に終わりそうな感じもしますので、私は何度でも参加したいと思っております。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

丹生ダムのことを問題にするということについて、中村委員と同じように一つの案を出して頂いたということで、私の意見とは全く違いますが、それは構いません。

ところが、丹生ダムの問題を扱うとして、現段階で11月に丹生ダムを上流まで見るということに、どれほどの意味があるのでしょうか。つまり、いろいろな議論をした上で、こういう問題は見ようという場合には必ずどこかで丹生ダムを見る必要があると思います。むしろ、議論をした上でのことになるのではないかと思います。私の考え方は間違っているかも知れませんので、当然、違う言い方、違う理屈でももちろん構わないので、その辺についてご意見頂ければと思います。

○松岡委員(琵琶湖部会)

安曇川というのは、皆さまに真剣に見てもらわないといけません。琵琶湖の魚の拠点となっている安曇川と姉川は、琵琶湖のアユ資源をつくっているキーポイントです。ひょっとしたら両河川とも、アユの資源としての場が消える可能性があるのです。片一方の河川だけをある程度方向付けしたとしても、両河川ともに、人工河川という大きな組織、稚魚を育てている場所があるのです。この場所は、琵琶湖の河川の大半を左右しており、両河川とも、河口に人口河川をつくっています。河川の上流で起こっていることが、今重要な問題です。漁民の生活のもとになる、もしくは琵琶湖漁業を揺るがすという意味で、皆さまに真剣に見てもらい、何らかの方向なり明確さを出してもらわないといけません。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

松岡委員のおっしゃるのは、人工河川のことですか。

○松岡委員(琵琶湖部会)

はい、人工河川のことです。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。それは私も大事なことだと思いますが、部会として開けない状態のもとで、見なければならない理由がありますか。

○松岡委員(琵琶湖部会)

1年に1度のことだからです。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

なるほど、ちょうど産卵期だということですね。

○松岡委員(琵琶湖部会)

産卵期はもう終わっていますが、そのようなことです。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

申し訳ありません。予定していた時間を過ぎてしまいました。あと15分でどのようなことがあっても部会を終了いたしますので、ご了承ください。

私の意見とは違いますが、中村委員のご意見は大変大事だと思うので、その辺について委員の皆さま、どうお考えになりますでしょうか。

私個人としては何故かというと、今、丹生ダム問題を議論するとなると、琵琶湖に対する問題を殆どまだ議論していませんから、私には丹生ダムの問題は議論できません。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

今の話の中に抜けている点として、私が安曇川にこだわって提案したのは、直轄河川ではないという点で是非、視察して欲しいということを申し上げたのです。河川管理者の方たちは、直轄河川はよくご存じだろうけれども、そうでない河川へはあまり立ち入りにくいのではないだろうかと思います。

本日もたくさんデータを配られましたが、全てデータは特定の側面から切りこんだものです。実態を見るという時は様々な側面から、極めて総合的に見ることができるのが現地視察です。現場へ行って実際に見るということが物すごく大事で、河川管理者の方にも一緒に見て頂き、直轄河川以外の河川を見るという意味でも重要だと思う条件を1つ加えます。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

安曇川はおもしろいというのは、別の意見としてわかります。現地視察については後で討論しましょう。回しにし、今、一番大事なのは中村委員の話だと思います。つまり、河川整備計画というものが、過去どのようなものであったか、一般的なイメージを中村委員はきっと持っており、そのイメージの中で、必ずこの課題とこの課題が重要だという意見は出てくると思いますので、そのことについてきちんと議論したいという立場だと思います。それは決して悪くなく、非常にはっきりした考え方だと思います。

つまり、中村委員がおっしゃるようなやり方で、今後進めていくべきかどうかということです。この部会をそのようなやり方で進める方がよろしいかということですが、はっきり言うと、これまでの私のやり方とは正反対のやり方であるということを申した上で、今の段階ではそうすることがよいかどうかということです。



○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

前回の委員会でも、中村委員の方から似たようなご発言があったと思います。

つまり、この流域委員会は、スケジュール的にも長いようで短い、議論ができるようでできないと思います。先ほどからのお話のように、現地に行こうと思っても参加者があまりにも少ないということで、必ずしもスムーズに進展しているとは言えません。時間的にも、尻切れトンボになっていることは否めませんし、会場にお見えになっている一般の方や住民の意見をどのように組み入れていくかということを聴く、或いは、河川整備計画に住民の意見を反映するような仕組みをつくる等、いろいろな課題があります。次のステップとしては、それらを集約していかなければならないだろうと思います。

中村委員のご意見は、このままでまとめに入っていってよいのかどうか、どこまでいけるのだろうという懸念があっての発言であったのではないかと思っています。そういう意味で、ある程度見通しを持って、一定の結論を出しておいた方がよいのではないかということだと思います。しかし、結論が出せなかった部分について、どうやっていくかということも、ここの部会の課題ではないかと理解しています。

この点については私も同感で、いろいろな反省の上に立ち、いわゆるよい川をつくっていこうというのが、委員会及び部会の大きな位置付けだと思います。

そうしますと、国土交通省、或いは河川整備計画案について意見を言うこの流域委員会で、果たしてそれだけの大きな仕事が可能かどうかという辺りで、当然、先ほどから出ていますような農業排水による濁水等は農林水産省等、或いは水質の問題は環境省や厚生労働省等、そういった省庁間とも連携して話を進めなければ、この流域委員会で幾ら議論して、これがよいということになっても、果たしてそれでうまくいくのか疑問に思います。

県ともいろいろな話をしておりますが、琵琶湖という非常に大きな問題があるのに、これは滋賀県が管理しているので、流域委員会で触れてよいか悪いかという、管理区間の問題があります。県は県で淡海の川づくり委員会をつくり進めておりますが、流域委員会との具体的な連携について、現在はありません。

そういうことをいろいろ考えていきますと、中村委員の意見については、どこまで絞り込めるかということについては難しいと思いますが、ここまではという一定のものを持ちながら、次の受け皿について考えていくということは必要だと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。

○村上委員(琵琶湖部会)

川那部部会長がおっしゃった、これからこの部会をどう進めるかという点についてですが、私の意見としては、従来のように、河川整備計画の原案が出されてから議論するという方向ではない、今までのような進め方を希望します。

その理由ですが、今回、河川管理者の方からもこういうことを検討すべきという項目を出して頂きました。この項目がなければ非常にやりにくいと思いましたが、この項目があるので、河川管理者の意見と委員の意見とを刷り合せる作業が恐らく必要になってくるのではないかと思います。

委員会、部会の中で河川整備計画の枠組みをこれから考え、こういうものが必要であろうというものをつくった上で、従来のものと見比べ合わすという方法が取れるのではないかと思います。

ただ、中村委員の発言の中で、過去、どういう経緯があったのかというような、政治的な部分をきちんと見直すことが必要であるとは思っていますので、混同してはいけないなと思っています。

それと、三田村委員や寺川委員がおっしゃっていることで、この部会の位置付けが明確でない、居心地の悪さ等があると思います。それは何なのかというのを考えると、今やろうとしていることと2つ、そぐわない部分があります。

1つは、できるだけ全体的な問題を議論し、それをどうしようかということを言っているのですが、国土交通省の直轄管理区間外の問題がまずあるということです。それは国と県という問題もあるし、農林水産省等の他省庁との兼ね合いもあります。

もう1つは、河川整備計画についての意見を出すことがアウトプットであるということです。そうすると、一見遠回りの議論が非常に多いというのがあります。河川整備計画について意見を出すことは最終的なアウトプットなのでしょうけれども、その議論の中でやってみる、川那部部会長がおっしゃった新しい試みであるとか、その議論に出てきた、例えば包括的な役割はこういうことをしなければいけないというのがまずあって、その中で、河川整備計画に欠けるものはこれだけということになるかも知れませんが、その途中の成果物が、実は大事なのかも知れないというようなことを、今感じています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

あと5分になりましたので、自動的に切らせて頂きます。

次の部会では、例えば小林委員が初めて出席し、琵琶湖の植物環境についての情報を提供するとおっしゃって頂いています。それから、井上委員からは、人と川との関わり方についての情報提供をして頂く予定です。つまり、過去に関する、或いは現在に関する情報提供をまずは行うというのが、この流域委員会の最初のあり方であったと私は思っており、それもまだ済んでいないのではないかと思っています。

しかも、最初から、川というものに関して委員の皆さまはどういう考え方を持ち、どうあるべきだと思っていらっしゃるのか、必ず聴くというように委員会で決められています。そういうものを聴かない前に、個々の問題について議論するというのは、私は従来の流れから言うと不可能であると思います。

しかし、確かに少しずつ、スケジュールが遅れてきているということは事実でありますので、この点については申し訳ありませんが、次の部会まで、11月の初めまでに委員の皆さまにお考え頂けませんでしょうか。都合によっては、私の意見とは無関係に、多数の意見に従います。私流に言えば、従来と同じように、河川整備計画に合うべきものを先に選ぶというやり方をこの部会が選択されても一向に差し支えありませんが、私の真意ではありません。この件について、本日はこれで終わらせて頂いてよろしいでしょうか。

逆の言い方で申せば、3月か4月頃に、河川整備計画の原案についての議論をある程度までしないといけないというのがあります。私は、河川整備計画の原案を私どもがつくるとは全然思っていません。国土交通省、近畿地方整備局が、河川整備計画をつくる時に、どのようなことを考慮する必要があるか、十分に理解される程度のものをこの流域委員会でつくることで私は十分だと考えています。

申し訳ありませんが、国土交通省から出てくるきた河川整備計画の原案が、こちらの思っていた議論ときっちり合うとはとても思えません。そうすると、その部分で、またそれを議論しながら検討していくということが起こると、私自身は思っています。その部分については両方のやり方が当然にありますし、私自身も遅れていることに対して大変申し訳ないとは思っています。

その辺のことを11月1日の部会の最初に、少し議論をして頂くということにいたしましょうか。そういうことでよろしいでしょうか。

○藤井委員(琵琶湖部会)

川那部部会長がおっしゃった川に対するイメージ等、そういうところの議論はまだきちんとできていないのは確かで、私自身が情報を出せないのですが、ドイツ等、川の自然再生等を含めたプログラムが、海外では随分多くみられ、自然再生に向けて住民が参加しながら、どのようなプログラムをつくっていくかというプロセスまで含めて、随分おもしろい河川があります。日本でも、もしそのようなモデルとなる河川があればよいのですが、そのようなものを是非、見たいと思います。

私は、18日からドイツに行きます。その時、自然再生の河川等も少し見てくる予定です。但し、もっと多くの情報が河川管理者でもお持ちであれば、そのような部分も是非、情報として頂けたらと思います。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。

藤井委員からも是非、情報提供頂きたいと思いますし、国土交通省もいろいろな格好での議論をしていらっしゃることは私自身も十分に知っていますから、そのような情報も提供して頂ければと思います。

○村上委員(琵琶湖部会)

今、川那部部会長が3月の段階で河川整備計画の原案までつくる必要はないとおっしゃいましたが、委員各々の中で、ある程度、原案についてのイメージを持っておくべきでないかという気がしています。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

それはその通りです。

○村上委員(琵琶湖部会)

そうでないと、私はこの専門ですからここまでだと言ってしまうと、河川管理者はここまで、委員はここまでとなり、それではやはりうまくいかないという気がしています。

ですから、今回この流域委員会に求められているのは、恐らく委員各々が、河川整備計画をつくる立場に立つ必要があるということであって、自分であったらどうつくるのかということは常に持って、議論をしておく必要があるのだろうと考えております。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

11月後半に開催予定の委員会で言う台詞として予定していたので、現段階ではあまり言いたくないのですが、最初のところだけ申させて頂きます。知恵を出すのは政府であるという考え方は、やめた方がよいと思っています。知恵を出すのは市民か住民であって、それをいかに汲み上げて見事におやりになるかが行政であると思っています。これは、全く個人的な意見です。

そういうことがあり得るのだとするならば、個々のものについての議論は当然にしないといけないわけで、中村委員から本日おっしゃって頂いて大変ありがたいのですが、それと同時に、もう少し広いところでの議論も並行してあった方がよいのではないかと思います。ちょうど発言して頂いてありがとうございました。11月1日の部会には、その議論も含めてさせて頂きたいと思います。

そうなりますと、11月の現地視察については、可能性のあるのは11月20日の火曜日だけです。それ以外には全くありません。11月20日の火曜日だけが、今の段階のままでいくと7人出席して頂ける可能性があります。これについては申し訳ありませんが、数日のうちに決めたいと思います。20日には部会ではないが視察を行うということで、できるだけ来て頂けるかどうか、後日お伺いいたします。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

11月20日の現地視察について、国土交通省は都合がよいのですが、県の方でいろいろご予定がありますので、県の方はその中で最大限がんばって頂くという対応をさせて頂きます。滋賀県河港課長は視察に同行することができず申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

現地視察の件については庶務を通じて、できるだけ早い機会に対応して頂きたいと思います。部会ではありませんが、懇談会をやるから来て頂けませんかという言い方しかできませんが、それについても、行ってやろうという方がありましたらという程度のことにいたしたいと存じます。

尻切れトンボで申し訳ありませんが、30分たったらどのようなことがあっても部会を終えると申しており、後の予定が入っていらっしゃる方もあるかも知れませんので、これで終りにさせて頂きます。

庶務から最後に何かありますか。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

会議運営のルールについては「資料8」に書いておりますので、ご覧頂きたいということで、お願いいたします。

○川那部部会長(委員会・琵琶湖部会)

私の進行が悪くて、またいつものようにぎりぎりになり誠に申し訳ありませんが、お許し下さい。11月1日の部会では、もう少し議論をさせて頂きたいと存じております。

どうもありがとうございました。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

どうもありがとうございました。

それでは、これにて琵琶湖部会を終わらせて頂きたいと思います。どうもありがとうございました。

 

以上

 

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