淀川水系流域委員会 第1回委員会議事録

日時:平成13年2月1日(木)10:30〜11:25
場所:京都センチュリーホテル1階「瑞鳳」



 

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

それでは、これより、淀川水系流域委員会 第1回委員会を開催いたします。

司会進行は庶務が行います。庶務は、先程の設立会で正式に担当することになりました(株)三菱総合研究所です。若干、フライング気味に準備を進めさせて頂いていたこともありますが、正式には今から庶務担当ということになります。私、関西研究センターの恩地でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それから、委員の皆さまには、事前に検討を行えるように資料を送付させて頂いております。ただし、今回は資料準備が少し遅れましたので、直前に送付することとなり、申し訳ございませんでした。今後は、少しでも時間の余裕をもって資料を送付させて頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、議事次第がお手元に配られていると思いますが、次第に従って進行させて頂きたいと思います。

では、早速ですが、委員長、部会長の選出に移りたいと思います。

先程の規約では、委員会委員の互選により委員会の委員長及び琵琶湖、淀川、猪名川の3部会の部会長を置くことになっています。

これについては、今回、事前に調整をして、「この方にお願いしたい」といったことは一切やっておりません。本日、いきなり引き受けて頂くことになりますが、よろしくお願いいたします。

それでは、互選のお話し合いをはじめて頂ければと思います。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

一般傍聴者として、準備会議に4回出席致しました。近畿地方整備局とともに、このような淀川水系流域委員会の立ち上げまでもってこられた準備会議の4委員の方々、その中で議長を務められた芦田委員が中心にやって頂ければよいと思います。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

私もそれで結構かと思います。芦田委員に委員長になって頂いたらと思います。

○芦田委員(委員会)

他に適任の方がおられると思いますが、これを断ると、私がやろうと立候補する方もおられないと思います。委員の方々からご協力頂き、何とか務めさせて頂きたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

[全委員:拍手]

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

委員長は、芦田委員にお願いするということでよろしいでしょうか。また、琵琶湖部会長、淀川部会長、猪名川部会長をそれぞれ決めて頂く必要があります。部会長についてもご意見を頂ければと思います。

○芦田委員長(委員会)

私から発言させて頂いてよろしいでしょうか。

4人で連帯責任をもって進めるということで準備会議を進めてまいりました。その延長で、連帯責任をもって頂きたいと思います。準備会議委員の3人に、それぞれ部会長をお願いしたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

[全委員:拍手]

○芦田委員長(委員会)

幸いにも、各部会に1人ずつおられます。琵琶湖部会長は川那部委員に、淀川部会長は寺田委員に、猪名川部会長は米山委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

[全委員:拍手]

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

ただ今互選頂きましたように、委員長には芦田委員、琵琶湖部会長には川那部委員、淀川部会長には寺田委員、猪名川部会長には米山委員と決定いたしました。よろしくお願いいたします。

それでは、ここで委員長になられた芦田委員にご挨拶をお願いしたいと思います。委員長席を会場中央付近に設けていますので、そちらにお移り頂いてからご挨拶願いたいと思います。部会長に決まられた委員の席には、プレートを設置させて頂きます。

本日は、誰が委員長になるか、事前に全くわからない状況でした。いきなり議事進行するのも大変かと思い、議事進行(案)を委員長席上に置かせて頂いています。必要に応じて参考にして頂ければと思います。

[移動:芦田委員長]

○芦田委員長(委員会)

この委員会は非常に大変な委員会で、上手く進めることができるかどうか、ちょっと自信もございませんが、改めまして、委員の皆さま、よろしくお願い申し上げます。

挨拶としまして、お願いしたいことも含め、私の川づくりについての思いを述べさせて頂きたいと思います。

先ずは、川づくりの基本的な考え方です。川というのは、我々人間にとっても生物にとっても非常に重要な空間で、様々な関わりをもっています。川は多面的機能をもち備えているのです。ですから、1つの視点で考え、川づくりをしたのでは、他に悪い影響が出てくるということが、当然起こり得ます。

従来、例えば治水なら治水の視点が非常に重視されました。それはそれでよいことですが、その反面、いろいろな生態系に影響を及ぼしてきました。これからは総合的に考えていくことが非常に大事だろうと思います。しかも、治水と生態系の問題は、相互に矛盾することが多々あり、非常に難しい問題も含んでいます。いずれにせよ、様々なことを考える必要があるということが大切ではないかと思っております。

それぞれの分野を代表し、分野の専門家としてこの委員会に入って頂いておりますが、その他の分野についても思いやりをもって頂きたいと思います。非常に口はばったい、不遜な言い方でございますが、これは私自身に対しての反省でもあり、私自身にも言いきかせているわけです。その点を是非お願いしたいと存じます。

現在だけでなく、将来についても影響が出てくるわけで、現在生活している我々だけよければよいというわけではありません。非常に難しい問題です。

次に、どのような川づくりをしていくかという手法ですが、委員が多くの分野から成る場合、いきなり議論してもなかなか噛み合わないのではないかと思います。先ず、1つの共通の土俵づくりが必要であると思います。その土俵づくりは、やはり客観的な情報を共有するということが重要ではないかと思っています。

現在、淀川水系において、どのようなことが起こっているのか、治水上どうか、或いは環境ではどうか等、いろいろな分野についての現状を客観的な情報に基づき把握するということです。しかも、これらは相互に絡み合っています。例えば治水上、水害の危険性のある場所を直す場合、それによってどのような効果があるのか、それが他にどう影響を与えるのかということを総合的な視点から考えていく情報を、先ず委員皆で共有する必要があるのではないかと思います。

近畿地方整備局は情報をたくさんもっているのですから、必要な情報をどんどん、ありのままに出してもらうことが一番大事です。また、それだけでなく、学識者がもっている情報、或いは地域住民がもっている情報等を皆で出し合い、それらの情報を共有することが必要です。お互いに情報を共有することができれば、1つの土俵づくりができたことになるのではないかと思います。

今後、どのような川をつくろうかということになると、これは人々の価値観により相当変わってきます。自由にどんどん意見を出して頂き、議論をし合うということが大切ではないでしょうか。議論を重ねることによって、1つの方向性は見えてくると思います。完全に一致するかどうかわかりませんが、それはそれで仕方がないと思います。できるだけ議論が噛み合うような形で展開していくということで、情報を公開・共有し、その上で、皆でよい川をつくろうとする同志であるという意識で、この委員会を進めていくことが重要です。

今後のスケジュールでございますが、1年半くらいで河川整備計画に対して意見を出せるかどうか、ちょっと不安もありますが、今、淀川水系で何が起こっているのか、起こっている事象間の関連、分析を的確に把握する必要があります。これまでの反省の上に立って新たにスタートするためにも、現状の的確な把握に会期の半分くらいは要するのではないかと思います。今後、このようなスケジュールでやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

次に審議を進めていくことになりますが、委員会で何を公開するかについても委員会で決定し、委員会で決定した方法に従って公開するということになっています。本日は傍聴者の方々に来て頂いているのですが、規約に従えば、一旦、この場を退席して頂く必要があると思います。しかし、準備会議の際も傍聴者は退席せず、着席のまま進行させて頂きましたので、委員会での審議についても、このまま引き続き着席して頂ければと思います。よろしいでしょうか。

それでは、議事次第に従い、これより審議に入りたいと思います。芦田委員長、よろしくお願いいたします。

○芦田委員長(委員会)

では、ただ今から審議に入りたいと思います。

先ず、議題の第1番目、淀川水系流域委員会の情報公開について審議したいと思います。庶務より資料の説明お願いします。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

それでは、説明させて頂きます。

[省略:資料−1「流域委員会の情報公開について」の説明]

○芦田委員長(委員会)

それでは、流域委員会の情報公開について、ご意見を伺いたいと思います。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

最初に確認ですが、淀川水系流域委員会規約の第7条第2項は、正式にはどう変えたのでしょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

「整備局長は、前項で定められた内容に従って、情報公開する。」です。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

○芦田委員長(委員会)

その他、ございませんでしょうか。情報公開は、非常に基礎になる大事なことです。方法についてもいろいろと資料に書いてありますが、ご意見をお伺いしたいと思います。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

答申書の基本方針に、「流域委員会は、NGOを積極的に河川事業を担う主体ととらえ、NGOへの情報提供を積極的に行う」とあります。「NGO」という表現は、「NPO」とした方が適切ではないかと思います。

NGOというのは、Non-Governmentalですが、NPOというのは、Non-Profitで、もっと範囲が広くなります。最近はNPO法案もできました。いろいろな団体がたくさんありますし、原則的にはNPOにした方が広くなるという感じがします。

○芦田委員長(委員会)

資料−1には、「NGO」と「NPO」の両方を書いておいてもよいですね。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

両方書いて結構だと思います。NGOは、基本的にはNPOの中に入ることになると思います。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

若干、ニュアンスが違う部分があるので、併記しておいて頂いた方がよいと思います。

○芦田委員長(委員会)

そうですね。NGO、NPOと併記しておいた方がよいですね。そういたしましょう。

その他にございませんでしょうか。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

かなりラジカルな意見ですが、問題があるということだけ指摘させて頂きたいと思います。

1ページ目下段、「会議の公開と運営」の3項目に、「準備会議の運営は、河川管理者と一線を画し、第三者的立場で民間企業が行った」とあります。官と民の関係から考えると、いかにも第三者的立場ですが、(株)三菱総合研究所がどういうプロセスで準備会議の庶務として選ばれたのか、プロポーザルなのか、コンペなのか、或いは単純に金額の入札なのかという点が気になります。

単なる入札ですと、志の高さや構想の中身に関係なく、金額で決まります。まして、ソフト事業は、大変評価しにくいところですから、そういう部分まで含め、どこまでラジカルに公開できるのかということがちょっと気になります。今年は(株)三菱総合研究所でしたが、次の年は入札で他社になるということはよくあることです。

「第三者的立場で民間企業が」という表現はいかにも公平、透明のように見えるのですが、その公平、透明を確保するための手法を少しご紹介頂けたらありがたいです。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

今回、どのように選定したかご説明いたします。

準備会議の庶務につきましてはプロポーザル方式でやっております。先ず、どういう業者を選ぶかにつきましては、会議運営に馴染んでいるという観点で、「総合研究所」と呼ばれるところを4社選定し、プロポーザルの申し出をしました。結果として、3社からプロポーザルに対して応募があり、今までの会議の経歴、技術者の選定能力、会議運営内容について審査をし、最終的に(株)三菱総合研究所を選ばせて頂きました。

今回の淀川水系流域委員会については、準備会議でやってきた経験を踏まえ、(株)三菱総合研究所に任せて十分に問題ないということで、随意契約で委託させて頂いております。

従って、来年以降どうなるかについては、委員の方々が特に問題なければ、そのまま随意契約をすることになるのではないかと思っております。

以上です。

○芦田委員長(委員会)

よろしいでしょうか。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

プロポーザル方式の方が、純粋に金額入札よりは、少なくともソフト事業ではよいと思います。それから、年度ごとではなく、ある程度、融通を効かせた随意契約により、事業の継続性を確保して頂くのは大変大事だと思います。

○谷田委員(委員会・淀川部会)

随意契約でもよいケースもあると思いますが、来年の随意契約をそのまま自動的に認めるというのは、現時点では芳しくないと思います。毎年プロポーザルしてもらうのも、案外よいのではないかと思います。過去の経緯だけで、ずるずると同じ企業がやり続けると、全く改良がなされません。今回の資料の準備状況からいって、百点満点とは決して言えません。やり方は、委員会で多少議論して決めていくのがよいと思います。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

準備会議の委員を務めました川那部です。

これは大変大事なことだと思います。準備会議における庶務のやり方は、もちろん百点満点ということは世の中にあり得ないことですけれども、かなりの程度、よくおやりになりました。私の判断する限りにおいては、発注先である河川管理者の意見だけではなく、委員会の意見を特に中心に考えて頂いたという実績はあるという気がいたします。

これからのことについて、委員会でいろいろな意見を出すことは必要だと思いますが、準備会議から流域委員会に移る際の判断については、私が先程述べた通りです。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

私も数年間いろいろなことに携わり、業者選定における公平性、透明性を確保できるような実態づくりについて考えています。準備会議のときから一般傍聴者として参加させて頂いたのですが、やはり、(株)三菱総合研究所はよくやっておられたと思います。一般傍聴者として発言させて頂き、それに対する対応等を考えると、とてもよかったと思います。期間がなくて結構忙しかったというところも、よく電話等での処理等で感じます。我々も川とまちのフォーラムとしてやっているのですが、ものをまとめたりすると、結構大変です。そういうことも考慮しますと、(株)三菱総合研究所はよくやられたのではないかと思います。

○芦田委員長(委員会)

今のところ、非常によくやっているということですが、今後はどうなるかわからないということで、ずっと引き締めてやって頂きたいと思います。

その他に何かございますでしょうか。

○吉田委員(委員会)

「ホームページ開設」とありますが、河川事業は国民のものであり、たくさんの方に関心をもって頂く意味でも、非常に大事だと思います、会議の場に足を運べる方、傍聴できる方はどうしても限られてしまいます。

昨年、愛知万博検討会議を12回行いました。毎回インターネットで会議のリアルタイム中継を行い、全国の人たちはかなり関心をもちました。しかし、これは、かなりお金がかかります。1回200万円くらいかかるようです。そこまでする必要はないかもしれませんが、なるべく早く、淀川水系流域委員会のホームページを立ち上げて頂くことが重要だと思います。リアルタイムでないと、なかなか関心がもてないと思います。あまり内容を縮小すると、臨場感が失われますので、なるべく、どういう意見があったかわかるように掲載して頂き、たくさんの方が関心をもつようにして頂きたいと思います。これが第1点です。

それから、第2点目ですが、プレス発表について、委員会は全部公開しているわけですから、資料−1に書いてある通りでよいと思います。愛知万博検討会議のときも全部公開したのに、もう一回レクチャーして欲しいというリクエストがあったそうですが、それはちょっとマスコミの怠慢ではないかと思います。何がポイントだったかどうかは自分でメモしておいて欲しいと言いたくなります。マスコミの方全員が会場に入ることができないのであれば、レクチャーする必要もあるとは思いますが、それは必要に応じて判断して構わないと思います。

基本的に公開であれば、マスコミの方は、自分で重要なポイントを押さえて頂ければよいのではないかと思います。

○芦田委員長(委員会)

準備会議でも情報公開については非常に努力してやってきたのですが、なお改善すべき点等ございましたら、ここでお願いしたいと思います。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

先程の基本方針のNGO、NPOの部分ですが、「河川事業を担う主体」の「担う」は、何となく事業を実施するような感じを受けます。表現上は、例えば、「関わる」の方が適切ではないでしょうか。この辺りはどうでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

河川事業という言葉がちょっとよくないと思いますが、川づくりのソフト面に相当関わりがあると思います。そういう広い意味で捉えると、一部を「担う」のではないかと思います。行政と民間等で、いろいろな役割分担があると思いますが、そういうこともこれから議論していく必要があると思います。事業というと、堤防工事等だけではなく、もう少しソフトなものまで含めた事業と考えれば「担う」という表現でもよいと思います。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

内容的にそういうことであれば結構ですが、「事業」と書いてあるので疑問に思いました。

○芦田委員長(委員会)

記者説明は誰が出席するかということについてはどうでしょうか。準備会議は委員全員が出席していましたが、記者が誰もいない場合もありました。

○尾藤委員(委員会)

準備会議では、記者説明の際に4委員全員が出席していらっしゃったのですね。

○芦田委員長(委員会)

そうです、都合がつく場合は全員出席しておりました。

○尾藤委員(委員会)

私は、大きな節目、或いは何か結論が出たというときには、全員の出席が必要かと思いますが、そうでない場合は、庶務だけでもよい場合があると思います。ケース・バイ・ケースで判断できるのではないでしょうか。

ただし、先程の議論でもあったように、仮に記者説明をしないと決めたとき、例えばある会社が、「どうなりましたか」と取材に来て、「この件については記者説明しないということになりました」ということになると、ちょっとまずいという気がします。

○芦田委員長(委員会)

記者説明をしないことはないと思います。準備会議では記者がいなくてもしたくらいですから。

○尾藤委員(委員会)

開催日も記者説明のことも、事前に予告してあったと思いますので、記者説明はしてもよいと思います。

○芦田委員長(委員会)

庶務だけで記者説明をやって頂くと、委員長としても非常に助かりますが、そうもいかないと思います。庶務と委員長にお任せ頂き、都合がつく人はもちろん出席して頂くということで、どうでしょうか。

○江頭委員(委員会・琵琶湖部会)

それでよいと思います。特に何か問題があれば、必要な委員を指名して頂く方法でよいと思います。

○川上委員(委員会・淀川部会)

最終の結論のときはちょっと別ですね。

○芦田委員長(委員会)

そうですね。最終の結論のときは、委員全員に出席してもらった方がよいと思います。

情報公開については、よろしいでしょうか。

○川上委員(委員会・淀川部会)

本日は設立会と第1回の委員会ということですが、関東ではかなり先進的に進んでいます。

多摩川の例を挙げますと、平成10年から多摩川流域懇談会を市民が中心となってはじめ、自分たちの河川整備計画の案を立て、京浜工事事務所とやりとりしながら2年後に多摩川流域委員会を構成してきたという積み重ねがあります。

ところが、この委員会の場合は、そういう積み重ねがなく、いきなり委員会が構成されています。従って、十分に流域住民の意見を汲み上げずにスタートしているという部分があると思います。

私も淀川流域の住民で、地域の特性に詳しい委員ということで参加をさせて頂いておりますが、私は地域住民の意見を代表してきているわけではありません。

メディアを利用した方法や、情報公開のいろいろな方法が列記されておりますが、大変だとは思いますが、そういう流域懇談会的な、下から積み上げるようなプロセスで、情報公開していくというやり方が、本当は正しいのではないかと思っています。

○芦田委員長(委員会)

そのことについては、委員会、或いは部会で議論を進めていく上で、考えなければならないことだと思います。確かに、多摩川は相当長い時間をかけ、やっておられます。それを淀川では1年半でやろうとすると、これから委員会や部会を相当濃密に開催しないといけないと思います。委員の方々には相当負担もかかると思いますが、ひとつお願いしたいと思います。

委員会の過程において、住民意見の反映方法として懇談会を開催したり、いろいろなことをやる必要があると思います。本日はそこまで詳しく内容を議論できませんが、今おっしゃられたことは非常に大事です。是非、汲み上げていかなければいけない問題だと思っています。

○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

初期的な議論をずっと積み上げている段階はよいのですが、議論が煮詰まっていく段階になって、社会的に非常に重要である、際どい議論になってきたときに、どの委員がどのような発言をしたかという色分けをされると困ります。

私の体験では、中海のときに揉めました。最終の委員会まで立ち会いましたが、その公開が非常に難しく、委員の名前は一切出さないということを最初に委員会で申し合わせました。発言内容は公開されましたが、発言者の名前は絶対伏せることが前提でした。発言者を公表すると、下手をすれば、委員が命を狙われるということもあり得ます。発言者の名前を伏せても、発言者の検討は大体つきます。

際どい話になってきたとき、委員として身の安全を保証されるのか、その辺りがちょっと気になります。

○芦田委員長(委員会)

そういう事態が起こった場合はもちろん考えないといけないと思いますが、今の段階では積極的に全部公開していくということでいきたいと思います。しかし、問題が問題になってきたときには、発言者の名前を伏せるという希望があれば、もちろんそれはあり得ると思います。ただ、そうならないように願いたいと思っています。

よろしいでしょうか。それでは次に、庶務内容について審議をお願いしたいと思います。庶務より資料説明をお願いします。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

資料−2をご覧下さい。流域委員会の庶務については、規約第8条では、「委員会の庶務は、近畿地方整備局が委託した民間企業が委員長及び部会長の指示を受けて中立的立場で行う。」ということになっています。

民間企業が近畿地方整備局からお金を頂きながら、中立的立場で庶務が行えるのかどうかという議論があると思います。

これまでの準備会議では、近畿地方整備局からいろいろな指示、要望等が出される場合がありました。それらの指示、要望は、準備会議の委員に全て情報としてお伝えし、その判断を仰ぎながら進めるという方法をとっていました。そういう意味で、当時の近畿地方建設局としても、「準備会議の委員にもその情報は全部伝わるので、変な指示は出せない」という緊張関係の中で、一線を画しながら庶務を担当してまいりました。今後もそのような関係でやっていければよいなと思っています。

三菱総合研究所は株式会社ですので、当然、他の受注案件も抱えています。そちらの心配をする中で、発注者の顔色を伺うことが絶対に生じないとは言い切れない部分があります。従って、どのようなやりとりをしているかを全て公開して、中立的立場を堅持させて頂きたいと思います。それができない場合には、委員からお叱りを受けたり、どこか違う民間企業に庶務を代えるというような指示をお出し頂いたらと思っております。

ちょっと余計な話もしましたが、準備会議答申書の「はじめに」において、「準備会議の公開と運営」について4つほど注意書きがされていますのでご参照下さい。

庶務がどのような業務をするかについては、今後の委員会で議論をして頂き、委員長及び部会長から指示を受けるという形で進めると資料−2ではさせて頂いております。あくまでも流域委員会の委員に決めて頂きますが、当面、庶務は何をするかについてご指示を頂かないと、庶務としても動けないものですから、当面の業務内容を、準備会議に準じて、資料−2に10点ほど内容を書かせて頂いています。

このような内容でよいかどうか、さらに追加すべきことがないか、ご審議お願いいたします。

○芦田委員長(委員会)

何かご意見はございますか。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

「中立的立場で行う」という言葉は必要でしょうか。中立的でないため、わざわざ、中立的と記していると解釈する人もいるでしょう。私は、このようなことは事実をもって語っていけばよいと思いますので、「指示を受けて行う」だけで十分だと思います。そういう点で言いますと、準備会議の運営は、河川管理者と一線を画すという表現も、一線を画していないのかと解釈する人もいますので、必要ないのではという感じがします。このようなことは、この委員会に出席して頂いて、事実を見てもらえばわかることです。

○芦田委員長(委員会)

おっしゃる通りでございますが、今までの運営は、国土交通省が指示を出していたというのが普通です。ですから、今回は違うということを強調したいという意味で書いています。このようなスタイルが定着してくれば、このような文言は書かない方が健全であると思います。しかし、現段階では、文言を残しておいてもよいのではないかと思います。

○川上委員(委員会・淀川部会)

明文化してある方がよいと思います。

○芦田委員長(委員会)

中立的という言葉があたり前になれば、明文化しなくてもよいと思います。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

私も同じ意見です。今までの行政と民間シンクタンクの関係は、片方が全く黒子で主体が見えませんでした。その部分を敢えて出すというのは、社会のニーズに対して、今の段階では必要ではないかと思います。

○芦田委員長(委員会)

明記していなければ、以前と同じやり方ではないかと一般の人も受け止めると思いますので、もうしばらくはこの言葉を入れておきたいと思います。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

了解いたしました。

○芦田委員長(委員会)

庶務の業務内容については、委員長や部会長が指示するということですが、この内容で取り敢えずはよいと思います。もしも不都合があれば、また指示し直せばよいことです。特に議事録の作成については大変気を使って頂いております。庶務だけでなく、我々の方も相当時間をかけて見たりしておりますので、準備会議のやり方を踏襲して、特にまずいことはないと思います。

どうでしょうか。他に特に意見がなければ、次に進みたいと思います。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

度々申し訳ありませんが、「3)当面の庶務業務内容(案)」の最後に何気なく書いている1行は大変大きいですね。委員会の指示に基づく作業で、「資料収集、分析、調査、現地視察など」とありますが、これはどこまでやって頂くのかによって大きくもなりますし、何もやらなくなる可能性もあります。その辺りの議論はこれまであったのでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

具体的な問題が発生した都度、庶務に指示すれば、指示どおり動いて頂くということになっています。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。では、取り敢えず、そのような理解をさせて頂きます。

○芦田委員長(委員会)

準備会議のときは拒否されたことはありませんでした。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

ちょっと議論が戻ってしまうかもしれませんが、先程規約の雑則で、「議事録を尊重する」に変更した方がよいのではというご意見もありましたが、それを「参考にする」のままで変更しないことになりました。準備会議の議事録を私共は見ておりません。委員に資料を提供して頂いておいた方がありがたいです。

○芦田委員長(委員会)

今までの議事録を提供して欲しいということですね。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

どのような意見が準備会議で出されたのか、把握しておきたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

議事録の要約である審議骨子は、以前庶務から送られたニュースレターに書いてあります。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

準備会議の議事録は分量が数十ページにもなりますので、ニュースレターには掲載せず、ホームページに掲載しておりました。また、ご要望があれば、複写して郵送する旨、申し上げていました。

○芦田委員長(委員会)

規約では、議事録を参考にするとなっていますので、参考にする資料がないと参考にしようがないので、今までの議事録を委員の方に送付してはいかがでしょうか。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

わかりました。では、準備会議の議事録を全て送付させて頂きます。

○谷田委員(委員会・淀川部会)

多分、逐語の議事録だと思いますので、抄録を作って頂いて、見たいところだけを詳細に検討させて頂く方が、資源と時間の効率的な利用だと思います。私は詳細にはまだ検討しておりませんが、ニュースレターで概ね理解したつもりです。

○芦田委員長(委員会)

審議の要点はニュースレターに全部入っているので、議事録はご希望の委員に参考に見て頂くということでどうでしょうか。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

それでは、事務的なご連絡もありますので、ご希望の方にはすべて議事録を送付するというような形にさせて頂くということでよろしいでしょうか。また改めてご希望をお伺いします。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。こだわりませんが、「参考」になると、これから審議していく上で、準備会議でどのような意見が出ていたのかは必要になると思います。

○芦田委員長(委員会)

議事録は一字一句、逐語訳をしておりますので、相当な分量になります。全委員に送付するというのは、それこそ資源の無駄になる可能性があります。要点は全てニュースレターに書いてありますので、要望があれば、庶務より送って頂くということにしたいと思います。

よろしいでしょうか。それでは、次に、淀川水系流域委員会の今後の進め方について審議したいと思います。時間もあまりありませんが、いかがでしょうか。

○谷田委員(委員会・淀川部会)

行政の組織としては非常によくわかりますが、この委員会で審議する河川整備計画には、琵琶湖そのものは対象になっていないと理解してよろしいですね。

○芦田委員長(委員会)

そうです。

○谷田委員(委員会・淀川部会)

行政組織上の問題はありますが、琵琶湖そのものを無視した淀川水系流域委員会というのは、言い過ぎかもしれませんが、殆ど成立し得ないと思います。委員会の価値が落ちてしまうと思います。その辺りの擦り合わせは、今後、事務局、或いは委員会そのものとして、あるいは琵琶湖部会として考えて頂く必要があると思います。さらに、行政サイドの方でも是非、ご配慮頂きたいと思います。これは、滋賀県の立場や自主性を縛るという意味合いは全くございませんが、研究者として、或いは流域に住んでいる者としての意見です。

○芦田委員長(委員会)

了解しました。この後、部会発足会がございますので、部会の委員にも来て頂いています。部会発足会終了後、顔見せ、お互いに意思疎通を図るという意味で、委員会と部会の合同懇談会を開いてはどうかと考えています。いかがでしょうか。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

本日は、14時頃まで時間を開けておいて頂くよう、委員にお願いしています。

○芦田委員長(委員会)

部会発足会が済んだ後、14時頃まで合同懇談会を開催するということでお願いいたします。

それと、今後の委員会の進め方について、急にここで意見を求めることは難しいと思いますので、次回の委員会で議論したいと思います。私としては、できるだけ現在のもっている情報を次回の委員会で出して頂き、議論できればよいのではないかと思っています。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

先程、委員長からのご意見にもございましたが、河川整備計画を議論させて頂く前に、我々としましても、皆さまと河川の現状や課題についての認識を共有させて頂くということが大事かと思っております。次回は、その辺りについて説明させて頂きたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

次回だけではなくて、説明には数回かかると思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

治水・利水・環境面の現状と課題について議論させて頂くことになりますと、恐らく相当ボリュームがあり、説明だけで何時間かかるかわかりません。最初に、現状、課題の骨格、項目等を説明させて頂き、その後、どう審議していくかを決めて頂ければと我々は思っております。

○芦田委員長(委員会)

それでは部会発足の後、合同で懇談会を開催したいと思います。皆さまにおかれましては、時間の許す限り一言ずつでもご発言頂ければと思っています。

予定時間を過ぎましたが、これで第1回淀川水系流域委員会を終わりたいと思います。よろしいでしょうか。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

次に委員会を開くのか部会を開くのか、いつ頃開くのかを委員会の中で決めておいて頂かねばなりません。この後の懇談会では決められないと思います。あくまでも、委員会の中で、次の委員会、部会はいつ開くのかを決めて頂く必要があります。

○芦田委員長(委員会)

いつと言われましても、日程は今直ぐには決められないのではないでしょうか。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

例えば、委員会を先に開き、その後、部会を開く、或いは部会を先に開く等、当面のご予定を指示頂ければと考えています。

○芦田委員長(委員会)

先ず、委員会を開くことになると思いますが、いつ頃を予定するかということは、現時点ではまだ決められないと思います。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

庶務としましては、3月中・下旬くらいに次回委員会の開催を想定しておいてもよろしいでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

後日、日程調整をさせて頂き、3月中に第2回の委員会を開き、その際、今後の進め方についてかなり具体的に話し合うということにしたいと考えています。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

一度、委員会の懇談会的なものを開催して頂きたいと思います。今後20年、30年、それから現状に対して、委員の皆さまそれぞれが、どのような認識をもっていらっしゃるのか、何を求めておられるのかについて、本音に近い話し合いができれば、これからのよりよい実態づくりに近づくことができるのではないかと思っています。

○芦田委員長(委員会)

懇談会については、本日、この後に開催したいと思います。先程言いましたように、委員会委員のみでなく、部会委員も含めた合同の関係者懇談会という格好で自由に発言してもらう予定です。

それでは、時間を超過しましたが、これで第1回淀川水系流域委員会を終わりたいと思います。

どうもありがとうございました。

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

これより10分少々、休憩を頂きまして、11時40分から淀川水系流域委員会の部会発足会と、先程決まりましたように、引き続き、委員会と3部会の合同懇談会の場を設けさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

そのため、ただ今より、座席の配置転換を行いますので、配席表をご覧頂き、外側に用意しております席にお荷物を移動して頂きますよう、お願い申し上げます。

委員長である芦田委員とは、この休憩時間を利用して、控室「千寿」で簡単な打ち合わせをさせて頂きたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 


以上

 

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