淀川水系流域委員会
第3回委員会(H13.6.18)
資料 1

各部会の開催状況について

<琵琶湖部会>

1.第1回琵琶湖部会の概要

(1)開催日時

平成13年5月11日(金)17:00〜19:30

(2)概要(部会速報(案))

[1] 部会長からの説明・要望

○ 淀川流域委員会の目的ないし役割は、国土交通省近畿地方整備局の整備計画策定に対して、意見を述べることである。その整備計画策定に当たっては、流域委員会の意見を十分に尊重し、整備計画に位置づけられない事業は今後行わないとの、口頭による確約を得ている。

○ 流域委員会およびその各部会委員は、公募による自薦・他薦(自分の専門領域以外を含む)を受けて、準備会議で決めた。その際いわゆる「学識経験者」の中に、地域の特性に詳しい人物を含めた。

○ 各部会は流域委員会の下部組織との位置づけであり、決定は流域委員会において行うこととなっている。従って各部会長は、流域委員会において選定され、副部会長は部会長の指名によることとされている。副部会長は江頭進治さんにお願いした。

○ この流域委員会の進めかたは、京都新聞の社説によれば画期的なことだという。そうであるならば今後の審議においても、その精神を十分に活かして進めたい。

○ 国土交通省近畿地方整備局からの事項に関する諮問はまだなされておらず、むしろ流域委員会の議論を受けてなされる予定と聞く。

○ 整備計画の直接対象区間は直轄管理河川の部分であるが、直轄区域以外についても当然に議論し、意見を述べることがある。

○ 傍聴者の発言を歓迎し、そのための時間を設けるようにする。

(主な発言内容)

○ 直轄管理河川と影響しあう区域についても、必ず触れると強く表明するべきである。(委員)

○ 流域全体を考えるのは当然である。直轄管理河川区域とそれ以外の区域とは区分し、論議し、かつ意見をまとめる。(部会長)

○ 国の整備計画は国の直轄管理区間が対象である。ただし、直轄管理区間に影響する範囲についての文言も書いてもらってよい。また、国は県などの整備計画について認可・助言する立場であるので、委員会で出た意見はできるだけ反映したい。(河川管理者)

○ 委員会での決定事項を、誰がどこへ反映させるのかが見えない。(委員)

○ 整備計画の決定権は河川管理者にあるが、その際には、流域委員会の決定事項を最大限尊重する。整備計画に位置づけられなかったものは、事業として行わない。(河川管理者)

○ 琵琶湖部会は琵琶湖とそれへの流入河川全体のことを議論する場であり、その意見が委員会に報告されるものと認識している。(委員)

○ 部会は委員会の下部組織ではなく、委員会と同等と位置づけるべきである。(委員)

○ 琵琶湖周辺のことについては、流域委員会よりも琵琶湖部会が十分に議論できるところであるのは当然である。しかし流域委員会は、他の部会から出てきた意見をもまとめて判断しなければならない。従って意思決定を行う際には、上部下部の組織的関係は明確にしなければならない。(部会長)

○ 流域委員会終了後に記者説明が行われているが、委員会および部会は記者にも公開され、実際に出席もなされているから、取りやめるほうが良い。(委員)

○ 現在までは記者説明の席上に記者の出席していたことはなかったように記憶する。私個人も特に必要ではないとも考えているので、委員長に伝えてみる。(部会長)

[2] 当面の部会の進め方についての主な意見

○ 部会の意見あるいはそこでの議論については、ある程度まとまったところで流域委員会に報告し、いわばキャッチボールを行って進める。(部会長)

○ 委員会ないし部会委員と河川管理者とが、現状と将来の方向に関する認識を完全に共通にすることは不可能ではないか。それを当面行うとの考えには賛成できない。(委員)

○ 事実に関する知識を、互いにできるだけ共有するとの意味であって、意見を一致させると言うことではない。(部会長)

○ 流域委員会議事録は、可及的速やかに各部会委員全員にも配付し、逆に各部会の議事録は、流域委員会委員全員に配付すべきである。(委員)

○ そのように、庶務に指示する。(部会長)

[3] 河川管理者による淀川水系の現状説明

○ 河川整備計画の流れについて

○ 琵琶湖の水位管理について

− 琵琶湖の概要(淀川水系と琵琶湖、琵琶湖の諸元、琵琶湖の役割、近年の被害の実態、琵琶湖の環境の実態)

− 瀬田川洗堰の操作(琵琶湖の管理水位の変遷、琵琶湖総合開発事業、琵琶湖の水位管理、琵琶湖の水管理への要望、琵琶湖岸の状況、琵琶湖の水位変動)

(主な発言内容)

○ 基準水位のとりかたが歴史的に変更されている筈なので、そのままの数値では論じられないのではないか。(委員)

○ もしそうなら、次回までに補正した変動値を、河川管理者は提出すること。(部会長)

○ 治水・利水の施策だけではなく、総合的な視点からの「ソフト」な施策についても説明すべきである。(委員)

○ 河川法改正によって、自然環境保全が目的化されたのだから当然であり、おいおい出てくる筈と考える。また、国土交通省の所管範囲を超えて論議する必要も、当然生じるかも知れない。(部会長)

○ 引用した資料の出所については、それを明示すること。それがないと、精度などに対する信頼性が失われる場合がある。(部会長)

○ 琵琶湖の漁獲量の変化に関するデータがあるが、総漁獲量ではなく、保護政策を行っているアユとその他とを分けて見た方が個々の生物種の変動が明確になる。(委員)

○ 琵琶湖と下流の水位が双方ともに上がったときなどの、洪水対策は現在までどうであり、これからはどうするのか。(委員)

○ 双方が同時に極めて危険になるような雨の降りかたは、過去にはなかった。今後ともそのような危険性はほとんどないと想定しているが、そのような場合がもし起こった場合には、その時に最善の対応について一所懸命に検討し、判断したい。(河川管理者)

○ シミュレーションによって、どのような条件下でそのようなことの起こる可能性があるか、情報を出してもらうことを要請する。(部会長)

○ 状について、国土交通省が知っていること、委員や住民各位が知っていることを合わせていきたい。今日は、前者の一部を開示したものである。(河川管理者)

○ 可及的速やかに、各委員の現状把握と認識とを開陳する機会を作りたい。また、「河川管理者」側はむしろ自分に不利な問題点を積極的に掘り起こし、その一つ一つを解決していく姿勢ですべての場合に臨むべきである。(部会長)

[4]傍聴者との意見交換

○ 1名の傍聴者から、湖岸侵食についての資料配付の要望があり、了承して配付された。

(主な発言内容)

○ 一般からのさまざまな情報は、今回の資料配付のように大いに歓迎する。ただし、委員・「河川管理者」・庶務が配付するものとは区別する。(部会長)

○ 琵琶湖問題をこのような場で議論することは初めてで、期待している。過去だけではなく、現在起こっている問題を現場調査して対策を立てて欲しい。(傍聴者)

○ 琵琶湖総合開発以前の状況を考慮して議論すべきである。ヨシの問題は、河川管理者から琵琶湖部会に審議の諮問をしてもらいたい。第2回流域委員会でのある委員の発言は、「時期を切って問題を検討すべき」と言うことであり、この意見は受け入れられたと解釈している。(傍聴者)

○ 琵琶湖総合開発の功罪も、当然ながら論議の対象となる。ヨシを含む水と陸との推移帯の問題などをも含め水位変動に関しても意見をまとめるが、中心は長期的な問題であり、すぐにでも何かを起こすようなことを求めるのは、この部会あるいは流域委員会の行うことではなく、また無理である。また、最後の「解釈」については、私はそのようには理解していない。(部会長)

○ 長期的な水位管理の問題などについては、流域委員会や部会で議論して頂くことである。短期的問題については、琵琶湖工事事務所または県で扱うべき内容である。(部会長、河川管理者)

[5] 決定事項

○ 第2回部会(6月8日)は現地視察とし、ほぼ終日行う。

○ 第3回部会(6月下旬)も現地視察とし、ほぼ終日行う。開催日については、当初夕方に部会を開く予定だった6月25日(月)などについて委員の出席可能状況を聞き、その結果によって決める。

○ 開催場所は、できるだけ琵琶湖沿岸ないし流入河川の近くで行い、また費用の節減を図る。

○ 会議の時間は、当初予定の2時間よりも長くなることを覚悟して、論議を進めるよう努力する。

以上


2.第2回琵琶湖部会(現地視察)の概要

(1)   開催日時

平成13年6月8日(金)8:50〜18:00

(2)   視察ポイント等

○ 現地視察を2回に分けて実施(次回は6月25日(月))

○ 初回の現地視察となる第2回部会では直轄管理区間である丹生ダムとその下流の高時川・姉川、犬上川・宇曽川等の琵琶湖へ流入する河川、第2回委員会、第1回部会で意見が出された新海浜等琵琶湖北部を中心に視察。

○ 次回は琵琶湖南部(野洲川、草津川、瀬田川、南郷洗堰、西の湖等から選択して視察)を予定

(3)   概要

○ 高時川、姉川では、天井川となっている河川の状況と堤防等の整備状況について視察。委員からは「昔から引き継がれてきた住民参加による水防対策の継承が必要」「ハザードマップについては地域を良く知る住民も含めて作成するのも1つの方法」などの意見が出された。

○ 丹生ダムの建設予定地では、ダムの必要性、効果等について説明を受けた。委員からは「丹生ダムによりどの程度琵琶湖の水位が変動するか」「ダムの課題・問題点はどのようなものがあって、それに対してどの程度まで対応でき、どのような議論があるのか」等の意見が出された。

○ 丹生ダムでは、一般傍聴者として地域の方々も参加した。一般傍聴者からは「新たなダムをつくるより、森林の整備で対応できないか」などの質問があり、「森林整備の効果が期待できるのは荒れ地に植林をする場合である。日本のような既に森林が多い地域では効果は期待できないのでは」など委員からの意見も交え、現地でディスカッションを行った。

○ 新海浜では、浜の状況と対応策について視察し、説明を受けた。現地で参加した一般傍聴者からは、資料が配布され、新海浜の現状が説明された。委員も交えての議論では、委員の1人から要因構造についての説明があり、「水位を上げればどこかで問題があり、水位を下げれば別のどこかで問題が生じる。影響を少しでも少なくしていくことが重要」などの意見が交わされた。また、解散場所までの途中経路において、次回視察予定となっている西の湖に立ち寄り、地元住民の説明を受けた。

 


<淀川部会>

1.第1回淀川部会の概要

(1)   開催日時

平成13年5月9日(水) 17:00〜19:00

(2)   概要(部会速報)

[1] 部会長からの説明、要望

○ 今後の部会議では、委員が議論しやすい雰囲気がつくれるよう庶務と検討する。

○ 委員会と部会の運営は、従来にない方式を目指しているため、手探りの部分が多い。わからない部分については、委員全員で解決策を模索していく。

○ 庶務は、委員会や部会の下で動く立場にある。委員は、庶務からの問いかけを待つのではなく、主体的に活動して欲しい。

○ 他部会の委員の出席を部会長が依頼することもある。(本日は、琵琶湖部会の倉田委員が、部会長依頼によりご出席)

○ 委員全員が参加して意見が交換できるよう、できるだけ平易な言葉を使って議論するようにしたい。

[2] 河川管理者からの資料説明

○ 次回予定されている現地視察に向けた最低限の予備知識を得るための資料として、河川管理者より、淀川本川の現状(流域の現況、堤防の強さ、河道の容量など)について説明

○ 説明事項は、以下の通り

-  淀川水系を取り巻く社会環境等

-  河道等の整備状況

-  現状(ダム・河道整備状況)で大雨が降ったときに想定される洪水量

-  越水破堤、浸透・洗掘により破堤が生じる可能性のある区間

-  高潮・津波の現状

-  堤防の耐震対策

[3] 部会で出された主な意見

○ 直轄管理区間が基本となっているが、市との連携など対象を広く考えるべき(委員)

○ 直轄区間以外にも目を向けることは重要であり、今後の具体の議論の中で考えたい。(部会長)

○ 委員会から具体の審議指示が出ていれば教えて欲しい。流域の中で琵琶湖と淀川を切り離して考えるのは無理がある。住民の捉え方について説明して欲しい。(委員)

○ 委員会から具体の審議指示は出ていない。河川整備計画案をつくる段階で、流域委員会での議論を取り入れていくのが、この流域委員会の特徴。委員が意見を述べるためにも、まず淀川水系の現状についての共通認識を持つことが重要であると第2回委員会で合意されている。(部会長)

○ 準備会議の議論をもとに、淀川部会の対象は、瀬田川(洗堰から下流)、宇治川、桂川、木津川としている。治水では、琵琶湖と淀川を切り離すことは可能だが、利水等については部会だけで議論するのは難しく、委員会の方で役割分担を考えるなど、柔軟に対応してもらいたいと思っている。(河川管理者)

○ 住民は、流域住民(1,100万人)、淀川の水を飲んでいる人(1,700万人)、その他の人など、様々な範囲が考えられる。一定の枠は嵌めていない。(河川管理者)

○ 河川容量を堤防満水とした前提での説明では、下流側の堤防が安全という印象を持たれるので留意してもらいたい。(委員)

○ 事前配布資料は当日議論になるところを中心にコンパクトなものにして欲しい。パワーポイントをそのまま資料にする必要はないと思う。今日見せられたパワーポイントでない写真やグラフなどの方が、自分としては役に立った。(委員)

○ 河川管理者の情報をできるだけ見せて欲しいとの要請に応えた。ホームページなどで資料を公開するためには、パワーポイントなどの電子データ化は必要と思っている。(河川管理者)

[4] 決定事項

○ 当面の部会の進め方は資料2の通りとし、その後の進め方は今後議論する。

○ 原則として、部会は大阪駅周辺の一定の場所で開催する。

○ 次回部会(現地視察)は6月2日(土)に開催する。視察コースは、河川管理者からの提案に沿って、部会長、部会長代理、河川管理者、庶務で決定し、後日委員に連絡する。

以上


2.第2回淀川部会(現地視察)の概要

(1)   開催日時

平成13年6月2日(土)9:30〜18:00

(2)   視察コース

○ 淀川本川の最上流から河口部までを通して視察

○ 上流では、瀬田川洗堰を視察し、水位操作の方法等について説明を受ける。途中、瀬田川・宇治川流下能力最小箇所、天瀬ダムなどの視察、中流域では日本一の鵜殿の葭原、スーパー堤防の完成区間、枚方の河川公園地区、貴重な淡水生物のすむ城北ワンド、淀川大堰などを視察。

○ また、治水、利水、環境の話に加えて、太閤堤や文禄堤跡の視察や30石船などについて、現地視察に交えて当時の写真等も活用し、淀川の歴史、文化、くらしなどについての情報を共有。

(3)   概要

○ 瀬田川洗堰では、堰の操作について説明を受け、委員からは「堰によって最大どの程度琵琶湖の水位を下げられるのか」との質問に対して「最大で1日4〜5cm程度」などの意見交換が行われた。また、「堰の操作による放流により、カヌー等のレジャーを行っている人の安全に配慮する必要がある」などの説明が行われた。

○ 鵜殿の葭原では、委員から「一端手を入れた葭原については、人間が作った葭畑といえる。水が高水敷を走らなくなった以上は、今後とも人間が手を入れていく必要があろう」等の意見が出された。

○ 全般的な意見としては「河川整備でできるところはほとんど行われたであろう。今後は、もう少し広く考えなければならないのでは」「淀川で水辺の公園で遊んでいる人が多いが、水とふれあっている人は非常に少ないのが残念。もっと水に触れてもらうのが淀川を理解してもらうために必要」「どのくらいの人たちが水の問題に興味を持っているかが気になる。もっとPRをすべきでは」などの意見が出された。


<猪名川部会>

1.第1回猪名川部会の概要

(1)開催日時

平成13年5月23日(水)18:00〜20:00

(2)概要(部会速報)

[1] 部会長からの説明、要望

○ 部会では、実質的な議論により、問題や課題が発見できる。部会で徹底的に議論し、最善若しくは次善の策を考えたい。

○ 弘法大師の三教指帰や、中江兆民らの三酔人経綸問答の智恵も参考に、徹底した自然保護論者、開発推進論者、地域社会・生活を大切にする人など、価値観の異なる人たちが議論しあって解決策を考えることが重要である。

○ 2100年の日本を考える際に、地球、人類、国家の存続など様々な前提があるが、環境問題もその一つである。

○ 発展途上の1901年より2001年の方がはるかに困難な問題に直面している。1世紀後の人達にも評価されるような選択をしていきたい。

○ 河川法改正により、治水、利水に環境が加わったが、環境の範囲は、自然環境だけを考えると対象が狭くなる。社会環境、文化環境についても考える必要がある。

○ 当面の部会の進め方としては、現地をできるだけ詳しく見るという観点からも第2回、第3回ともに現地視察を行ってはどうかと思う。

[2] 河川管理者による猪名川の現状説明

○ 河川管理者より、以下内容について説明があった。

-  河川整備計画策定の流れ(現状〜課題〜対応〜集約)

-  猪名川を取り巻く社会環境

-  河道等の整備状況

-  現状(ダム・河道整備)で大雨が降った時に想定される洪水量

-  越水破堤、洗掘、浸透により破堤が生じる可能性のある区間

-  高潮の現状

-  耐震対策

(主な発言内容)

○ 猪名川の堤防に生えている植物の影響で、花粉症に悩まされている住民がいる。堤防のそばに住む人間に対して、治水、利水だけでなく、毎日の生活との関わりも重視してもらいたい。(委員)

○ 治水に関して、余野川ダムはどうなるか心配である。一庫ダム、箕面川ダム以外にもダムが必要なのか。森林が成熟してきたことにより、災害の発生が少なくなったとの長野の報告もある。現地視察では、止々呂美など余野川ダムの周辺も行ってもらいたい。(委員)

○ 4つの洪水が説明されたが、雨の降り方の典型的な型として4つに分けられるのか、いろいろな型の中から4つを選んだのか伺いたい。また、上流に降った場合、下流の場合などで出水の仕方が異なるのかについても、お聞きしたい。(委員)

○ 戦後の大雨を4つ選んだところ、それぞれ雨の降り方が異なっていた。(河川管理者)

○ 100年に1回の確率で降る大雨、という説明ではわかりにくいと考え、過去の大きな雨を選んで、それと同じ雨が降ったらどうなるか、2割増しだとどうか、という観点から説明を行なった。(河川管理者)

○ 総合治水対策を考える時、何割を保水、遊水機能で維持するか、何割をダムで維持するか、土地利用の変化などを踏まえて説明して欲しい。(委員)

○ 手持ち資料がないので、次回説明したい。(河川管理者)

○ 洪水時の治水対策のみの説明であったが、環境への対策としては、平常時の水の流し方についても考えて、説明をして欲しい。(委員)

○ 治水、利水、環境と順に説明させて頂きたいので、平常時の水の流し方は、環境のところで議論してもらいたい。花粉の話のように河川管理者が知らない情報を教えて頂き、河川管理者は自分たちの知っている情報も出していきながら、現状についての情報を共有したい。(河川管理者)

○ 無制限な開発や人間の土地利用の後追いで治水対策を行なってもだめである。まずこういう川にしたいというビジョンがあって、河川計画を考えるべきではないか。発想の転換が必要である。水の氾濫によってできた沖積平野に住んでいる我々は、ある程度洪水を許容し、かつ人命は守るという考えが必要である。需要追随型で利水を考えるとビジョンは出ない。(委員)

○ 日本の河川の中でも、猪名川の管理は非常に難しい。一庫ダムは環境のために水を流せるようなダムではない。池田の渇水を防ぐ為のダムであるが、水を流しても地盤にしみこむため、平常時の河川の水量を維持できず、管理が非常に難しい。(委員)

○ 蛇行部分の水質は非常に悪く、住民生活に悪影響があったが、治水のために直線に改修されて、水質が大幅に改善された。(委員)

○ 今回の現状説明は、夢が無く、今後どうしようかが分かっていないように感じる。猪名川の本質が分かっていないのではないか。歴史やこれまでの取組みなど、一緒に勉強することが必要ではないか。(委員)

○ 猪名川は、直轄区間周辺は都市、上流は山村で、バラエティに富んでいる。直轄区間が主な対象とは思うが、上流から下流まで考えていかなければならない。高潮や治水などの問題の優先順位や、将来を見通した長期的な視点の議論が必要である。全体を網羅した議論が必要ではないか。(委員)

○ 説明の中に、猪名川の特性(池田炭、くぬぎ林、伊丹の酒等)も含めていただくとよかった。また、環境面の説明が聞けなかったのが残念だった。(委員)

○ 過去の洪水の何割増し、何割減の方が分かり易いという説明だったが、他の委員も分かり易いと感じているのだろうか。(部会長代理)

○ 過去の何割増しというのは、時間軸を変えず、量だけを増減させたものである。100年に1度といった確率論の方が良いのであれば、その説明もする。(河川管理者)

○ 確率論による洪水流量の表現と、過去の洪水に基づく割増洪水流量の表現という2つの方法の比較が必要である。すでに進めている事業との関係や優先順位の問題を扱う時などに、2つの方法の間に整合性はあるのか?(部会長代理)

○ 次回は、両者を併用して説明する。(河川管理者)

○ 猪名川は、最上流部に大きなニュータウンが開発されている。こういう状況についても議論に加えてほしいと思う。(部会長)

[3] 一般傍聴者との意見交換

○ 余野川ダムのアセスは閣議アセスに準ずる形で行なわれているが、もっと精密なアセスを行なうべきだと思う。閣議アセスの資料を部会に出して欲しい。余野川ダムの湛水地域にオオタカが生息しているという事実があるので、自然環境調査に対する姿勢を聞かせて欲しい。(傍聴)

○ 今回策定する整備計画は直轄区間が基本となるが、それに影響を及ぼす場合には余野川ダムやその地域の説明もすることになる。オオタカについては、専門的な問題なので、大阪府が委員会をつくり、河川管理者も参加している。(河川管理者)

[4] 決定事項

○ 第2回猪名川部会は、現地視察とし、6月7日に開催する(JR尼崎駅13:00集合)。

○ 第3回も現地視察とするが、開催日程は、庶務で再度調整を行なう。

以上


2.第2回猪名川部会(現地視察)の概要

(1)   開催日時

平成13年6月7日(木)13:00〜18:30

(2)   視察コース

○ 下流では、中島川河口の防潮堤や左門殿川、JR神崎川橋梁、左門橋陸閘などを視察。上流に向かって猪名川・藻川分流、合流地点を視察後、猪名川左岸で整備後のワンド(わいわいワンド)の状況を視察。

○ 加茂井堰の改修状況や堤防未整備区間の現状を視察後、銀橋付近の狭窄部を視察。

(3)   概要

○ 地域に詳しい委員から、堤防上の土道を守る運動についての情報提供が行われた他、わいわいワンドでは委員の1人がワンドにすむ魚を捕獲し、猪名川における生物について解説。

○ 銀橋では、「下流の整備が進めた後に上流の整備をしなければ、下流の被害が甚大になる」などの上下流の問題について認識を深め、「今後そのバランスをどう考えていくか、部会で議論していきたい」などの意見が出された。

○ 委員からは、「100年後でもいい仕事をしたと言われるような河川改修を行って欲しい。また、自然の素材を使用したり、狭窄部を削る場合でも岩を残しながら削るなどの工夫をして欲しい」「川というのは多面的な機能を持つものであり、川とかかわるすべての人がプロとなる。また、川は生き物であり変動していく人間にとって扱いにくいものである。川を堤防の中に押し込めるだけではなく川の生命力を保持していけるよう留意する必要がある」「下流付近のコンクリートの護岸に囲まれた殺伐とした光景の川にもカワウやカニがすんでいる。本当に自然と共生していけるあり方を探す必要がある」などの意見が聞かれた。

○ また、「工事中の箇所についてはどうしてその工事が行われているか疑問であったが、今回のような十分な説明を受ければ納得がいく部分もある。今後、住民に対しても説明する機会をもっと作る必要があるのでは」「上流部と下流部の状況が異なり、猪名川が普段自分が見ている姿とは違う様々な顔を持つことを認識した」との意見が出された。

 

 

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