淀川水系流域委員会 第3回委員会議事録

日 時 平成13年6月18日18:00〜20:00
場 所 新都ホテル地階「陽明殿」





 

○庶務(三菱総合研究所 新田)

定刻となりましたので、ただいまから淀川水系流域委員会、第3回委員会を始めさせて頂きます。

司会進行は、庶務を担当します三菱総合研究所で務めさせて頂きます。私、関西研究センターの新田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

では、審議に先立ちまして、配付資料の確認をさせて頂きます。お手元の資料の中で、「座席表」、「淀川水系流域委員会 委員会委員名簿」、「議事次第」、黄色い用紙で「発言にあたってのお願い」を配布しているかと思います。それから、議事次第の資料欄にある資料1から参考資料2までが本日の配布資料です。

なお、委員の皆さまのテーブルには、現状説明の関連資料として、前回の第2回委員会の資料2-1-2「淀川水系の現状説明」をお二方に1冊程度ご用意しておりますので、関連のある箇所等をご覧頂く場合は、資料2-1-2を手にとって前回の資料をご確認頂くということで、よろしくお願いしたいと存じます。

本日は、後ほど一般傍聴の方々からご発言を頂く時間を設けています。その際に、「発言にあたってのお願い」をよくご覧頂いてから、発言をお願いしたいと思います。それから、委員の審議中は、一般の方々からの発言はご遠慮頂いております。ご協力の程よろしくお願いいたします。

それでは、審議に移りたいと思います。芦田委員長、よろしくお願いいたします。

○芦田委員長(委員会)

皆さま、本日はご多忙の中、委員会にご出席頂きまして、どうもありがとうございます。また、多数傍聴頂きまして、ありがとうございます。

本日の委員会は第3回目を迎えますが、いつまでにどういう議論をするのかという疑問もあると思いますので、大体の流れを話しておきたいと思います。

まず、3つの段階があるだろうと思っております。第1の段階は、淀川水系についての治水、利水、環境についての情報を集め、認識を深めていくという段階です。第2の段階は、それについて分析し、問題点や意見を各委員から陳述して頂くという段階です。それに基づいて、河川管理者が整備計画の素案を作ると思いますので、素案について審議する段階が第3の段階で、この3つだろうと思います。

それを1年半で進めるというので、スケジュールについては、今後の会議の進展、運営会議の議論、或いは皆さまのご意見等をお伺いしながら決めていきたいと思っています。

現在は第1の段階であり、前回の第2回委員会から本日の第3回委員会までに、各部会をそれぞれ2回ほど開催して頂いたと思いますが、それぞれの部会で現地視察を行って頂き、委員の皆さまの間では、認識が大きく深まって非常に良かったという評価のようです。

今後も、まだ数回は視察を続けていく必要があると思っています。そのような部会での議論の深まりもベースにしながら、本委員会では、流域全体の視点から議論していくということになるだろうと思います。

それでは議事に入りたいと思います。第1の議題は、それぞれの部会からの報告です。琵琶湖部会から、お願いしたいと思います。


○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

資料1「各部会の開催状況について」に書いてあること全部ではなく、主な部分だけを説明したいと思います。
最初に私の方から、第1回琵琶湖部会ということで、琵琶湖部会と流域委員会との関連、その他について話をしましたが、その中で、大きく問題点が2点ほどあったかと思います。

1つ目の問題点は、直轄河川だけではなく、琵琶湖を中心として流域全体を考えるということです。この点については、河川管理者からも意見が出ていましたが、当然ながら、琵琶湖全体のことを視野に入れなければ、直轄河川の問題も考えられないということです。特に、水位等の問題に関しては洗堰に係る問題なので、議論しなければならない。

しかしながら、直轄河川以外のことについては各府県からも担当者の方に出席をして頂いているようですので、各府県に反映すべき内容は反映し、或いは国としてそれを助言、指導するという形で、つまり一段階途中に何かが入った形で物事を行わざるを得ません。

2つ目の問題点は、部会と委員会について、部会組織と委員会組織は同じ格として考えなければならないのではないかということです。部会としては、一番大きな議論は各々について詳しく行うわけですが、この問題は、委員会として整備計画についての議論をしなければいけないわけです。

十分に部会の意見を尊重することはあるとしても、委員会としての結論が問題になるわけです。従って、そのような意味においては、少なくとも形式的には、やはり部会は委員会の下部機構であると言わざるを得ないということを申し上げました。
続いて淀川水系に関する現状の説明があり、制度の問題等についていろいろと議論しました。

その後、一般傍聴者の方から意見を出して頂きました。1つは、琵琶湖総合開発以前の状況を考慮して議論すべきであるという意見で、例えばヨシの問題等は、琵琶湖部会、或いは委員会においてすぐにでも考えるべきだというものでした。

議論はもちろん行いますが、流域委員会の一番の大きな問題はかなり長期にわたるものです。すぐに問題にすべきものについては議論しますが、それは、河川管理者が直接に議論するべきものであると説明したと思います。

第2回琵琶湖部会は現地視察として、高時川、姉川が合流する辺り、その下を潜っている田川周辺を見ることから始まり、高時川のダムサイトまで参りました。そして高時川のダムサイトから戻って尾上の近くから湖岸を見てまわりました。先ほど言い忘れましたが、高時川のダムサイトと新海浜では、現地に来て頂いている一般傍聴者のご意見も聴きました。

これが、北湖東岸を扱った現地視察の内容で、次回は南湖を現地視察で回りたいと思っています。

丹生ダムでは、新たなダムを造るより森林の整備で対応できないのか、丹生ダムによってどの程度の水位が変動するのか等、丹生ダムの問題が、例えば利水としてはどれほどの需要があるのか等についての議論が行われました。

また、新海浜では、現地で参加された一般傍聴者の方から資料が配付され、新海浜の現状が説明されました。植物に対する影響、その他の問題についても現在大きく起こっていることは事実です。それに対して様々な議論があり、冬季の水位問題であるというご意見もありました。また、基本的には砂の供給が絶たれたことが大きな問題なのではないかという話もあったと思います。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。
ご質問もあろうかと思いますが、後ほどお願いしたいと思います。
引き続き、寺田部会長の方から淀川部会のご報告をお願いします。


○寺田委員長代理(委員会・淀川部会)

淀川部会の報告についても、琵琶湖部会の報告と同じように、配布頂いている資料1「各部会の開催状況」の6ページから詳しく書いていますので、かい摘んで報告したいと思います。

3つの部会の中で先陣を切って5月9日に第1回の淀川部会を開催いたしました。他の部会もそうですが、淀川部会も各分野の専門家によって構成されており、この流域委員会及び各部会が果たすべき役割、守備範囲について、必ずしも委員の皆さま全員の共通認識になってない部分があるのではないかということから、第1回の淀川部会では、それらの点を皆さまに十分にご理解頂くことに少し時間を割きました。

また、部会として何をどのように検討していけば良いのかという部分も大事なのですが、この点についても実は各委員が持っているイメージが様々で、まさに手さぐりの状態です。まだスタートしたばかりなので当然のことですが、基本的な進め方についての意見交換をさせて頂きました。

そこで、おおむね皆さまの意見として共通の認識になったことは、先ほど委員長からも、今後の委員会全体の進め方について大きく3つの段階があるというお話がありましたが、同じような認識です。大事なことは、部会の委員全員が現場での現状認識をきちっと正確に理解しなくてはいけないということであり、そのような意味で、少しでも早く現場、現状についての共通認識を共有しようではないかということが決まりました。

そのようなことから、早速、各部会の先陣を切って6月2日に現地視察を行ったわけですが、まず現場に足を運んで現状を認識することは、何よりも環境ということを考える場合において、非常に重要な要素であると言えます。

委員の皆さまが、いずれも同じようなお気持ちを持っておられたということで、積極的に現地視察に参加して頂きました。実は、淀川の守備範囲は広いものですから、取り敢えず淀川本流の最上流から河口部までということで、丸1日を費やして現地視察を行いました。

守備範囲としては他に2つの河川があるので、まだ現地視察で足を運べていない河川についても、なるべく早い時期に視察を行い、現状を十分に把握する中で、何が課題であるかを議論していきたいと思います。

そのような中で、部会及び委員会としての一番の仕事である、河川整備計画についての的確な意見をつくり上げていきたいという部会としての大きな役割、また今後の進め方についての基本的な部分についての認識が、第1回の淀川部会と第2回の淀川部会現地視察の中で、おおむね委員の皆さまにおかれては共通の理解になったのではないかと思っております。
以上です。


○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。猪名川部会ですが、猪名川部会長の米山委員が少し遅れておられるようです。恐れ入りますが、猪名川部会長代理の池淵委員の方から猪名川部会のご報告をお願いします。


○池淵委員(委員会・猪名川部会)

猪名川部会は、5月23日に第1回を開催させて頂きました。
そこで米山部会長から、部会と委員会の関係、或いは猪名川部会としてどのようなスタンスで議論していくのか、基本は徹底的に議論しようではないかということを話されました。

資料1「各部会の開催状況について」に少し書かせて頂いていますが、弘法大師の話、中江兆民の話等を踏まえて議論をやりましょうということ、これまでの治水と利水の柱に環境の柱が加わっているわけですが、環境においては自然環境だけでなく社会環境、文化環境についても考える必要がある。それから、時間のスパンとしては、もう少し長い支軸を持ち合おうという米山部会長のお話を頂きました。

その後、河川管理者からは、猪名川の現状認識を共有化するということで説明がありました。基本的には、治水に関連する範囲内での説明、現状認識について焦点を当てての話を頂きました。

委員の意見交換の中では、河川管理者への質問が幾つかあり、雨量の設定方法等、上流から下流までスパンを十分に認識した議論をしていくべきであろうというお話がありました。また、委員の皆さまに環境といった側面の関心が高いと見えて、環境についての説明等を次回以降の部会に期待する意見がありました。一般傍聴者の方からの余野川ダムの取り扱い等に関する質問についても、次回以降の猪名川部会の中に入ってくると答えを頂いています。

それらを踏まえて、6月7日、委員が一堂に会して、河口の防潮堤から藻川の合流部、蛇行部分の直線化、また、都市河川としての河川敷のいろいろな整備関連等を現場で河川管理者から説明して頂くと同時に、最終的には銀橋の猪名川の狭窄部までを第1回の現地視察で済ませました。

次回は、6月21日の10時から17時まで、上流を同様に現場を見ながら説明して頂きます。委員の皆さまが現場を見ることでいろいろな河川整備の考え方、或いはなぜそこでこのような事業を行っているのか内容等についての理解が、現場を含めて相当進んだのではないかという印象で終わった次第です。

次回は6月21日にもう一度現場を見て、それから意見交換をするというスケジュールで進めさせて頂こうと思っております。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。
前回の第2回委員会では、河川管理者から淀川水系の現状説明があったわけですが、そのときの宿題も含め、追加の説明をこれから30分くらいでお願いしたいと思います。よろしくお願いします。


○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

前回の第2回委員会では、治水、利水、環境について包括的、全体的に説明をさせて頂きました。その中で、破堤が生ずる可能性のある区間についての説明は、越水破堤のみでした。その際、浸透、洗掘については次回に説明をするということでしたので、浸透、洗掘を中心に話をさせて頂きたいと思います。

また、越水破堤については、破堤の過去の事例を教えて頂きたい、満杯流量とはいかなるものかというご意見等もありましたので、それらについて整理したものを、あわせて説明したいと思います。

また、利水においては現況を説明させて頂きましたが、実際の取水量に関する説明がなかったので、あわせて説明させて頂きます。

〔省略:資料2について説明〕

ここで、1つ謝らなければならないことがあります。
この資料2「淀川水系の現状説明」は事前にお送りしておりますが、まだ途中版なので、会議の際に最終版をお渡しするとご連絡いたしました。それを今、お手元にお渡ししていますが、印刷後に間違いに気付きました。本日説明させて頂いたものは修正版ですが、手元にお配りしたものについて幾つか間違いがありますので、後日、正しいものを送らせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

○芦田委員長(委員会)

ご説明ありがとうございました。
それではただ今より、河川管理者から説明されたことについての質問も含めて、自由討議の場を設けたいと思います。できるだけ、皆さまのご意見をお伺いした方がよいと思いますので、ご協力をお願いしたいと思います。


○倉田委員(委員会・琵琶湖部会)

先日の現地視察の感想も含めて希望を申し上げたいと思います。淀川部会では、予定をきちっと立てておられて、木津川等も視察に行かれると期待しています。
琵琶湖部会に関しては、姉川上流から北湖の東岸を視察させて頂いて、次回の予定は南湖の東側を視察するということまでは公表されているのですが、それだけでは困ると非常に強い不満を抱いています。

琵琶湖というのは、たらいのようなものですから、片一方の方面だけを確かめても意味がありません。特に、湖岸沿いに堰堤が新しくなっている周辺を全部見せて頂いて大変参考になったのですが、これでは姉川以外の大きな河川を全然チェックできていません。

姉川は、確かに上流まで行きました。姉川は、河川工法上は日本でも有数の興味深い河川の1つで、幾度も研究対象として挙げられるので文書もたくさん存在します。古い文書も、私は随分読ませて頂いていますが、他の河川についてはあまり説明がありません。琵琶湖にとって重要な水量の多い河川に関しては、幾つかチェックしなければなりません。それについて予定がないのは非常に残念で、この際、独自にでも見せて頂かなければならないという気持ちを強く持っています。

それからもう1つ、淀川部会の視察にも参加をさせて頂いた感想ですが、実は、私としては重大な関心を持っていることがあります。一般の方は、殆どご存じないかも知れませんが、この1、2年の間に、淀川を京都に向かって、宇治川辺りまでアユが遡上し始めています。これは確認できないのですが、どうも宇治川辺りで、アユを放流する以前に、既に遡上してきているアユがいるようです。

まだ調査はしていませんが、放流もしていないのになぜアユがいるのか、専門家や釣り人の話を総合すれば、淀川の河口から遡上してきたに違いないということです。
どのような形で河川が管理されて水がよくなったのか、重大な関心を持っています。

そのような意味では、この河川ではいろいろなされてきた工夫が非常に効果的であったのでしょう。つまり、これは観光上も内水面の漁業関係でも大きな効果、メリットがあったわけです。

そのことに私は感激したのですが、琵琶湖に関しては逆に、昔と大分違っており、明らかに昔はよい漁場であった所が、今では漁場でなくなっていたり、水流が変わっていたりして、これはどういうことなのかを検討しなければならないと思っています。

それから、上流にある高時川のダムの話も伺いました。その場では質問しませんでしたが、将来、姉川の水量と調整して流し方をどう変えるのか。その計画はこれからだそうですが、姉川の河口辺りでは、四つ手や簗といった重要な漁業をする従事者も相当います。

この人たちが影響を受けないような水の管理、特に水温の変化がこれまで通りの水の流し方ができるのかどうか、それを事前にどの程度チェックされるのかということに対して重大な関心を抱いています。その辺は今後、明らかにして頂けるだろうと思っています。

漁業に関してだけではなく、他の面でも、治水の工法については大変詳しく話して頂き、水そのものの利用の仕方はご説明頂きましたが、川は、非常に多面的な使い方がされています。産業面で言えば幾つか重要な点があるはずなのに、その利用の仕方については、まだ説明がありません。これは、我々が説明すべきなのかも知れませんが、私としては不満を持っているところです。

確かに人間の命を守るという点で、治水は非常に重要だというのはわかります。川の側に住む人たちの命を守って頂くのはよいでしょう。しかし、実はそれと同じくらいに、水を利用して生活をし、産業を営んでいる人たちがいるのです。それが、今まで営んでいたものが全く営めない状態にまで追い込まれるということは、この河川の側に住む意味がなくなってしまうのです。そうなると、これは治水と同等くらいに、そこで働いている人にとっては影響が大きいわけですから、重大な問題だと思っています。

そういう意味から、もう少し今後どのような具合に詰めていくのかを議論して頂かないといけないということ、それから現地視察に関しては、淀川水系側としては一応これでもよいかと思っていますが、琵琶湖部会に関しては、片一方の東側だけを確かめて終わりということでは絶対に困ると思っています。


○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。
琵琶湖部会長の川那部委員、何かご意見はありますでしょうか。


○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

いろいろなところを見たいという希望は当然のことだと思いますが、どれくらい時間を確保できるのかという問題が出てきます。
例えば、木之本から西側を見るとすれば、丸1日は十分にかかるでしょう。先ほど姉川と言われていたのは高時川のことだと思いますが、例えば、姉川や安曇川や愛知川等、野洲川のような大きな河川を視察するとなれば、各々について1日とは言わないまでも、それに近い時間を要するでしょうし、琵琶湖部会の他の委員がどうお考えになるかによっても変わってきます。

私は現場主義ですから、できるだけ見ないといけないと思っていますが、もし1日を費やして視察を行うとすれば、殆ど2倍近い回数を琵琶湖部会として開催しなければならなくなるでしょう。倉田委員のおっしゃることは、私個人はとてもよくわかるのですが、そのようなことが可能であるかどうかを琵琶湖部会の中で議論させて頂かないといけないと思います。


○芦田委員長(委員会)
発言の意味はよくわかりましたので、どれだけ視察が可能かということを検討して頂き、できるだけいろんなところを見て頂くようにお願いしたいと思います。
それから、アユの遡上といった問題や利水の構造についても、また河川管理者の方でわかりましたら、今この場でなくても結構ですので、情報を出して頂きたいと思います。


○河川管理者(近畿地方整備局 淀川工事事務所長 宮本)

アユの話ですが、現地視察のときにも説明しましたが、昭和30年代に、殆ど淀川ではアユが見られなくなり、それが昭和50年代くらいから、ちらほらとアユが復活してきたということです。淀川大堰に魚道があり、ここで溯上してくるアユの調査を毎年行っています。魚道のタイプが古かったために、なかなかアユがスムーズに上がってこなかったのですが、昨年、改良を行ったところ、その淀川大堰で投網を打つと、かなりのアユが遡上してきているようです。

従って、まだまだ不十分だとは思いますが、少なくとも河口から淀川大堰を越して上流にアユが遡上しているということは事実だと思っています。


○芦田委員長(委員会)

利水の構造については、すぐにというわけにはいきませんが、時間をかけて議論をしなければいけないと思います。


○吉田委員(委員会)

河川管理者の説明への質問ですが、わからなかったところがありましたので、ご説明頂ければと思います。

1つ目は、破堤の説明で、河口の部分の水位は、朔望時の平均満潮の水位であるということはわかりましたが、一番肝心の1.0倍という水位は計画高水流量や計画高水位のことを言っているのでしょうか。私が聞き漏らしたのかも知れませんがご説明下さい。

2つ目は渇水についてです。昭和14年から昭和16年、昭和52年から昭和53年といった、あまり取水ができなかった年のことが書かれていますが、これは何カ月くらいそのような時期が続いたのかご説明を頂ければと思います。一年中ずっとそのような状態にあったということではないと思いますが、いかがでしょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

まず、最初のご質問ですが、今回については、昭和28年の実績の降雨を対象にし、その雨が同じ規模で降った場合を1.0倍にしています。昭和28年と同じ雨が2割増しで降ったとすれば1.2倍としており、例えば1.0倍であると、昭和28年と同じ規模の雨が流域全体で降った場合に上流からどれだけ流れるかも計算しています。

上流からどれだけ流れてくるかについても現状を見ているため、例えば2倍くらいの大きな雨になると、淀川であれば、それぞれ桂川の上流に保津峡がありますし、木津川であれば岩倉峡があり、その上流では河川が溢れているということも踏まえた上で、昭和28年と同じ雨が降ったときに下流にどれだけ流れてくるのか、その流量を河川の中に流したときに最高水位がどうなるかを整理しています。

1.2倍というのは、昭和28年の1.2倍が流域に降ったときに、どれだけ流れてくるかを計算し、流れたときに河川の水位がどうなるかを計算し、その最高水位を表示させて頂いています。

○芦田委員長(委員会)

流域特性の変化も考慮しているということですね。だから、当然溢れる量も考慮して計算しているという理解でよろしいですね。


○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

利水の方ですが、過去の状況を整理したものであり、今回については、琵琶湖総合開発の運用が平成4年以降ですので、過去の渇水についても現在の運用をした場合にどうなるかを求めたものを紹介しています。

実際に、当時の運用の状態で、どの程度の渇水があったかについては、お手元にある第2回委員会で配付した、資料2-1-2の2-20ページ、「2.2既設ダム等の効果 琵琶湖開発の進捗と取水制限の形態:平成6年渇水の効果」に過去の実績を示しています。当時の運用の方法でどうだったかを示しており、例えば左から3つ目のグラフが昭和61年だと思いますが、10%の取水制限が57日、20%の取水制限が60日くらいということで、過去の実績は2-20ページの前で示しています。


○鷲谷委員(委員会)

河川管理者の方から利水に関する説明を聴いて感じたことですが、利水に関する根本的な考え方は、まだ環境というものが、河川管理の中に重要な要素として位置付けられていなかった時代と同じような考えの下に進められているのかなという印象を持ちました。

つまり、予想される需要の制約条件が絶対的なものとして、それに基づいて計画を立てるということですが、環境についても考えれば、河川の自然、上流の自然にも負荷をかけないということを前提にすると、どの程度供給が可能かをむしろ考え、それを社会を挙げての節水の目標値として、河川管理者から提案していくというやり方があると思います。

人と自然の共生が、今日では重要な社会的な目標として認められるようになっていると思いますので、その場合の利水の考え方を転換しなければいけないと思います。

そうすれば、ここで議論をするために必要な情報として、水を節約することに関して、社会で今どのようなことが提案されているのか、それに関する技術的な開発等もおそらく進められているのではないかと思いますが、それらに関する情報についても多少ご説明を頂き、需要をどの程度減らせるのか等、そのように考えを進められていくべきなのではないかと思います。


○芦田委員長(委員会)

今は治水の面からのみの説明でしたから、環境を考慮していくとどうなるのかといった関係が従来とさほど変わってないではないかという印象を受けていると思いますが、それについては、また後ほどご説明頂きたいと思います。


○塚本委員(委員会・淀川部会)

先ほどお手元に私の方から2枚綴りの資料を配らせて頂きました。今、従来の必然的な対峙の運動とともに、一方で川辺川に対してのメールの内容は、この資料にあるようなことが全国的に幅広く起こっています。個々の話し合いをしている中で、できるだけ流域をつないで欲しい。

まちと河川のつき合い方をしっかりやって欲しい。行政と学者や専門家と、一緒になって考えていこう。これは時間が大変かかるということです。このようなことが起こりつつあるのです。その辺の背景をぜひ踏まえて頂きたいと思います。

「世界水フォーラム」のキックオフのときにも私は会場で申し上げましたが、様々な分野の役割の人々と現実の実態を共有化してゆくことです。教育面から言っても、どの面から言っても、日本でしたら、例えば40年から50年、ヨーロッパでしたら、例えば200年から100年で、同じような不合理な問題とテーマが共通して含まれています。アジアでは地域によって違いますが、これから10年、20年で凝縮して起こってきています。

ですから、皆さまはある程度、どのようなダメージとなる不合理を解消すべきテーマが詰まっているのかを、やっていく中で知っていって頂きたいと思います。
そうなりますと、今まで、例えば学者や専門家も含めて、あらゆる分野の人たちが、まちや水系や自然のことや、いろいろなことを知りながら関わっていかなければ総合的に動きませんし、根本的な軽減、解決にはなりません。この認識をぜひもって頂きたいと思います。

先ほどの説明の中で、淀川部会の現地視察はずっと河口までご説明頂きました。非常に有効でした。場合によっては琵琶湖部会の委員にもあの行程をぜひ行って頂きたいです。それによって、また違った見方はできると思います。

雨量ですが、最近は乱れ気味ですから、時間単位で、どのくらいの時間でどのくらいの雨量が降るかということがとても大事です。渇水にも関係しますが、ハイドロのピークがおそらく変わってくる可能性があります。

例えば20年前であれば、どのくらいの時間単位で降ったのかということ、この数年ではどういう降り方の傾向があるのか、それから、決して淀川水系だけではなく、日本の他の地域においても、どういう定性的な傾向にあるのかということです。これからおそらく、その傾向は強くなってくると思います。

治水はやはり必要です。どこから先にやっていくのかということを、短期間でも考えないといけないと思います。

もう1つ、説明の中でスーパー堤防のお話がありました。これは堤内、堤外、更に言えば町までの連続性というのは絶対に必要です。例えば、視察したスーパー堤防に高いビルが建っていましたが、いろいろな事情があると思いますから、連続性を持たせるために、あの辺りではやはり協議会を持って欲しいと思います。堤外と堤内に対しての連続性です。

子供たちが9階くらいに暮らしますと、例えば、おしっこをするのが怖いということで下へ降りて来ないという状況があるわけです。ですから、やはり町の状況は、そういう連続性でつながっていくことが大切です。

あとは、どこから本当に始めたらいいのかということ、それから生態系については、どこがポイントだということから、ある程度、短期で考えないといけないと思います。長期で考える場合は、先ほど申したように、皆さまが実態を知らなければならない。

というのは、先に都市計画をしてしまって、風土である河川が本来流れているところに対して、川幅を狭めた場合、やはり治水というのは難しくなってくるわけです。
ですから、その逆転と考えますと、道路や住宅や総合土木、或いは農林水産省等の管理している水等、それらが全て入ってこないと、本当の意味で暮らしにおける治水のあり方がその変動とともに可能となりません。その辺りまで20年、30年は考えて頂きたいと考えます。
もう1つは、短期で、どこからやっていったらよいのかということも含めて、議論できればと思っております。


○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

先ほど、鷲谷委員がおっしゃった通り、環境面での説明が、資料としても決定的に欠けているという感じがします。
これまでも私は発言をしてきましたが、先ほど破堤の問題等の説明をして頂きましたが、そのような技術的な問題は既に過去にクリアしてきたのではないかと思います。ですから、どこの堤防を強化するかとか、そういった問題をここで議論するのではなく、むしろ、20年、30年の計画を立てるのであれば、これまで行ってきた治水、利水のあり方そのものを、どう見直していくかということに関する資料を頂かなければ、考えることもできないわけです。

それから、資料そのものが非常に見にくいです。あえて見にくくしているのかと思うほど読みにくいです。私も目はそれほど悪くないのですが、眼鏡をかけても見えない。この分厚い資料を持って歩くだけでも大変ですが、これを持ってきても特に環境の箇所等は読めない。ですから、もっときっちりした資料を出して頂かないと議論にならない。一番大事なところが疎かになっているという感じがします。

先日、丹生ダムでクマタカが営巣に失敗したという記事の発表がありました。これについてはあまり言いたくないのですが、実は4月14日に、我々はNGOで現地調査をしました。水資源開発公団にいろいろ案内をして頂いたのですが、そのとき、一言もクマタカがここに営巣しているという問題は出ませんでした。

河川が安全に管理され、こういう問題があるということはいろいろ聴きましたが、今、求められているのがそこなのです。クマタカが生息しており、営巣に失敗したという非常に重大な問題があるにもかかわらず、抜けているわけです。将来、しっかりした河川整備計画を立てていこうとすれば、現状把握の共通認識が絶対にベースにならないといけないわけですが、そういった非常に重要な問題が出てこない、示されないという点で、いくら議論をしても、よいプランはできないと思います。

以前、琵琶湖部会だったかも知れませんが、河川管理者も痛い部分はあるだろうけれども、敢えて出して欲しいと言いました。そこから本当に率直な議論をしていかなければ、結局これまでにありがちだった審議会にもあるように、何か当り障りのないことを話し合って終わるといった無駄な時間を過ごしたくないわけです。やはり建設的な意見をしようと思うと、会議等に出席していて面白いな、これならよい川づくりができる、と思えるものにならないといけないと思います。

難しい説明をされても、私は頭が悪いのでよくわかりません。それよりは、そういった部分を1つ十分に考えて頂かなければ、あまりよい議論ができないのではないかと思います。

○芦田委員長(委員会)

先ほどから私も少し感じていることですが、まず治水の安全度がどのようなものかということ、安全度というか現状の実力を認識することは大事ですが、環境にどのような課題があるかということが、あまり説明されていないわけです。

これは河川管理者だけではなく、委員の方からも情報を出して頂いた方がよいかも知れませんが、次回の第4回委員会くらいで、できれば、今、環境面でどのような問題が起こっているのか等説明して頂けたらと思います。最初に説明がありましたが、どうもピンとこない点があります。その辺りはどうでしょうか。


○河川管理者(近畿地方整備局 淀川工事事務所長 宮本)

環境の話については全く材料が出ていないではないかと言われていますが、河川管理者としてもまだ全く出していません。
私どもは、とにかく我々が知っている現状を具体的に説明したいということを一番初めに言ったと思いますが、そのスタートが、大雨が降ったときに一体どうなるのだというところから説明してきたわけです。その経緯で、本日初めて利水の話が少し出たわけです。これから、環境の話、生物の話、或いは水利用等、そのようなことを説明していきたいと思っています。

もう1つは、我々はまだ一切の課題を言っていません。例えば、淀川部会の現地視察の際には、私なりの思いで、こういうところが問題だと思いますというようなことを言いました。しかし、実はまだ本日の様に正式なテーブルについた会議の場では課題を言っていません。

我々は、今はまだ、こういう現状ですということを説明しています。苛立ちを覚えられるのはわかりますが、私どもとしても初めに課題だけを言うよりは、とにかく客観的なデータをまず説明したいということからスタートしています。ですから、環境の話について何も議論しないというのはとんでもない話だと思います。これから大いにやってもらえると思っています。ですから、もう少し回を重ねて説明していきたいと思います。

それからもう1つ、今、治水については、こんなことはもうクリアされているのではないかという話がありましたが、実はこういう格好で、どれくらいの雨が降ったら、どこでどういう被害が起こるか、何が起こるかということを整理し、資料として出しているのは初めてなのです。正直申しまして、今まで、国土交通省はそういうことをやってないのです。

これも、我々としては初めて客観的な現状を示そうということで、お示ししているものですから、その辺はよく理解願いたいと思います。


○芦田委員長(委員会)

治水も利水も環境も、現状を把握することが大事であって、治水については、非常に新しい情報を提供して頂いたと思っています。そのような調子で、次回の第4回委員会以降において、環境の問題についてもその現状を説明して頂きたいと思います。


○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

環境は、次回の第4回委員会くらいで説明するということですか。


○河川管理者(近畿地方整備局 淀川工事事務所長 宮本)

これからだと思っています。


○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

むしろ、これまでにしてもらわないと、時間的にも厳しいと思います。


○河川管理者(近畿地方整備局 淀川工事事務所長 宮本)

この流域委員会で具体的な中身の議論は、まだ本当にスタートしたばかりです。我々とすれば、最初に申し上げたように、まず洪水対策から説明したいと思っています。それから、環境、水利用、或いはその河川の利用も全部含めて、徐々にやっていきたいと思っているわけです。

そこで、洪水対策の話よりも、先に環境の話から説明しろというご意見があれば、我々としてはそのようにしたいと思いますが、我々は今申し上げたようなつもりで今まで説明をしてきました。


○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

やり方に対する提案ですが、例えば、大学で授業を20回考えるときにはシラバスをつくり、何回目にはどういうことを授業して、最終はどこまでするということがあると思います。

どうも、この委員会にはシラバスのようなものがないような気がします。だから、今の議論が行ったり来たりしているので、今後の日程を何月何日と決めましたが、例えばこの日には何について説明をする、その後、この議論をして最終はどうするといったことを、ある程度の見通しを頂けないでしょうか。


○芦田委員長(委員会)

それは運営会議の方でも検討をする必要があると思います。検討して、ある程度の見通しを出さないといけないと思います。


○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

それを出して頂かなければ、会議に出席して一体何をするのかがわかりませんし、やはり議論の時間ももったいないでしょう。今はあくまでも現状説明をするということであれば、事実確認、現状説明に対する質問であって、例えば、鷲谷委員が先ほど話されたように、後々、例えばどういう選択肢を20年後、30年後に選んでいくのかということは、後からの応用問題でいきましょうといった流れが示せていたら、今あえて応用問題の質問をしなくて済むわけです。その辺の会議の持ち方を少し工夫して頂けるでしょうか。


○塚本委員(委員会・淀川部会)

先ほどの私から紹介させて頂いた資料ですが、やはり長い間に渡って、行政と地域住民との間に深い不信感があります。今は、いろいろなつき合いをしてきて、河川関係の全体の模様としての行政、そしてこの委員会は信用できる方向にあると思います。

ですから、もう少しお互いに悩むような状況で話をしたらよいと思います。対峙する必要はないと思います。相談しながらやっていくというのが今の状況ではないかと思います。寺川委員、そこはちょっと認識して欲しいと思います。


○江頭委員(委員会・琵琶湖部会)

先ほど、国土交通省の資料説明の中で、治水の問題、破堤の問題、それから河道容量の説明がありました。その中で、前回の第2回委員会でも申し上げたと思いますが、これは時間を要することかも知れませんが、河川は動く(変動する)のだということを考慮した計算を是非どこかでやって頂きたいと思います。

例えば、川幅は一定ではありません。川幅が広がっているところには、当然土砂が溜まり、そこで水位が上がることが容易に起こるわけです。ですから、ここで示された河川管理者の計算と、河川の変動を考慮した場合の計算を比較し、2つのデータの比較確認をして頂ければと思います。

それから、環境問題の話が先ほどから出ていますが、河川環境の思いというのはそれぞれ違うわけです。ある周辺に発達しているまちに、どういう人が住んでいるか、どういうルールがそこにあるのか、河川でどんな経験をしたのかということで、河川に対する思いというのは随分違うわけです。例えば河川の中に植生が随分入ってきています。

これはある人にとっては好ましいことかも知れない。しかし、放っておくと、これは治水上、非常に大変なことになってくるわけです。その辺もあわせて、また、どういう生態系がそこでシステムとして成立すればよいのかということも含めて、ご検討頂ければと思います。これは要望です。


○芦田委員長(委員会)

環境の問題は次回の第4回委員会以降に出して頂くということですが、環境問題にも自然環境というか、生態系の問題とか社会環境等いろいろあるので、少し整理をして頂く必要があると思います。


○川上委員(委員会・淀川部会)

淀川部会では5月9日に現地視察を開催して頂き、宮本所長をはじめ、直轄管理区間を中心に、治水、利水、歴史文化に至るまで、かなり懇切な説明を頂きました。

見るポイントやコースは河川管理者の方で全て決定して案内頂いたわけですが、地域の特性に詳しい委員も参加していますので、今後の現地視察のルート等については、それぞれ地域に詳しい委員の意見も取り入れて頂き、直轄河川だけではなく、例えば汚水処理場の現状等も含めて視察させて頂ければと思います。


○芦田委員長(委員会)

それは部会ないし委員会で決めればよいことで、河川管理者はそれに従ってやって頂けると思います。


○池淵委員(委員会・猪名川部会)

今、治水の方で破堤の原因、それから何割増しというインプットのご説明を頂きましたが、これからどういう議論をするかというときに、どのような安全度の水準で合意するのかという形のものは、河川管理者が河川整備計画の原案を立てられる前にこの委員会で議論するべきなのか、或いは河川整備計画の原案という形で出されてからの議論でよいのか、その点が気になります。

それからもう1つは、相手は自然ですので、それを超えたときの、いわゆるソフトインフラと言ったようなメニューなり内容もこの河川整備計画の中に入れるべきものかどうかが少し気になるところです。


○芦田委員長(委員会)

その問題については、とにかく治水、利水、環境の実態、現状はどうなっているのか、まず把握をすることが先だと思います。それが終わった段階で、皆さまでどうあるべきかを議論し、それに基づいた河川整備計画の原案をつくって頂き、それをまた皆さまで審議するという段階になるのではないかと思っています。

その段階的なスケジュールをもう少し明確にして欲しいという嘉田委員のご意見がありましたが、それは運営会議の際に相談し、そのようなスケジュールをもった方がやりやすい、見通しが立つということがあるので、できればそのような方向で考えたいと思っています。

現況を把握する段階においては、価値観等はそれほど入らないわけですが、どうあるべきかということになると、人によって相当違ってくると思います。その段階では、大いに委員同士で激論をする必要があると思いますが、それはもう少し先の段階だと思っております。


○寺田委員長代理(委員会・淀川部会)

私も実は気が短い方なのですが、寺川委員が随分気の短いことをおっしゃったので、ちょっと意見を申し上げたいと思います。

今出された意見もそうですが、今回の流域委員会は、前回の第2回委員会の中でも皆さまで議論されたように、従来と違ったものを目指そうということでした。ですから、従来の審議会というものは、例えば河川であれば河川管理者が作られた案が既にできており、その案が示されて、それに対して単に意見を述べるということに終始してきたわけです。そういうものをとにかく乗り越えようというところから、今回のこの流域委員会は始まっているということです。

そこで大事なことは、本当に各界のエキスパートが揃っておられるのですが、しかし分野が違えば、実は素人同然です。従って、やはり共通の議論の基盤の上に立たなければいけないと思います。そのためには、一定時間をかけて委員同士が闊達に意見交換できるようにするために、十分時間を作った方が私はよいと思っています。

メンバーが多いので、部会をつくって部会毎にそういう準備をやっていこうと、それをこの全体の委員会にも反映させていこうということだと思います。

各部会にはかなり自主的な進め方が任せられていますから、先ほどいろいろご意見が
出た分については、できれば十分に部会の方で審議し、スケジュール等は自分たちでつくるものであって、河川管理者に対しては自分たちが考えた希望を伝えて、それに沿ったプランを出してもらえばよいと思います。従って、現地視察にしても、これは自分たちが主体的に作るべきものだと思います。

ですから、それを作る上でわからない部分、情報等はどんどん提供して頂くということは必要だと思いますが、ともすれば従来型のような進め方、行政の方から出してもらうという部分を自分たち自身が乗り越えなくてはいけないと思います。それが委員の一番大事な部分ではないかと思います。

実は、私自身がそういう具合に言い聞かせながら、委員会毎に、また部会毎に学ばせてもらおうと思って参加しています。

そういうことで、ぜひ委員の皆さま同士で闊達な意見交換ができるような形でやってもらいたい、自主的な検討能力を高めるということが当面必要なことだと思います。
そういう点では、実は現地視察も私は何回も行おうと思っています。

今行っている現地視察は最低限の現状、まず現場を見るということです。その後に委員同士で部会でも議論すると、いや、こういうところはもっと細かく、また場合によっては現地の住民の方にも意見を聴きながら、いろいろ説明を聞かないといけないのではないかということが出てくることは間違いないと思います。

そういうことが自主的に出てくるための、今はまだ助走の段階にいるわけであって、寺川委員、あんまり焦らないで十分に皆自分たちの力を蓄えて、よい意見が出せるように頑張りませんか。


○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

冷静に発言していきたいと思いますのでよろしくお願いします。ご指摘頂いた点はごもっともで、つい興奮しまして申し訳ございません。

現状把握について、次回から環境問題もやっていくということで、それは非常にありがたいのですが、これは滋賀県だけではないと思いますが、「淡海の川づくり検討委員会」という機構ができており、滋賀県の河川を考えていこうという取り組みが進んでいます。

先ほど、川那部部会長からも出ましたし、これまでの議論の中でも出ているように、いわゆる直轄河川部分だけを取り上げて議論していたのでは片手落ちだということです。

そういった意味では、委員会は琵琶湖だけではなく、木津川とか猪名川との連携、情報交換等もしながら進めていかなければ、直轄河川だけを見て判断するのは非常に難しいと思いますので、その辺の情報も次回の委員会くらいには開示して頂くようにお願いしておきたいと思います。


○三田村委員(委員会・琵琶湖部会)

私も、前回出席できなかったので頭の中が混乱しておりました。今日の話がどういった流れの中で行われているのかがよくわからなかったのですが、委員長が今後検討したいということでしたので、よくわかりました。期待したいと思います。

前回の第2回委員会の審議骨子の4番目に、治水、利水、環境について説明があったと書いてあるので、もう終わったことなのかと思っていましたが、大きな流れを示して頂ければありがたいと思います。

それから、今日のご説明について質問したいのですが、破堤の話を随分所々でされていましたが、破堤がある可能性が十分にあるというような話でしたので、氾濫原の管理について少しご説明頂けるとありがたいと思います。


○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

氾濫原の管理について、今やっていることで思いつくことを挙げると、取り敢えず、どこが浸水するかということをまず知って頂くことが大事だと思っています。例えば淀川であれば、浸水予想区域図というものを提供しています。また、それに基づいて、市町村の方でハザードマップをつくるという作業をしています。


○芦田委員長(委員会)

氾濫原の管理については重要な問題であり、また日を改めて議論したいと思っています。


○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

現状把握のところで治水を考えても、社会的な問題が必ずあるはずです。しかし、どうしても工学の情報しか提供されていないようです。

例えば地域社会が水防組織を持っている、或いは堤防を歩いても水防倉庫等があります。実際に地域社会での対応、破堤のときに人々はどういう行動をするのか、どういう避難をするのか等、いわば社会的な問題、先ほど池淵委員がおっしゃいましたソフトインフラといった部分も現状把握となるわけです。その情報が殆ど今まで出されていません。


水防組織の存在や水防倉庫については網羅的に調べられていると思いますが、水防倉庫でも管理組織が自治会から組合、或いは市町村の場合等、たくさんあります。それから、水防備品というのがありますが、その備品をどう日常的に管理しているのか、或いは実際に利用しているのか、そういった社会システムの現状の情報を部分的にでも是非欲しいと思います。

それから、人の行動の部分について言いたいと思います。6月17日日曜日にNHKスペシャルで名古屋の水害の問題を取り上げていましたが、どのようにして水害が起こるのかを放送されていました。この番組は大変に素晴らしかったと思います。

しかし、番組の中でも工学的説明に限られているといったこともあって、なかなか人々の対応というのが見えなかったのですが、その辺りを是非とも、これは将来考えるのに大変重要な部分だろうと思いますので、現状把握としてお願いしたいと思います。もし必要ならば私どもの社会学の研究者の立場からの情報提供も可能です。


○芦田委員長(委員会)

わかりました。それは、是非お願いしたいと思います。


○吉田委員(委員会)

三田村委員がおっしゃった氾濫原の管理については、水野河川調査官がお話し頂いた予想区域図のような、今まで国土交通省が考えてこられたものだけで済ますのではなく、森林の状況や住宅の状況がどうなっているのか等、そういう情報が必要だろうと思います。

先ほど質問した中で、ここで出されているのは、例えば1953年9月の洪水を基本にしていますが、戦後多くの木を切った状態の時と、或いは20年後というのでは森林の状況も違うと思います。その当時のものを元にして洪水のことを考えたのでは将来20年にわたって役に立たないと思います。

それから1977年、1978年頃の渇水の情報を元にしても、既に今は琵琶湖の開発もできているわけですから、将来の予測には役立たない。今は現状把握の段階なので過去のデータを出して頂いたのはよいと思いますが、第2段階の問題点の分析、第3段階の整備計画への意見陳述といった段階のときには、将来、例えば緑のダムという考え方でもっと森林をきちんと整備していった場合はどうなのか、住宅等が増えていった場合はどうなるのかとういうことを予測的にディスカッションしなければいけないと思います。

ぜひ委員の方からも、そういったデータをご専門の分野から出して頂いて、治水、利水も将来的な考え方でみていかなければならないのではないかと思います。


○芦田委員長(委員会)

その辺りはお願いしたいと思いますが、本日出して頂いた資料は、実は大変な資料だと思います。ですから、一遍に求めるのではなくて、先ほども議論が出ていますように順番に深めていくことが大事です。

そのためには、本日の説明は流量等の構造的な面に対して氾濫した場合や流域管理、ソフトな面の情報等というのは非常にたくさんありますから、それはまた次回以降に出して頂くことにしましょう。まだ、この現状把握でも随分たくさんやらなければならないことがあります。


○水山委員(委員会・琵琶湖部会)

私も何が出てくるかわからずにレストランに座っているような感じで、恐らくフルコースなのだろうと思いながら見ています。メニューが次回の委員会くらいには示されて、とにかく全部伺ってからと思っています。

ただ、この流域委員会の期間が1年半あるのであまり慌てませんが、最終的な川づくりとしてどのような絵を描くのかと思っています。例えば、平面的な絵、横断的な絵といったことから考えると、それほど情報が広がり過ぎる必要もないのかなと思いながら、しかしそれを先に言うと何か方向が決まるので、まずは全てメニューを見せて頂いてから考えていきたいと思います。

先ほど、江頭委員が河川の変化の話をされたのは土砂も含んでの話だと思いますが、次回にメニューが示されたところでお願いしたいと思っています。とにかく全体を早く伺ってからと思っています。


○芦田委員長(委員会)

まだ期間が1年半残されていると言っても、すぐに経ってしまいますから、やはりメニューを示す必要があります。


○桝屋委員(委員会・淀川部会)

先ほど1年半というお話がありましたが、果たして1年半で十分なのかという感じがしてきました。今までいろいろ話を伺っていますが、これは河川管理者が持っている情報を一元的に示されたということですが、例えばそれに関わる人間の文化的な問題、歴史的な問題にしてもより深いものがあるし、そのような点をどこまで突き詰めるのかを見る必要もあるでしょう。

しかし水山委員から、広がりすぎては駄目ではないかという話もありましたが、そういうことまで配慮して考えていくならば、もう少し勉強する頻度を上げるなり、先ほど話に出ていましたが、ある程度、問題を絞っていくということをしなければ、なかなか収拾がつかないのではないかと思います。

先ほどもクマタカの話が出ていましたが、直接工事などで人間が関わって駄目になったという話もありますが、一面では、例えばクマタカの餌に関しては、PCBがどんどんクマタカの体内に蓄積されて卵を産んでも雛がかえらなくなるといった、もっと深刻な植物連鎖になる影響が随分あるのではないかという気がします。また、そのようなことも含めて、どこまで範囲を広げてやるのかをよく議論しなければ収拾がつかなくなるのかなという感じがしました。


○尾藤委員(委員会)

少し古い話で恐縮なのですが、昔、田中角栄が日本列島改造論を書きました。もちろん、これは田中角栄が書いたというよりは、天下の秀才たちが集まっていろいろプランを出し合ったわけですが、これにはバラ色の夢を描いていたわけです。しかし、うまく描けなかった。

その頃からではなかったかと思いますが、全国の自治体に都市計画というプランが次々にできました。各シンクタンクに、100年の大計に立って自分たちの都市はどういう姿を将来つくるべきなのかということで、プランが全国各自治体にできたと思います。

しかし、私の理解では、これはちょっと間違っているかも知れませんが、その通りできた、その通りやった自治体は殆どと言ってよいほど無く、かなりの高額の予算で仕上がった都市計画プランは今も眠ったままだと思います。

天下の秀才たちがいろいろと作り上げた都市計画、見るだけの図柄では非常に美しい、夢のような、おとぎの国のような計画が何故できなかったのかを一言で言ってしまうと、おそらく地域住民側のモチベーションといった、このようなまちでありたい、作りたいという動機付けの失敗に終わったのだと私は理解しています。

つまり、こういうものにしたいということを、先ほどから社会的なということで出ている地域住民側の意見やその暮らし、日常の毎日を生きている、その問題の汲み上げの力が一番欠けていたのではないかと思います。

私は部会に所属していないので、現場のことをよく知らない部分があってあまり発言をしていないのですが、そういう観点から言えば、この20年後、30年後にでき上がるものが、どういう形をとって本当に生き生きとした力になるのか。それには、そこで暮らしている人たちの意見が、ダイナミックな形をとってどう組み込まれるかということが、最大の問題ではないかと理解しています。

だから、大変難しいのですが、先ほど寺田委員が話されたように、従来にない新しいスタイルということが一番問題ではないかと思いますので、そういう観点からいろいろ意見を申し上げたいと考えております。


○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

この委員会でどういう役割を果たしていくかということと、それから1年半なら1年半という時間が経過したときに、どういう成果を出していくかということをずっと考えていました。

私の理解は、1年半の時間をかけて何か結論を出し、それをベースに河川管理者から、それを整備計画に入れます、或いは入れませんといった判断材料を提供して頂くことが本委員会の役割ではないのだろうかというように受け止められるような発言がありましたが、そうではなく、おそらく1年半をかけて、それ以降のプロセスを作り上げるには、どうすればよいかをこの委員会で結論を出していくのだろうと考えています。

それは非常に重要なことであり、それが目的だと思っています。また、その程度のことしかできないだろうし、多分できるだろうと思っています。実際に事業なり計画の進行に並行して、そのようなプロセスがなければ新しい河川づくりはできないものをこの委員会でできればよいなと思っています。

ただ、そのときに2つ問題があって、1つは、当面の懸案となっている新海浜の問題等が緊急にあるわけです。その問題をこの委員会に持ち込んで議論をして結論を出すかどうかということになると、それは話しが違うと思います。その点については、ケアをすることを別途考え、非常に短期間に、こういう問題があって、どういうプロセスで決めないといけないのだということになってくると思います。

例えば、新海浜にあるような問題等については、当然、当事者が入らなければいけません。この委員のメンバーではなく、直接利害がある方々が議論に入った上で、何らかのプロセスで決めていかなければいけないことでしょう。ただ、今はその部分がいろいろと入り混じっているので、分けた方がよいだろうということが言えます。

また、河川管理者側から、この委員会では整備計画に盛り込む内容を決めて下さい、決められないものに対しては整備計画に入れませんという話がありましたが、それをこの委員会の委員の総意として決めなければならないとすれば、それは本当にこの委員会がそういう役割を担っているのかどうかということを再確認する必要があると思います。この2つは必ずやらないといけないと思います。


○芦田委員長(委員会)

後の方の問題についてですが、整備計画を諮問されたものについて意見を述べ、審議して答申するという役割は持っているだろうと思います。従って、原案を作成する前の段階でいろいろと意見を出すことも重要ですが、それに基づいて、河川管理者がつくられた素案、原案について審議し、答申するというつもりでいます。


○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

そうであるからこそ、それ以降のプロセスとペアになっていなければいけないということなのですね。


○芦田委員長(委員会)

もちろん、そうだと思います。


○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

その時点において、委員会としては、もちろん意見を言わない方も出てくるだろうし、非常に強い意見を出される方もいるのですが、委員会の総意というものが一体何を意味するのかを明確にした上で、もう1つのプロセスと抱き合わせで出すということをしなければいけないでしょう。


○芦田委員長(委員会)

そうです。だから、関係住民の意見の聴き方とか、そのプロセスというのは非常に大事だと思います。


○今本委員(委員会・淀川部会)

技術的なことで言えば、本日の治水の問題において、現実面をいろいろと言われていましたが、非常に私は居心地の悪い気持ちで聴いていました。

本日説明されたのは、例えば昭和28年に降った雨に2割なり5割なり足した雨が降ったらどうなるかということで、一見説明のあったように思われるかも知れませんが、実際のところは、降ってみなければわからないことです。これはあくまで、ある条件下で、今ある計算法でみた結果ですから、例えば越水するかどうかを考えた場合、水面形の計算をしても、実際の洪水というのは非常に波立って流れます。

鏡の面をしたような流れ方はしないので、局部的に水位が上昇したりしたところから破堤が起きたりするわけですが、それがどうなっているのかがわかりません。洗掘にしても、どこかで渦を巻いて、それがどんどん拡大して流れていくわけです。
では、そういう要素を取り入れようと言っても、今の技術レベルではなかなかわからないわけです。

だから、そういうことを要求するのは無理だということはわかっているのですが、本日のような話を聴いて、淀川は非常に安全だと思われた方と、そんなに危険なのかと思われた方といろいろおられると思います。ただ、言いたいのは、所詮起きてみなければわからないことがたくさんあるということです。非常に無責任ですが、例えば昭和28年の2倍の雨が降れば説明のようになるのだろうかという気がして仕方がない。少し落ちつかない気持ちです。


○芦田委員長(委員会)

それは確かにおっしゃる通りであり、浸透破堤の問題でも、洗掘の問題でも、本日示された評価はマクロの評価です。実際は、堤防は一様ではありませんから、穴があいている部分があるかも知れません。要注意の場所を昭和28年の雨で評価し、それで精密検査をするということも必要ではないかと思います。


○今本委員(委員会・淀川部会)

そこまでやれというのは酷だとわかっています。そんなことはできないでしょう。できることなら既にやっているでしょうし、情報を公開もされるでしょう。なかなかできないということだけは委員の方に理解しておいてもらいたいという気持ちです。


○米山委員(委員会・猪名川部会)

私は遅刻の常習犯で、本日も30分ほど遅れて大変申し訳ございません。池淵委員、猪名川部会の報告を代わりにして頂き、どうもありがとうございました。

いろいろな条件が絡んでいるということははっきりしてきているわけですが、治水、利水だけではなく、環境の問題も単に自然環境だけで考えるわけにはいきません。都市環境等もあります。

その都市の人口が、今まではずっと増えていたのに、今後はだんだん減っていくという状況が起こってくるわけです。20年、30年後になれば、ひょっとすれば人口が減りつつあるということ、しかも、お爺さん、お婆さんばかりがいるという状況になりかねないわけです。社会環境という言葉がありましたが、それも変動するのだという前提も考えに入れておく必要があると非常に感じます。

それからもう1つは、自然環境だけではないということです。環境には、三相あると思います。社会環境と文化環境と自然環境です。一番外枠となっているものは自然環境ですが、その自然を見ているのは私たちの目、或いは文化で見ているわけです。例えば雨をどれだけ細かく分けて見ているかというのは、日本人文化としての分け方なのです。

ただ、このようなことまで言うと、文化のフィルターを通してでしか自然環境を見てないということが逆にあると思いますので、文化のフィルター自身が変わるかも知れないということも予想してよいのではないかという気もしています。

だから、価値観が変われば、状況がころっと変わる。つまり、例えるならば、自民党が森さんから小泉さんに代われば一挙に状況が変わったように思うということは、やはり価値観が変わっているということが言えるからではないかと思います。

少し脱線しましたが、三相の環境があるということを前提にして物を考えなければいけないという感想を持ちます。本当に池淵委員、ありがとうございました。


○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

各々の人たちの意見を聴くという2番目の前に、1番目の段階で、いわゆる河川管理者だけに話をさせるのではなく、委員の方、或いはそれ以外の一般傍聴者の方も含めて、少なくとも委員の専門に関しては、自分の知っている情報をきちっと出すことが、大変だけれどもやはり必要なのではないでしょうか。

もちろん、税金を使っていらっしゃる河川管理者は当然に全てのことについてする義務はありますが、そうは言っても限界はあるでしょうから、委員で詳しい人は、自分の意見はちょっと後回しにしてでも、現状はどうであるかを話す機会を、1番目の段階でつくらないといけないのではないかと思います。


○芦田委員長(委員会)

メニューを示さないといけないということですが、社会環境、河川環境を中心として、情報は河川管理者だけでなく、委員の皆さまの情報を出して頂く方がよいと思うので、できれば次回の委員会くらいにそれをできればと思います。しかし、もう少し長い目で見てメニューを示せということですから、それはまた、その中で検討したいと思っております。


○芦田委員長(委員会)

時間が少し超過しましたが、どうもお待たせしました。
一般傍聴の方から10分間くらいですが、ご意見をお伺いしたいと思います。


○傍聴者(井上)

彦根の新海浜から来ました環境保護団体のGreen Waveの井上と申します。発言する内容は議事録に全部記載して頂いて結構です。

申し上げたいことが2つあります。まず1つが、本日配られている委員及び一般からの意見の取り扱いについてです。現状では、言いっ放し、聴きっ放しの状態で終わっていますが、この取り扱いはどうなるのでしょうか。中には質問の形式で書かれている方もあります。

2番目に、参考資料2「委員および一般からの意見」の最終ページにある・17の意見は、私が書いた意見です。私は過去3回、淀川水系流域委員会に参加をしましたが、国土交通省の方からのご説明ばかりで、当然環境省、経済産業省、農林水産省とか、厚生労働省からのご説明もあって然るべきではないかと思いますが、その辺をご検討頂きたいと思います。


○芦田委員長(委員会)

ご意見としてお伺いしておきます。その他にご意見のある方はどうぞ。


○傍聴者(竹田)

前回、ヨシの問題で資料提出等について発言したことがありますが、本日も意見の中で、皆さま、専門の立場から資料を提供するという話も先ほどされました。

我々も、こうしてボランティアとして参加して聴いていると、資料の提供はしてもよいと思うのですが、それに対して事務方のほうから、自己負担で資料を出してくれというお話が琵琶湖部会で出ていました。しかし委員の方々は無償で準備をしてもらい、我々一般者は自己負担で重要な資料を準備して提供するのは差別的で問題があると思います。

やはり、過去の経緯や現状を理解するためには、こうして一般の意見を十分に聴くと同時に、もう少し時間もとって欲しいし、そうした資料を皆が出し合って慎重に検討して話を進めていった方がよいのではないでしょうか。こういう断片的な話しだけでは委員だけの話しの場で、毎日琵琶湖で生活している一般の意見が聴けないし、出てこないので意味がないように考えます。


○芦田委員長(委員会)

本来なら時間を10分と言わずにもう少し時間をとるべきだと思いますが、2時間という時間が区切られていると、どうしても短くなって恐縮です。
またご意見は、例えば部会等で行われる現地視察の際にお伺いする等、いろいろな形でお伺いしていくことが大切だと思います。その場合には討論も含めてあり得るのではないかなと思います。

それでは、時間が過ぎていますので、運営会議の結論、会議の進め方について庶務から報告をお願いします。


○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

本日配布しました資料3「会議の運営に関する決定事項」の説明を短時間で済ませたいと思います。

まず、記者説明会及び審議骨子の作成についてですが、記者説明会については開催の必要がないのではないかというご意見も委員からあり、検討の結果、記者説明会については原則として開催せず、記者から要請があった場合や、審議の節目に適宜開催するという方向になっています。

また、審議骨子については、今まで審議骨子という名称にしていましたが、名前を改め、委員会もしくは部会の速報という形で出すことになりました。また、委員への会議の関係資料、議事録の配付ですが、基本的に、所属されている委員会もしくは部会の資料については、関係資料を全て配付いたします。その他の所属外の会議については、部会または委員会速報及びニュースレターを配付させて頂きます。これを原則としますが、委員から希望があった場合については、適宜希望される資料を配付したいと思っております。

次に3番目として、委員及び一般からの意見及び資料の提供について、基本的にはこちらに書いてある通りですが、補足として、一般からの意見について、これまでは個人名を出していなかったのですが、基本的に、委員の個人名も出しており、一般傍聴からの意見についても所属とお名前を書かせて頂くという方向で今後は進めさせて頂きたいと思います。ただし、本日の資料については、一般の方にお名前をお出ししてよいかという了承をとっていませんので、本日の資料については個人名を伏せています。

今後の資料については個人名を出すという方向で考えています。
また、委員、河川管理者とのやりとり記録については、審議に関することは会議の資料として出し、運営に関するご意見は、委員に連絡という形で送付することにします。

5番目として、委員会及び部会の座席配置について、なるべく委員同士が近くなるように配置することになっております。

最後に6番目として、今後の委員会、部会の日程について、今ここに書いてありますような日程を予定しています。

ただし、確定と書かれていない会議については、今後すぐに委員の出欠の最終確認を行い、確認がとれ次第、開催確定とさせて頂きたいと思います。また、幾つかの会議については候補日が2つ挙げられていたり、開催時間について委員のご意見をお伺いしてから決めていくものがあります。これについては早急に庶務から資料を送付させて頂いた上で、出欠をとりたいと思っています。

尚、次の第4回委員会については、7月24日の火曜日、15時から17時ということで、最終確認をこれからとらせて頂く予定になっています。


○芦田委員長(委員会)

大体、運営会議で決めた内容です。これで本日の第3回委員会は終わりたいと思いますが、全体の取りまとめということで、非常にたくさんの意見が出ており、ここで全てを網羅するわけにはいきませんが、少なくとも次回の第4回委員会で何をするのかは、皆さまのご意見で全体のメニュー、スケジュールといいますか、いつ、どういうことを議論するかというメニューを示せといったこと、また環境についての情報を示す、これは河川管理者だけでなく、委員の皆さまからの情報を出して頂いて、これを運営会議で議論したいと思います。

できれば次回は環境、社会環境・自然環境を中心にした現状把握ということで河川管理者から、或いは委員の皆さま方からも情報を出して頂いてディスカッションをしたいと思います。

予定の時間を超過しまして申し訳ございませんでしたが、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


○庶務(三菱総合研究所 新田)

以上で、淀川水系流域委員会、第3回委員会を終わらせて頂きます。
どうもありがとうございました。

以 上

 

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