<スケジュール・期間等について>
○ 検討スケジュール(案)をみると、検討時間が足りないように感じる。現状把握につい て、次回委員会で終わってしまうのは少し物足りない感じがする。
○ 会議の回数については、進捗に応じて増える可能性がある。(委員長)
○ 検討スケジュール(案)は、おおよその目途であり、重要なのは現状把握、課題分析・ 方向性検討、原案審議の三つのフェーズとそれぞれの期間を委員が共通の認識とするこ
とである。会議の回数等の細かい点は臨機応変に対応すれば良いのではないか。
<検討項目について>
A.住民意見の聴取について
○ 住民意見の聴取について、原案作成のための意見の整理の段階で聴取するのか、現地視 察等もっと早い段階で聴くのか、そのあたりが分からない。
○ 検討スケジュール(案)で示されている「住民意見の聴取、反映方法」については、河 川法で定められている「住民意見の聴取」について検討することを指している。しかし、
流域委員会で独自に住民の意見を聴くことも大事であると思う。(委員長)
○ 原案について住民から意見を聴く時間は十分に確保すべきである。答申とりまとめが平 成14年の秋と決まっているのであれば、原案審議の開始をもう少し早めた方が良いの
ではないか。
○ この流域委員会でも独自に住民の意見を聴取することが重要なのではないか。例えば、 部会で住民の意見を聴くための集まりを開くというのは構わないのか。
○ 住民からの意見聴取については各部会で独自に検討してもらいたいと考えている。(委員長)
○ 流域委員会は河川法に基づいて設置されたものであり、河川法で定められている「住民 意見の聴取」について審議することも目的の一つである。また、流域委員会が独自に住
民意見を聴取することについては第1回委員会で議論された通り、あり得ると理解して いる。(河川管理者)
○ 琵琶湖部会では、現地視察での一般からの意見聴取も通常の部会と同等と考え、特別に 部会から一般の方に意見を求めたわけではなく、現地に来られた一般傍聴者が発言する
時間を設けた。(琵琶湖部会長)
○ この流域委員会で原案審議までに住民意見を聴取するかどうか決めれば良い。方法はい ろいろあるので、あらゆる機会を利用して意見を聴くことが必要ではないか。いろいろ
工夫をしてほしい
○ 河川法に基づく住民意見の聴取、反映方法の検討はこの委員会の目的の一つである。ま た、流域委員会が独自に意見の整理をする際に、住民の意見を聴くことについては、い
ろいろなやり方があるので、各部会で議論していけば良い。(委員長代理)
○ 河川管理者としては、流域委員会での原案審議と並行して、河川法に基づく住民意見の 聴取を行いたい。そして、住民意見の反映結果も流域委員会に提出するので、それを踏
まえて議論して頂きたい。(河川管理者)
B.その他の検討項目について
○ 検討の流れをみると、縦割りの印象がある。国土交通省だけではなく、府県や環境省等、 他の省庁との連携も必要ではないか。
○ 20〜30年後の河川整備のあり方とは別に、緊急性のある問題への対応についても考える 必要がある。
○ この流域委員会ができた意味は二つある。一つは、今までのいろいろなことが起こって きた中で生まれてきた不合理さをどうしていくのかということ、もう一つは今まで30〜
40年やってきた安全や治水等について、今何をしなければならないか、である。また、 治水等の問題については、短期で考えなければならないことと、長期で考えなければな
らないことがある。
○ 河川はいずれ海に出ることを考えると、河川のみではなく、海まで含めた広域的な影響 にも配慮すべきである。今後チェックしてほしいといった宿題を後世に残していくとい
うことも重要である。
○ 海等も含めた広域的な問題も併せて、今後、河川整備の方向性や理念を検討する際に、 どんどん意見を出してほしい。(委員長)
○ 流域委員会は、部会を基本に議論を進めることになっている。部会の進め方は自主性に 任されているので、既成概念にとらわれずに、柔軟にやっていけば良い。
○ 河川管理者より、資料3及び資料3 補足3、補足4について以下の説明があった。
<資料3>
・ 淀川水系の水質
・ 生物
・ 生息環境
<資料3 補足3>
・ 国土交通省における公共事業改革の取り組み
<資料3 補足4>
・ 水資源に関する行政評価・監視結果に基づく勧告
○ 寺川委員より、資料4について以下の説明があった。
・ 水上バイク等からの化学物質による水質汚染について
<水質汚染について>
○ 水上バイクの問題については、水面、湖面利用の視点からも考える必要がある。琵琶湖 部会でも議論して頂きたい。(委員長)
○ この問題は、川と人とのかかわりとして、水質だけでなく河川利用の問題としての議論 が必要だと思う。琵琶湖部会だけの問題ではないと思うが、琵琶湖部会でも議論するこ
とになるだろう。(琵琶湖部会長)
○ 水上バイクの資料(資料3 補足1)について、抜けている図等については改めて提出す る。また、鳥飼大橋付近で先日水質調査を行ったので、その結果も改めて提出したい。
(河川管理者)
○ 水上バイクから排出されるMTBEはハイオクガソリンの一部に添加されているものであ り、レギュラーガソリンを使用するよう指導している。また、ガソリンメーカーがMTBE
のハイオクガソリンへの添加を止めるという話もある。(河川管理者)
○ MTBEは水質汚染の一つの目安として出しており、他の物質も問題である。MTBE同様、 水上バイクの排出ガスに含まれるPAHsについては、既に海外では有害物質と指摘され
ている。1,700万人の飲料水を供給する琵琶湖・淀川水系については、MTBEのような新 しい汚染物質に対して、早期に対策をする必要があるのではないか。
<生物・生態系について>
○ 今日は、淀川本川の環境について説明を頂いたが、他のエリアについての説明は頂ける のか。琵琶湖の生物を抜きにした淀川水系の生物的な環境は成立しないのではないか。
○ 淀川と琵琶湖の生物の関係については非常に複雑で、委員会としても総合的な検討を必 要とするかも知れない。部会で検討した上で、委員会でも課題の分析等の段階で総合的
に議論したい。(委員長)
○ 近年の環境の変化について説明を頂いたが、もっと長いタームでの変化も知る必要があ る。200〜300年前はどうなっていたのか、明治以降にどのような工事が行われていたの
か、昭和初期の埋め立てによってどう変化したのかについて教えてほしい。周辺の状況 等も含めて、大まかで構わないので資料を出してほしい。
○ 明治以降の工事や土地利用の変遷等については調べれば分かると思うが、当時の生物が どうであったかについては難しい。(河川管理者)
○ 長期的な視点からの変遷も重要なので、揃えることができる資料があれば、大まかで良 いので提出して欲しい。(委員長)
○ 琵琶湖・淀川水系は生物学者にとって非常に特殊である。クマタカは羽根があるからど こでも飛んでいけるため、生息場所が一箇所なくなっても、他の場所で生息できる。し
かし、琵琶湖・淀川水系の環境が悪化すると、数百万年の歴史を持った貴重な水生生物 が絶滅してしまう。このような琵琶湖・淀川水系の持つ歴史的な重さを考えると、流域
全体で生物がどのような状態にあるのかを把握し、絶滅させないためにどうすべきかを 考える必要がある。
○ 琵琶湖・淀川水系として流域を考えるためには、琵琶湖部会と淀川部会で資料をやりと りする等、連携して検討を行う必要があるのではないか。場合によっては合同部会もあ
り得る。(委員長)
○ 前回の淀川部会では、治水、利水は目標設定しやすいが、環境というのは目標設定が難しいという意見があった。努力しても絶滅した生物は戻らないし、同種の魚を他から持
ってきて琵琶湖に放しても意味がない。
○ 琵琶湖・淀川水系における魚の遡上をもう一度回復できないか。名張川は、かつてサツ キマスやアユ、ウナギも捕れていた。淀川大堰、大河原発電所、高山ダム等が名張川へ
の遡上の障害となっている。また、木津川流域に関しては、上流の方が下流よりも水質 が悪く、魚が遡上できたとしても問題である。
○ 生物学者が思う目標は、現在残っている琵琶湖・淀川水系の固有種を一種も絶滅させな いことである。
<ダムについて>
○ 今後、ダムは必要なのかどうかを流域委員会で明確にできれば、ダムの建設を止めるこ とができるのではないかと考えている。
○ 丹生ダムは本当に必要なのか、ダムへの疑問や問題はたくさんある。ダムに頼る治水の 考え方や水需要の考え方への疑問、生態系の破壊、富栄養化による水質悪化、水の流れ
ない河川ができること、膨大な費用がかかる等の問題である。
○ 既に造られたダムの活用と、自然の復元は重要である。水資源開発公団の事業はダムの 建設と維持管理が主であるが、ダムに関わる河川の環境保全対策についての事業も行っ
ていくべきではないか。
○ 法律上の問題で、水資源開発公団は環境に関する事業はできないが、国土交通省等がそのような事業を行う際は協力している。(河川管理者)
○ 既存の施設は有効利用すべきと考えている。河川管理者、公団のどちらがやるというの ではなく、これからも取り組んでいきたい。(河川管理者)
○ ダムを壊そうという話を若者達としているが、ダムを壊す技術というのは非常に難しい。 治水等本質的なことを考える意味でも、あるものをなくすという技術や背景、条件を考
えるのも良いのではないか。一番新しい環境の考え方、ものづくりの考え方が浮かび上 がってくるのではないかと思う。
○ ダムの問題については、いろいろ意見があるが、治水、利水、環境の面からの総合的な 議論のなかで考えていく必要がある。それぞれのダムについては各部会で議論して頂き
たい。(委員長)
<委員からの情報提供について>
○ 河川管理者の現状説明を聞いていると、生物学者からみれば、間違いではないが「少し 違う」と感じる部分もある。しかし、そこまで河川管理者に要求するのは酷である。河
川管理者に説明を全て任せてしまうのではなく、委員もいろいろな情報を提供すべきで ある。環境に詳しい委員から、意見ではなく客観的なデータを出してもらうと、正しい
現状把握ができる。(委員長代理)
○ 次回は、川と人とのかかわりがテーマなので、川の利用や水防団の問題等、委員から情 報を提供して頂きたい。(委員長)
○ どういう立場で委員は情報提供をするのか。専門家として事実関係の情報を提供するの か、或いは個人の思い入れを反映する形で情報提供するのか。事実としての情報を提供
するのであれば、どういった情報が必要なのかを整理して、その上でいつ、誰が説明するのかを決めれば良い。
<その他>
○ 現状把握に加えて、哲学や理念の話もされているような気がする。今は現状把握の段階 だと思っているので、今後の段階で話をしたい。
○ 現状把握は次回で終わらないと思う。課題の整理の段階でも、委員から説明して頂くな どして、現状を把握しながら課題整理を行っていきたい。(委員長)
○ 河川整備計画に委員会はどう関わるのか。例えば、ダムをつくる・つくらないを決める のか、つくる・つくらないを決める方法を議論するのか、またはつくる・つくらないは
別として整備のあり方やプロセスを決めるのか、そのあたりがはっきりしていない。
○ 流域委員会は、河川法に基づいて作られた委員会であり、河川管理者が河川整備計画に ついて学識経験者の意見を聴く場である。ただ、この流域委員会では原案作成段階から
参加することになっており、河川法の枠組みから飛び越えた形になっている。河川整備 計画への委員会の関わり方については、今後議論していけば良いと思う。また、プロセ
スについての議論も重要であり、今後、検討していく必要がある。